山路力也です。

川崎大師


 今日は川崎大師平間寺へ行って来ました。毎年1月21日に行くことにしているのですが、今年は午後になるまで今日が21日なのをすっかり忘れていて慌てて湾岸飛び乗って、なんとか最後のお護摩に間に合いました。

  承和2(835)年3月21日 は空海の入定した日(命日)。いわゆる祥月命日にあたる毎月21日は弘法大師の御縁日になっていて、多くの方が大師参りをされます。中でも正月の21日は「初大師」と言って、特に参詣者が多い日でもあるのです。

 僕は寺でも神社でも氏神様ではありませんが、自分の家の近くに参るべき、という思いがあり、初詣は「千葉神社」と決めています。しかしそれ以外にも毎年習慣としていくつかの寺社にお参りしているのです。例えば交通安全は成田山新勝寺の自動車祈祷殿、商売繁盛は京都伏見稲荷大社と浅草鷲神社(酉の市)、学業成就は京都北野天満宮、終戦の日には靖國神社。そして災厄消除は川崎大師という感じです。無節操極まりないですが。

 元々歴史に興味もありましたし、鎌倉の近くに住んでいたこともあって寺社巡りは好きだったのですが(中学の時は写真部で寺ばっかり撮ってました)、歴史そのものや仏像とか建物への興味から、ある時「御朱印」集めを始めるようになりました。最初はスタンプラリー感覚でいたものが、納経の記しであるということを知り、そこからちょっとだんだん本気になって、今ではもう御朱印帳も十数冊を数えるほどになりました。そんなあたりからその寺社のご利益などにも興味を持つようになっていきました。

 川崎大師は以前横浜に住んでいた時はちょこちょこ行っていましたが、千葉に越してからはとんとご無沙汰していました。しかし、厄年のタイミングでちゃんと護摩を焚いて頂こうと思って、前厄のタイミングから厄払いマニアになりました。前厄の年は佐野厄除大師に行ったのですが、こういう言い方は失礼ですが、寺社マニア的視点からも厄払いマニア的視点からも、どうにもしっくり来なかったのです。

 そこで翌年の本厄の年(数えで四十二歳)には他にも行ってみようと、厄年マニアとして「関東三厄除大師(佐野厄除大師、西新井大師、佐原観福寺大師堂)」に川崎大師の4つの大師様へお参りすることにしたのです。初大師の21日は西新井と川崎をハシゴしました。護摩は佐野と川崎で。ちなみに川崎大師は実年齢で厄年を数えるので、一般的な本厄の年は前厄ということになります。

 久々に訪れた川崎大師は素晴らしいものでした。さすが成田山と並ぶ真言宗智山派大本山の一つ。建物はすべて戦後に作られたものではありますが、大山門と大本堂を軸にした伽藍配置は広々として落ち着きがあります。そして護摩も厳粛で素晴らしい。まず開始10分前に一人のお坊さんが出て来て法話を始めて下さいます。毎回異なる讃題を用意されていて、非常に分かりやすくて砕け過ぎておらずのバランスが良いのです。そしてその法話がまとめに入ったあたりに、20人ほどのお坊さんたちが鈴を鳴らしながら入ってきます。このタイミングも絶妙なのです。法話が最高のイントロダクションとなり、本編へと入っていきます。

 合掌して「南無大師遍照金剛」を唱えた後、導師様によってお護摩のご修行が始まります。太鼓がベースとなるリズムを刻み、鈴が時折パーカッションのような役割を果たし、決めとなるところには鐘がなる。その楽器隊の上に乗るのが総勢20人のお坊さんの読経の声。そして後半になるとバチバチと護摩が焚かれてクライマックスへ。火柱が上がった先に見えるお不動様のご尊顔。もうこれはライブショー、エンターテインメント以外の何ものでもありません。

 そこからもうすっかり川崎大師の護摩のファンになり(笑)以来、本厄、後厄はもちろん、その後も毎年護摩を焚いて頂くようになりました。今日の護摩も素晴らしかったなぁ。最終回だったので受ける人も少なくてぎゅうぎゅうじゃないのも良かった。そして法話も心に染みるものでした。今日の讃題は簡単に言えば「物事の捉え方について」。物質や事象の本質は変わらない。それを幸せと捉えるか不幸せと捉えるかはあくまでも人間側の問題である。幸せと捉えられるには、日々の心が豊かで平安で無ければならない。その為には常日頃から感謝の気持ちを忘れず、それを言葉に出していくことが大事なのだと。無論当たり前のことばかりではあるのですが、当たり前のことをついつい忘れてしまうのが人。それをあらためて気づかせてくれたことに感謝、なのです。

 そして護摩札を頂き、部屋に貼るお不動様のお札も頂き、山門脇に出ている節分豆を買い、松屋総本店でとんとこ飴を買い、住吉屋総本店で久寿餅を買うのがお約束。しかし今日は出遅れてしまって住吉屋総本店の久寿餅は売切れ。仕方なく「住吉」(紛らわしいのですが別の店)の方で調達して帰路につきました。

 これから厄年を迎える人は、ぜひ川崎大師のお護摩を経験してみて下さい。祈願料は5,000円~30,000円。僕は本厄の時だけ20,000円の大護摩を焚いて頂きましたが、あとは毎年10,000円です。きっと5,000円でもご利益は変わらないのでしょうが、最初に20,000円で始めてしまったので、さすがに5,000円までは落とせず(苦笑)。しかし今日のライブは最前列、いわばS席でしたので元は取ったかな(笑)。

川崎大師



【川崎大師平間寺】
神奈川県川崎市川崎区大師町4-48
044-266-3420