今本を図書館でたくさん借りて乱読しています。
見つけるまま目のつくままジャンル全く問わず。

その中の一冊「おしゃれの制服化」一田憲子著に印象に残る文章が。
 

器作家の方が、自身のブランドのコンセプトは、
「手作りとプロダクトの境界にあるもの」。
作り手の手跡が残りすぎないように。でも、味気なくならないように。
絶妙な「間にあるもの」が、目指す器。

その作家さんのファッションのお話で、
その器のコンセプトと同じく、手の跡が残らない器だからこそ、
使う人の暮らしにするりと入り込む・・・。

「人の印象に残らない服」
・・・ファッションとどうつながるかのお話の詳しくは本でね。

 


ちょうど自分のやっている仕事と重なりました。

私は「建売住宅」のモデルハウスを設計・インテリアコーディネートしています。
住む人がまだ決まらない、プロダクトとしての家づくりをしています。

予算に合わせて、幕の内弁当のようにぴっちりと家をつくるのではなく、
ちょっとそこに自分自身の今までの家づくりの経験値や生活者の視点や、
お愉しみな部分を盛り込むことを必ずしています。それも徹底的に考えます。
ちょっとエゴな書き方になりますが、「自分が住みたい家」です。

おかげさまで、モデルハウスはそんな「気持ち」の部分が伝わるのか、

すぐ売れてしまうことが大半です。

私もその「手作りとプロダクトの境界にあるもの」を作っているのだなあ、と思うのです。

ほんのちょっとだけ作り手の思いを感じてもらうことが、「ふーん」で終わらない、
足を止めてしまう、気になってしまう家にしたい。
設計士やデザイナーの思いがつまりまくった重たい家とは違う感じ。
 

「間にあるもの」  なかなか深いと思います。