3月に入って2つの心に残るコンサートを聴きました。

 

その1つは3月5日にサントリ大ホールであったベートーヴェンの「第九と皇帝」です。90歳になる指揮者の熊谷弘さんはベートーヴェンの音楽を感じてほしいとコンサートを始め今回で何と43回目でした。

友達に誘われて行ったコンサートでしたが、今の時期に「第九と皇帝」のコンサートとは面白いコンサート、としか感じていませんでした。しかし、コンサートを聴いた後の驚きと感動は言葉になりませんでした❣️

ピアノコンチェルトの皇帝は知り合いの新井啓泰先生のピアノだったので楽しみにしていました。そして指揮者の熊谷弘さんはどんな方かと思っていると、驚いたことに車椅子に乗って現れ、指揮台の椅子に座るのも2人がかりでやっと座れるという感じで正直言って大丈夫かと心配しました。

私たちが座った席はサントリーホールのど真ん中の前の方で指揮者は全く見えなかったこともあり新井先生のよく音が透るピアノに聴き惚れていました。堂々たる演奏、急にPPになるところはゾクッとするほど美しく素晴らしかったです!曲が終わると指揮者の熊谷さんはまた車椅子で戻って行きました。

 

そしていよいよ第九。長大な激しさも持つこの曲、熊谷さんが途中で倒れはしないかと内心ヒヤヒヤしていましたが、終わってみると感動の渦!指揮をなさる動きは小さかったですが、音楽の決めるところははっきりしていて、会場いっぱい豊かな響きで包まれました。今までの指揮は体いっぱい使って激しく動くイメージでしたが、その時にそのイメージは一新されました✨驚きました!

オーケストラも素晴らしく特に弦楽器の溶け合ったハモリと響きはなんとも言えませんでした。ソリストの歌手、合唱も迫力があり、圧倒されました。

雨の寒い日でしたが、心はポカポカして寒さも吹き飛ばしていました。

本当にいいコンサートでした✨

 

さてもう一つのコンサートは3月7日にカワイ表参道コンサートサロン パウゼで行われた、<樹原涼子>を弾きたいシリーズ第4回ゲスト 青柳いづみこ トーク&コンサートです。

樹原涼子さんが作曲されたピアノ曲集「やさしいまなざし」を青柳いづみこさんの演奏で、連弾組曲集「時の旅」を青柳いづみこさんと西本夏生さんの演奏で聴かせてくださいました。樹原涼子さんが司会をなさり、3人の楽しいトークも交えてのコンサートでした。

「やさしいまなざし」は勉強会で全曲勉強して弾きましたが、青柳さんのピアノはまるで違う音楽のように聴こえました。まず音が美しい!即興的で楽譜ってそんなふうに読み解くのかと思える新しい発見がたくさんありました。魅力的な演奏でした。

続く連弾も青柳さんと西本さんの音が溶け合い美しいハーモニーが生まれ、音楽の会話、アドリブも面白く、そしてppの中での繊細で微妙な変化が見事でした。多彩なppで私は全身が耳になって聴き惚れていました。

アンコールでは樹原涼子さんのピアノ曲集「夢の中の夢」より「光る川」を青柳さんのピアノと樹原涼子さんの歌で、心にジーンと来ました。

  

いい音楽を聴くと自分自身が解放され幸せに満たされ、もっと音楽を深めていという気持ちになります。

こういうコンサートに出会えたことに感謝です❤️