ウクライナ軍の準軍組織で、内務省直轄の国家親衛隊「アゾフ市民軍」という「ネオナチ」の極右組織があります。

 

 

国家親衛隊であり、ゼレンスキー大統領は就任時の公約に反して彼らを取り締まるのではなく、利用してきたそうです。

 

 

2013年11月~2014年2月に首都キエフで起こった「ユーロマイダン革命」でEU加盟に消極的な親ロ派のヤヌコービッチ政権を倒した国家主義運動の内の極右組織です。

 

 

「ユーロマイダン革命」で親ロ派の政権が倒れ、ウクライナは親EU政権となったため、2014年3月に親ロ派の「クリミア共和国」とセヴァストポリ特別市がウクライナからの独立を宣言し、ロシアと共に三者の間で調印が行われ、ロシアによる「クリミア併合」が起こったことから、ウクライナ国内の親ロ派住民を「分離独立派」として弾圧対象として攻撃を加えるようになり、次第にエスカレート。

 

 

 

以来、両者間の軍事衝突である「ドンバス戦争」と呼ばれる内戦状態が8年間、停戦を繰り返しては合意が破られ続いていました。

 

 

ナチスのハーケンクロイツを掲げるウクライナの極右組織「アゾフ市民軍」

 

 

■極右の武装勢力でウクライナのネオナチ組織である「アゾフ市民軍」

2014年5月に南部のオデッサ市で48人の親ロ派住民が「分離独立派」として虐殺されるという「オデッサの虐殺事件」が起こっていますが、その後も主に東部のドネツク州の親ロシア派住民への武力弾圧が始まりました。


 

ドンバス地域にとって、これまで攻撃していたのはウクライナ軍であったというのは、このような構図があったためのようです。

 

 

参考動画(日本語字幕付き)「キエフ政府はロシア語を話す住民を砲撃しました」

 

 

■リトル・グリーンメン(ウクライナ危機当時の親ロシア側組織)

リトル・グリーンメンは、2014年ウクライナ危機の際に現れたロシア軍の武器と装備品を装備した徽章を付けていない覆面兵士を指すそうで、この用語はロシアによるクリミア併合の最中に最初に使われ、覆面兵士らはシンフェローポリ国際空港やクリミアの大半の軍事基地、 及びシンフェロポリの議会を占領・封鎖した。平和的に行動し、実質的に住民の日常活動に干渉しなかったため彼らは「礼儀正しい人々」 (вежливые люди)としても知られている。

 

2015年4月、退役したロシア提督イーゴリ・カサトノフは「リトル・グリーンメン」はロシアの特殊部隊「スペツナズ」のメンバーだったと述べた。

 

 

■メン・イン・ブラック「アゾフ市民軍」(ウクライナ内務省直轄の国家親衛隊)

アゾフ隊は黒い制服を着用するので、こう呼ばれている。アゾフ海沿岸地域のマリウポリを拠点とし、2014年5月(オデッサ虐殺当時)の創設当初は義勇兵部隊であったものの、ドンバス戦争で対親露派・分離主義者の戦闘で名をあげ、ドンバス危機以降の11月からは、国家警備隊として親ロ派住民を「分離派」として弾圧してきた。

 

 

 

■「アゾフ隊」のマーク(上)はナチスドイツの装甲師団のマーク(下)に似せてある

 

 

「アゾフ隊」は民兵組織で、ウクライナ国軍とともに戦争にも参加しているが、正真正銘の「ネオナチ」組織であり、アゾフ隊のマーク(上)はナチスの第2SS装甲師団「ダス・ライヒ」(SS-Panzergrenadier-Division “Das Reich”)(下)をアレンジしたものといわれている。

 

 

このマークはウクライナの極右の「国家思想」 (イディアナッツィ)(Ідея нації/)と呼ばれるもので、1991年にウクライナ社会民族党が採用したのが始まりで、あくまでも I とNの組み合わせであると主張。

 

 

ニコニコ動画:アゾフ市民軍宣誓式

 

これまで交わされてきた停戦合意

■2015年2月の4人の首脳がまとめた「ミンスク合意」

2014年に始まったウクライナ東部紛争を巡って、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領、ドイツのメルケル首相(当時)、フランスのオランド大統領(当時)という4人の首脳が2015年2月にベラルーシの首都ミンスクに集まり、まとめられたのが「ミンスク合意」でした。

 

 

合意の内容は、ウクライナ東部での包括的停戦、ウクライナからの外国部隊の撤退、ウクライナ政府による国境管理の回復など13項目からなり、争点は、東部の親ロ派地域に「特別な地位」を与える恒久法を採択するかどうかであったようです。

 

 

しかし、「ミンスク合意」はその後あっさり破られてしまいました。

 

 

その後、29回の停戦合意を行っては破られ、が繰り返されてきたようです。

 

 

2019年12月9日にパリ行われた4か国首脳によるウクライナ和平のための会談、年内完全に停戦への合意、親ロ派自治権は先送りされたようです。

 

 

 


2014年~2021年親EU派による「ユーロマイダン革命」→親ロ派の大統領が倒され、ロシアに亡命→親ロ地域「クリミア共和国」とセヴァストポリ特別市が住民投票後に独立を宣言しロシアに併合→南部のロシア系住民を「分離独立派」として虐殺(オデッサの虐殺事件)→東部の親ロ派地域で「ドンバス戦争」へ突入→2021年2月ウクライナの「NATO加盟」を米国が否定せず→2022年2月22日、プーチン大統領はウクライナ東部の親ロシア派組織が名乗る「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認し、これらの地域のために軍の派遣も指示。→2月24日ロシア軍による侵攻開始→現在

 

 

参考:

ドンバス戦争の際の戦闘部隊の中身

 

ウクライナ側:

ウクライナ正規軍、ウクライナ内務省直轄の国家親衛隊(アゾフ隊)、ウクライナ保安庁のアルファ部隊、政府支持派の準軍事組織ジョハル・ドゥダエフ大隊(ウクライナに亡命した独立派チェチェン人の部隊)など

 

★ウクライナ側は米国が総額12億ドルもの予算を出して、「シャベリン」や「スティンガーミサイル」などの武器を供与され、米軍によってロシア侵攻以前にウクライナ軍の軍事演習が行われて強化されていたようです。

 

 

ロシア側:

ドンバス人民兵、南東軍、ロシア正規軍、ヴォストーク軍、ウクライナ軍や警察からの離反者、外人部隊、ネオ・コサック隊、コーカサス・中央アジア武装団、チェチェン準軍事組織、オセチア・アブハズ準軍事組織など

 

 

 

■ウクライナのネオナチの「アゾフ市民軍」の支援者は米国のようです。ウクライナ軍と共にロシア軍との戦争を行っている彼らに対し軍事訓練を行い、スティンガー‐ミサイルや、ランチャー、対戦車ミサイル「ジャベリン」などを提供しているそうです。

 

 

参考 AP通信のニュース映像

 

 

因みに、日本政府なども「彼ら」を含むウクライナ軍に防弾チョッキなどの防衛装備品を提供していますが、これは「自衛隊法」と防衛装備移転三原則の運用指針改正でぎりぎりの判断だったと報じられていますが・・・

 

引用元: