栄光を手にしても貪欲に次の目標を目指して、トップアスリートとして走り続けるストイックさと強い意志力こそがこの偉大なアスリートの最大の特徴で、2018年平昌五輪での男子シングルの金メダル連覇はロシアのプルシェンコ選手でもなし得なかったもので、1952年のディック・バトン(米)以来の記録でした。

 

平昌の後、羽生選手は次なる目標は4Aを世界初で跳ぶことと宣言し、今日までその実現のために人一倍の努力を続けてきたことが今日のFSの演技に現れていました。

 

今日のFS冒頭の4Aは両足着氷になりダウングレードとなったものの、成功まであと一歩で、最初に成功させるのはやはりこの人を置いて他にはなさそうですね。

 

大けがをしても、氷上での練習が出来なくても筋力トレーニングを怠らず、大事な大舞台にきちんと間に合わせてくるという緻密さや運の強さも羽生選手ならではです。

 

11月4日に練習中に右足関節靭帯損傷の怪我でNHK杯の欠場を発表したときには、五輪シーズンでの再びのピンチかと思われ、2か月弱でここまで回復してくると誰が想像したでしょうか。

 

羽生選手の今日の全日本のFSの演技の動画です。

 

「天と地と」(作曲:冨田勲) 振付と構成 : 羽生結弦選手本人が中心となって作ったプログラムなのだそうです。

 

4A、4S、3A+2T、3Lo、 FCCoSp、StSq、4T+3T、4T+1Eu+3S、3A、ChSq、FCSSp、CCoSp

ISU非公式な大会ですが、FSは211.05点、SP111.31点との合計で322.36点で2020年に続き全日本2連覇、2012年からの4連覇と合わせて6度目の男子シングル優勝で、これは本田武史氏と並ぶ歴代2位(歴代最多優勝は佐藤信夫氏だそうです)


五輪3連覇と、世界初の4A成功をかけた羽生選手の旅がこの冬にまだ続きます。

 

宇野昌磨選手、鍵山優真選手もそれぞれ、力のこもった素晴らしい演技で、日本勢はどの選手も頼もしい!

 

 

おまけ

2006年のトリノ五輪で優勝したプルシェンコ選手がまさかの転倒で金メダルを逃した2002年のソルトレイク五輪の男子シングルで優勝したのはライバルのアレクセイ・ヤグディン選手でした。この方々と同時期に戦っていたのが日本の男子フィギュアスケートを牽引した功労者と言われる本田武史氏でした。

 

ヤグディン選手が、今日の鍵山選手と同じく「グラディエーター」を2001-2002シーズンのグランプリシリーズで演じていたことを思い出しましたが、この曲はなかなかいい曲ですね。

 

本田武史氏も2002年のソルトレイク大会に出場なさり、プルシェンコ選手やヤグディン選手と戦って、ショートプログラムで2位、フリーで4位、総合4位という素晴らしい成績だったのです。