日本人と温泉の関係は非常に密接である。長年「癒しの象徴」として親しまれてきただけでなく、ケガや病気の治療にも温泉が持つ効能が重宝されてきた。国内旅行のプランを立てる上でも温泉という要素は大変に重視されており、年代を問わず幅広く愛されている日本の健康的娯楽であるといえよう。
国土交通省によると、平成15年度末現在の旅館数は全国で5万9754軒。毎年1000~2000軒の幅でじりじりと減り続けているのが現状である。観光旅行における宿泊日数や消費金額の平均も年々減少傾向にあり、大規模な社員旅行など、かつてのような団体客が取り込みにくくなった影響が数字にも表れている。
温泉に対するニーズは依然として高いのだが、それが旅館の売上に結びつかない理由はホテルとの競合や、「安・近・短」の志向が進んで近年になって進出が著しい「日帰り温泉」の台頭も考えられよう。個人や少人数グループでの旅行においては、インターネットの旅行関連サイトなどで容易に情報取得や予約を行える環境が整った効果もあって、設備の充実した大型旅館や小規模でも高級感のある旅館を中心にその需要は衰えていない。
一方でこれといった特色を持たず集客の要素に乏しい中小旅館が苦戦しており、これが旅館数減少の要因になっていると思われる。旅行の少人数化によって、従来の旅行代理店経由などに代わってインターネットによる予約申し込みがますます増えてくる可能性は高く、今後はホームページなどを通じたPR効果により力を入れることで、需要の維持やリピーターの増加を狙う戦略が主流になってくるのではないだろうか。
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