排卵誘発剤


診察室とは別室に呼ばれ、リクライニングチェアに座るよう言われました。

私の通っていたレディースクリニックには大変な人気で、この日もたくさんの患者さんが待合い室にいました。

みんなどんな理由でここに来ているのかな。

少し待たされている間に、そんな知る由もないことを考えていました。


しばらくして、看護師さんの説明が始まりました。「今から排卵を安定させ、妊娠しやすくするお薬を飲んでもらいます。

この治療で妊娠率は高まりますが、多胎になる可能性も高まることがあります。」

なるほど、人工的な妊娠にはこうした側面もあるのか。

これまた夫に相談したかったけど、このリクライニングチェア上から、長くなりそうな説明を電話でするのも気が引ける。

5秒くらい黙っていたけど、

「大丈夫、双子でも育てられる。

というかこちらから望んでるのに、頑張って産んで育てるしかないでしょ。」


当時の私の脳内は勝手に双子と決めつけていたが、私の従姉妹は三つ子を産んでいる。

あり得るな…。

でも人生にそこまで詳細な選択肢は無い。


「産むと決めたから今ここにいてる。

もう悩む意味ある?」

私はとても潔い性格をしている。


私「はい、分かりました」


あっさり薬を飲み、

優雅な椅子でしばらく横になっていました。


次は注射


終わりかと思いきや、注射が待っていました。

これも排卵を確実なものにするため(卵の質を高めるため)に打ちますと言われました。


もう出来ることは全部して帰りたい。


サッと終わらせて、診察室に戻ると

「今日か明日タイミングを取ってください。

出来れば今日で。」

先生が淡々と言いました。


今日か…。

何だか急だなぁ。