以下の文章は、「ポール・ワトソン、シーシェパード、グリーンピース:いくつかの事実」というグリーンピース側から、シーシェパードのポール・ワトソンへの批判を込めて書かれたもののようです。ご紹介します。

 

 

ポール・ワトソンは1971年、アムチトカでの核実験に反対する私たちの第2次遠征隊のメンバーとしてグリーンピースで活動するようになり、捕鯨やタテゴトアザラシの殺処分に反対する行動に参加した。 初期のメンバーとして影響力を持ったが、本人が時折主張するように(グリーンピースの)創設者ではない。

1977年、11対1の投票でグリーンピースのリーダーから追放された(反対票を投じたのはワトソン自身のみだった)。

(グリーンピースの初期の指導者の一人であるボブ・ハンターによれば、シーシェパードは船の名前にちなんで名づけられたそうで、著書『グリーンピース・クロニクル』の中で、以下のようなことを述べている)

■ グリーンピースとシーシェパード
ワトソンは1977年に自身のグループ、シーシェパードを設立した。

 

(そして次の様なことをやった)

⓵1986年、シー・シェパードはアイスランドのフヴァルフヨールドゥル捕鯨基地に対する行動を実施し、レイキャビク港でアイスランドの捕鯨船2隻を海弁を開いて沈没させた。

 New York Times, November 10, 1986: Militants sink two of Iceland's Whaling Vessels


②1992年12月、シーシェパードは港で船舶ニブロエナを沈没させた。

 

Reuters, 3 June 1994: Norway Sentences Anti-Whaling Activists

 

⓷シー・シェパードは台湾の港で台湾の流し網船「江海」を沈没させ、他のアジアの流し網船4隻に衝突し、航行不能にした。
Sea Shepherd Conservation Society fact sheet, Econet, spring 1994

 

④カナダの裁判所は、1993年6月にニューファンドランド沖でキューバ漁船に衝突したとして、ワトソンと彼の元船であるクリーブランド・アーモリー号に合計35,000ドルの支払いを命じた。

Sea Shepherd Media Release, April 12, 1994
 

⑤1994年1月には、ノルウェーのグレスヴィーク港で捕鯨船セネット号に深刻な損傷を与えた。
 Sea Shepherd Media Release, January 24, 1994

 

上記の各捕鯨船は、捕鯨を継続するために修理が必要だった。

2008年の『ニューヨーカー』誌の記事で、ワトソンはシーシェパードが創設以来10隻の船を沈没させたと主張しているが、記事の著者はその数を確認することはできなかったと懐疑的に記している。

ポール・ワトソンとシー・シェパードの行動は、グリーンピースの非暴力という評判を傷つけようとして、グリーンピースと関連があるかのような誤解を生んでいるが、グリーンピースは捕鯨船を沈めたことはない。

反環境保護主義者の中には、環境保護運動の極端な少数派が武力や妨害行為に訴えるという事実を利用して、運動全体に「テロリスト」の烙印を押そうとする者もいる。そのような試みのひとつは、ノルウェーの裁判所によって明確に非難されている。
(中略)

■非暴力へのコミットメント:私たちが協力しない理由
ポール・ワトソンはグリーンピースに対し、捕鯨船団の所在を明らかにするよう、あるいは両組織の船が同時に南氷洋に出没した際にはシーシェパードと協力するよう、何度も公の場で要請してきた。

私たちは捕鯨の中止を熱烈に望んでおり、それを平和的に実現するつもりです。だから私たちはシーシェパードに協力しないのです。グリーンピースは非暴力主義を貫いており、それを変えることは決してありません。

 

もしシーシェパードが捕鯨船団を発見するのを助けたとしたら、私たちはその情報を得たシーシェパードが何をしたかに責任を負うことになりますし、彼らが過去に地球上で最も危険な海で暴力を行使したことは歴史が証明しています。

 

私たちにとって、非暴力は譲れない大切な原則です。

 

グリーンピースはクジラを守るために行動し続けますが、捕鯨船を攻撃したり危険にさらしたりすることは決してありません。

Paul Watson, Sea Shepherd and Greenpeace: some facts | Greenpeace (archive.org)

 

また「テキサス親父」こと、トニー・マラーノ氏も以下のようなコメントをよせてくれています。

 

⑥ワトソン容疑者率いたシー・シェパードは2005年から、日本の調査捕鯨船への妨害活動を始めた。

 

日本の捕鯨船に何度も妨害船を体当たりさせたり、薬品(酪酸)の入った瓶を投げ付けて乗組員にケガをさせたり、捕鯨船のスクリューに太いロープを絡めて操業不能にしようとするなど、極めて危険で悪質な妨害行為を繰り返してきた。

 

そのため、海上保安庁は10年、ワトソン容疑者に対し、一連の妨害行為を指示したとして、威力業務妨害などの疑いで逮捕状を取り、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配した。

 

フランスでは、ワトソン容疑者の釈放を求めるオンラインの嘆願に38万人以上の署名が集まったようだ。有名女優、ブリジット・バルドー氏はパリジャン紙のインタビューで、「ワトソン容疑者を何としても救わなければならない」と語っていた。日本の捕鯨船や乗組員への危険な妨害行為を許せというのか?

 

海に囲まれた日本では、小型鯨類漁を400年以上前から続けてきた。欧米人が牛を食べるように、日本人は鯨肉でタンパク質を補ってきた。

 

反捕鯨団体や活動家の行為は、日本人の食の安全を脅かすものだ。彼らの思考の背後に「アジア人は、西洋人よりも劣っている」という差別意識がある気がする。ワトソン容疑者ら反捕鯨活動家は「食の帝国主義者」だ。

 

親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。

 

日本政府は、ワトソン容疑者の身柄引き渡しを、デンマーク側に早急かつ正々堂々と求めるべきだ。ぜひ頑張ってもらいたい。

仏大統領がシー・シェパード創設者の身柄引き渡し反対 なぜ日本の捕鯨船への妨害行為を許すのか テキサス親父「根底にアジア人差別か」 (msn.com)

 

 

 

ワトソン容疑者は米、カナダの国籍を持ち、この1年はフランスに住んでいたそうで、フランスでは、ワトソン容疑者の釈放を働き掛けるようマクロン氏に求めるオンライン署名が38万8000筆を集め、フランスの環境政党「緑の党」の議員らもマクロン大統領に圧力をかけているそうです。

 

そして現在、エマニュエル・マクロン大統領は、ポール・ワトソンの身柄を日本に引き渡さないようデンマーク当局に強く求めている、と報じられています。

 

これは、シーシェパードの活動を支持しているBBような一部の頭のおかしな人間に迎合するポピュリズム的な態度であると同時に、目的の為なら暴力や違法な行為を繰り返すことも容認されると認めるようなもので、国際法や法治主義という大原則から明らかな逸脱です。

 

ワトソン容疑者は21日、日本の国際手配に基づきグリーンランドで逮捕されており、この勾留期間は8月15日までで、この間にデンマーク法務省は引き渡しの是非を判断することになるそうです。