アル・アハリ・アラブ病院

 

「すでにガザへの空爆で国連関係者らも含め多くの民間人が死傷しており、17日の病院爆発もイスラエルは関与を否定しているが、国際社会に波紋が広がった」と報じられています。

 

 

それでも米国内のメディアなどは、イスラエル寄りの報道姿勢で、パレスチナ自治区のガザ地区を”the Hamas-run government of Gaza”「ハマスが運営する政府」などと呼び、ハマスとそこに住んでいるパレスチナの人々を同一視するかのような印象操作を行っているようです。

 

 

特に、ガザ地区で17日夜に起きた病院に対するミサイル攻撃の主体を曖昧にしながら、イスラエル側による主張、上空から撮影した衛星画像などをまとめた動画を公開し、爆発は過激派組織「イスラム聖戦」が発射したロケット弾の誤爆によるものだったいう主張などを紹介しています。

 

 

そしてこれを国内では「毎日新聞」などが報じています。

 

 

■イスラエル側の主張(毎日新聞より)

パレスチナ自治区ガザ地区で17日夜に起きた病院の爆発を巡り、イスラエル軍は18日、現場を上空から撮影した衛星画像などをまとめた動画を公開し、爆発は過激派組織「イスラム聖戦」が発射したロケット弾の誤爆によるものだったと改めて主張した。

 

公開したのは約30秒の動画。炎上する現場の画像から、病院の駐車場が爆発現場だと指摘している。

 

イスラエル軍による通常の空爆では地面に大きな穴ができるが、病院の現場にはこうした穴ができていないと主張。建物にも大きな被害を及ぼさず、空爆が原因ではなかった証拠だとしている。

イスラエル軍、病院爆発の「証拠」動画公開 過激派の誤爆と主張 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

 

でも流石に、英国のロイターなどでははっきりと(当局者の発表で)「イスラエル軍が空爆」と報道しています。

 

イスラエル軍がガザ病院空爆、少なくとも500人死亡=当局者

パレスチナ自治区ガザの保健当局は17日、ガザ市内の病院がイスラエル軍の空爆を受け、パレスチナ人約500人が死亡したと発表した。病院は患者のほか、避難民で混みあっていた。

 

また国連によると、避難所として利用されていた学校もイスラエル軍の攻撃を受けた。

 

これに先立ち、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はイスラエル軍の空爆により、避難者のためのシェルターとして利用していた学校が攻撃され、少なくとも6人が死亡したと発表していた。

 

UNRWAによると、学校には少なくとも4000人が避難しており、空爆で数十人が負傷したほか、学校に「深刻な構造的被害」をもたらしたと述べた。

 

パレスチナ自治政府の報道官は、イスラエル軍によるガザの病院への空爆は「大量虐殺」で、「人道的大惨事」と非難。パレスチナのシュタイエ首相も「恐ろしい犯罪」とし、イスラエルを支援する国は責任を負うと述べた。

 

パレスチナ解放機構(PLO)は声明で「これは大量虐殺だ。この虐殺を止めるために直ちに介入するよう国際社会に求める。もはや沈黙は許されない」とした。

 

パレスチナ自治政府のアッバス議長は今回の攻撃を受け、3日間の喪に服すと宣言した。

 

エジプトは今回の攻撃を非難。外務省は声明で、病院への空爆を「最も強い言葉で」非難するとし、国際社会はこのような攻撃を止めるために緊急的に介入しなければならないとした。

 

カナダのトルドー首相も「病院を攻撃することは許されない」と述べた。

 

トルコのエルドアン大統領はソーシャルメディアへの投稿で、「最も基本的な人間的価値を欠くイスラエルの攻撃の最新の例」と批判し、「ガザにおけるこの先例のない残虐行為を止めるために行動を起こすよう全人類に呼びかける」とした。

 

パレスチナ保健省によると、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスのイスラエル攻撃が起きた7日以降、ガザで約3000人のパレスチナ人が死亡、1万2500人が負傷した。

 

同期間にヨルダン川西岸地区でもパレスチナ人61人が死亡、1250人が負傷したと発表した。 

イスラエル軍がガザ病院空爆、少なくとも500人死亡=当局者 (msn.com)

 

 

病院への攻撃による500人の犠牲者の殆どは一般のパレスチナ人であり、ガザの病院の医師によれば 「負傷者の30~40%が子供」だそうです。

 

 

 

以下は、「ガザ“負傷者の4割は子ども” 16年間封鎖でトラウマ深刻」というテレ朝NEWSの現地の人々の声を紹介した記事です。

病院の医師:

「爆風や飛んできた破片や石で負傷したり自宅の瓦礫の下敷きになり、こうした怪我はすべてひどく細菌に汚染されており、何度も手術する必要がある」「もし発電機が止まってしまったら、この病院は集団墓地と化してしまうでしょう。この病院の1000人の患者は確実に亡くなります」と語っている。

 

ガザの住民:

「攻撃されたので裸足で逃げました。1歳と1歳にならない子供、そして2歳4歳の子供、みんなを引きずって歩きました」 と語っている。

 

(このような状況下のガザの上空に大量のビラが舞い降り、イスラエル軍がガザ北部の住民に退避を呼びかけたようですが、それはまさに民間人に対する無差別攻撃の東京大空襲と似たような状況で、実際には逃げ場などあろうはずがありません)

 

NGO「ピースウィンズ・ジャパン」矢加部真怜さん:

「約110万人が今回のターゲットになっており、そこで安全は保証されるのか。道路も非常に長い間大規模な空爆が行われていて、メインの道路も封鎖されているところが非常に多い。そもそも南部にたどり着ける保証もない。危険を承知で家に留まるしかないという状況。で移動すること自体が困難な状況で、イスラエル側に逃げることも出来ず、南部のエジプトとの境界にある検問所も封鎖状態で逃げ場はない」

 

NGO「ピースウィンズ・ジャパン」矢加部真怜さん:

「空爆が起きる度に子供たちは非常に多く犠牲になる。トラウマを抱えてしまう子が非常に多い。16年間ガザ地区は閉鎖されているので、単純に(人口の半数近くを占める)16歳以下の子供達は、隣に住んでいるイスラエル人の顔も見たことがない、話したこともないという人が残念ながら大多数です。イスラエル人は、ただただ飛行機に乗って爆弾を落としていく、そういった存在に映っている。自分達がなぜ、このような仕打ちを受けなければいけないのかと」 

 

ガザに住む11歳の少女 :

「生まれてから11年間、ずっと怖い思いをして過ごしてきました。今も家から逃げて路上で生活していますが、ここにいてもユダヤ人に空爆されます」 

 

■徴兵制のあるイスラエルでは続々と国外から予備役36万人を招集

イスラエル・テルアビブの空港では国外から続々とイスラエル人が到着しており、イスラエルは予備役36万人を招集している。

 

イスラエル軍の予備役の招集に応じた女性:

 

「テロリストが人々を銃撃しているのを目の当たりにしました。道路の近くで人々を撃っていました。そして7メートルくらい離れたところから私に銃口を向け撃ってきました」

 

予備役の招集に応じた女性 :

「国を助けるチャンスです。軍が最善を尽くせるよう助けたいです」

 

イスラエルとパレスチナ双方の死者は、10月18日現在で少なくとも3500人、負傷者は13000人を超えていると指摘されている。

引用元:

ガザ“負傷者の4割は子ども” 16年間封鎖でトラウマ深刻(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

 

 

■「空爆の音源はイスラエル軍のJDAM型兵器」

「昨日、ガザの病院を爆破し、500人を死亡させたミサイルの音源は、イスラエルのJDAM型兵器(注)のものと確認されている」と一般人の第三者の方が現地取材して指摘なさっています。

 

ウクライナ戦争でも現地取材しながら、動画を発信しつつ、実はCG戦争だと指摘するなど「政治的な情報開示」に専念しながらYouTubeで発信しておられるスペイン人弁護士のRuben Gisbertという方からの情報です。

 

昨日、ガザの病院を爆破し、500人を死亡させたミサイルの音は、イスラエルのJDAM型兵器のものであることが確認された。

イスラエルは2004年以来、この直接攻撃爆弾を10万発保有している。これは、あらかじめ決められた標的に命中する精密誘導爆弾である。

現地の映像:

 

爆発に至るまでの日に病院で遊ぶ子供たち

エルサレムの英国国教会の司教であるホサム・ナウムは、「病院には少なくとも7つの大きな建物があり、中央には中庭があり、教会も敷地内の真ん中にあります。図書館、行政、教会の間で、ミサイルは駐車場に命中しました。

 

爆発の数時間後、医師たちは床に山積みに横たわる死体に囲まれて暗い記者会見を開いた。

 

「今朝、私が車で病院に入ったとき、病院の中庭は、安全な避難所だと思って、病院[敷地内]に避難を求めていた家族でどれほどいっぱいであるかに気づきました」と英国系パレスチナ人医師のガッサン・アブ・シッタはガーディアンに語った。

 

 

(注)JDAM(英語: Joint Direct Attack Munition 統合直接攻撃弾)

無誘導爆弾に精密誘導能力を付加する装置のシリーズ名。2000年前後に米国で開発・実用化され、米軍を主体に数ヶ国の軍隊が保有。

JDAMシリーズの誘導装置キットを取り付けることで、無誘導の自由落下爆弾を全天候型の精密誘導爆弾(スマート爆弾)に変身させることができる。

 

INSとGPS受信機が組み込まれており、2つの方式を併用した誘導装置が尾部の制御翼をコントロールして、外部からの誘導なしに設定された座標へ精度の高い着弾が行える。また、現在ではさらにセミアクティブ・レーザー・ホーミング(SALH)誘導を併用できる機種も登場している。

JDAM - Wikipedia

 

精密誘導能力が付加されているミサイルだったということで、つまり、イスラエルがガザの病院の民間人を”意図的”に狙ったことは明らかなようです。

 

 

(テロ組織ハマスは病院や学校を敢えて拠点にして民間人を盾にしているとも指摘されていますが)

 

 

イスラエルは国外から予備役36万人を招集しており、今後はパレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻を準備しているとも報じられています。

 

バイデン(仮)米大統領(仮)

ロイター通信などによると、バイデン氏は会談の冒頭でハマスについて「邪悪で残虐な行為を実行した」と批判し、「イスラエルは自衛に必要なものを確保しなければならず、われわれは提供する」と改めて支援を表明した。病院爆発にも触れ「私が見たところ、あなたたちではなく『ほかのチーム』がやったようだ」と述べ、関与を否定するイスラエルの主張に沿った見解を示した。

 

ネタニヤフ氏は「われわれはハマスを打ち負かし、ひどい脅威を生活から排除する」と述べた。

バイデン大統領、イスラエル到着 病院爆発は「あなたたちではない」 ネタニヤフ首相と会談、支援表明:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 

 

■日本は中東情勢に関しては伝統的に(辛うじて)「中立的立場」

「日本は伝統的に中立的な立場で中東情勢に向き合ってきた歴史があり、今回もG7の枠組みとは別に独自の対応をとる」「G7各国と緊密に連携しつつも、アラブ諸国との信頼関係をテコに和平に向けた外交を展開し、国際社会の安定に寄与したい考え」

政府、イスラエル・パレスチナ双方に停戦呼びかけ 首相、11日にも電話会談(産経新聞) - Yahoo!ニュース

 

 

「(岸田首相は)ハマスとパイプがあるカタールのタミム首長と電話協議し、パレスチナ自治区ガザ地区の人道状況の改善や事態の沈静化に向けて連携する方針を確認した」とあります。

 

 

沈静化させるべきは、イスラエル軍によるガザ地区への無差別攻撃と非人道的な包囲、双方の被害が拡大する「地上侵攻準備」の方で、これは明らかに最初から「ハマス」を「資産」とするネタニヤフ政権のガザ(パレスチナ自治区)への侵攻計画だったとみるべきようです。

 

 

以前から繰り返されてきたことのようですが。

参考:

https://x.com/w2skwn3/status/1711306618149937261?s=20

 

 

https://x.com/ShortShort_News/status/1712024609372180757?s=20