9月26日の夜、ロシア産ガスを欧州に供給する主力パイプライン「ノルドストリーム-1」と「ノルドストリーム-2」のガスパイプラインで少なくとも3つの青い燃料漏れが発見され、ノルドストリームのオペレーターであるノルドストリームAGは、ガスパイプラインの3つのラインに同時に損傷があると報告。同社はガス伝送インフラの復旧時期は推定できないと述べた。

 

 

この損傷の調査にはドイツ海軍が動員され、破壊工作が疑われる損傷が見つかった。

 

 

パイプラインの損傷後、ドイツ連邦警察は、国の主権海域に対する管理を強化し、更にドイツ保安局は北海とバルト海の沿岸地域の保護を強化。

 

 

欧州委員会、ドイツの治安機関、ドイツ連邦情報局(BND)は、この事件を妨害行為と見なしている

 

 

ダイバーは水中のパイプに爆発物を敷くことが可能であったし、穴のサイズは非常に大きく、損傷後のパイプ内の圧力は急速に大きく低下。

 

 

欧州各国政府や企業はエネルギー資産の安全強化に動いているが、欧州首脳らは、ノルドストリームの3カ所でほぼ同時に発生した爆発は「故意」によるものだとの見方で一致している。

 

 

損傷を受けた3本のパイプラインは永久に使用できなくなる可能性がある。ドイツ国務省は、損傷したパイプラインが迅速に修復されなければ、内部に入る大量の塩水が腐食を引き起こしそれを破壊する、と指摘。

 

 

損傷を受けなかったのはノルドストリーム-2パイプラインの1つのラインだけであった。

 

 

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は27日、「ノルドストリーム」でのガス漏れの背後にある「破壊工作」についてデンマークのフレデリクセン首相と話したとツイート。

 

 

フォンデアライエン委員長は、欧州のエネルギーインフラを意図的に混乱させる行為は「最も強力な対応につながり得る」と指摘した。

 

 

引用元:

 

https://glavred.info/world/oba-gazoprovoda-severnogo-potoka-razrusheny-navsegda-smi-10412918.html

 

 

 

 

(注)ノルドストリーム

ロシアからドイツまでバルト海の下を通る2本の海底天然ガスパイプラインの名称。バルト海底を経由してロシア・ドイツ間をつないだ天然ガスのパイプラインで、2005年にウラジーミル・プーチン大統領がドイツを訪問した際に結ばれた協定をもとにして、海底部に74億ユーロ、陸部に約60億ユーロ、の総工費約134億ユーロの費用をかけて建設。

 

ロシア北西部のフィンランドに近いヴィボルグを起点とするノルドストリーム-1(NS1)と、ロシア北西部のエストニアに近いウスチリュガを起点とするノルドストリーム-2(NS2)から構成され、両パイプラインは、ドイツ北東部のメクレンブルク・フォアポンメルン州のルブミンまで続いている。

 

 

ノルドストリーム-1は2011年11月8日に稼働を開始し、ロシアの国営企業ガスプロムを大株主とするNord Stream AGが所有・運営している。

 

 

ノルドストリーム-2は2018年から2021年にかけて敷設が行われ、 第1ラインは2021年6月に完成し、第2ラインは2021年9月に完成していたが、ロシアのウクライナへの軍事作戦開始により認定が却下されていた。ノルドストリーム-2はガスプロムの100%子会社であるノルドストリーム-2AGが所有し、運営する予定であった。

 

ノルドストリーム-1による年間総ガス容量は550億㎥(1兆9000億cu ft)、ノルドストリーム-2によってこれを倍増させることになると予想されていた。
 

 

ノルドストリームプロジェクトは、パイプラインがヨーロッパにおけるロシアの影響力を増大させるという懸念から、中東欧諸国や米国から猛烈に反対されており、また、ノルドストリーム-2の稼働により、これらの国々の(ヨーロッパにおける)影響力はさらに低下することが予想されていた。

 

引用元:

 

 

ノルドストリームのパイプラインに破壊工作が何者かによって起こったわけですが、これによって誰が最も得をしたか、誰が困っているかを考えれば答えは自明でしょう?

 

NATOとの交渉の手段としての最も切り札であり、ロシアにとって重要な資産であるノルドストリームをロシアが破壊するはずがないことは誰にでもわかることです。

 

ガスタービンの修理をカナダ経由でドイツのシーメンス(米国)が受けておきながら「新たなオイル漏れが見つかった」として返却がストップしており(恐らく米国DSによるシーメンスへの圧力だと思われますが)、ノルドストリーム-1は9月3日の再稼働が出来ずに、実際に「技術的野問題」で供給稼働が止まったままで、ノルドストリーム-2は承認が取り消されて事業がスタートしておらず、米国DSがこの機会に自国産のシェールオイル由来のガスを欧州連合に高い値段で売買し、欧州連合での影響力を維持することを狙っていたわけです。

 

 

今回のウクライナ危機の背景には「ノルドストリーム-2の完成」によって、安く良質なロシア産の天然ガスがドイツ経由でヨーロッパに安定供給され、ロシアと欧州連合との関係が強まり、同時に海上輸送に頼る米国産の高いシェールオイル由来の天然ガスは売れなくなり、米国のヨーロッパにおける影響力の更なる低下という、米国にとっての「ドイツ危機」であったと分析されていました。

 

 

欧州連合ではガスの価格が4倍に高騰しているそうです。

 

 

誰がノルドストリームの損傷で最も得をしたことになりますか?

 

 

参考:

 

 

ロシアがパイプラインを閉鎖した後、欧州のエネルギー危機が深まる - ブルームバーグ (bloomberg.com)

 

 

追記

このパイプラインは住友金属が作ったものだそうで、日本にしか作れない耐久力のしっかりしたものなのだそうです、

 

FOXのタッカーカールソンなどは、「米国バイデンによる妨害工作」と述べ、冬を前に、直接の死活問題であるだけに、欧州各国なども流石に「ジョー・バイデンの関与が強く疑われる」と指摘しているようです。

 

この破壊工作によって、むしろ今回のウクライナ危機の根底にあったもの、米ネオコン工作そのものについて世界各国が強く意識することになったのではないでしょうか。米ネオコンバイデン政府は墓穴を掘ったようですね。