日清食品が発売する生麺食感が特徴の「日清ラ王 醤油」「同味噌」
大手食品各社が袋入り即席麺の強化に乗り出した。火付け役は、乾麺を生麺に近づける技術革新に成功し、「マルちゃん正麺」をヒットさせた東洋水産だ。これに対抗し、即席麺の“老舗”である日清食品が、袋入り即席麺の新商品「日清ラ王」を投入するなど、市場が活性化している。各社の商品は、乾麺を専門店の生麺の食感に近づける工夫を重ねており、ラーメン店など外食産業のシェアを“食う”可能性も出てきた。
袋入り即席麺は、東日本大震災で保存食として見直されたことに加え、節約志向の高まりから割安感にも着目されている。年間を通じ消費が最も伸びるのは秋だが、今年は「生麺感覚」の新製品投入で、シーズン到来を前に競争が過熱している。
日清食品は、生麺の食感を売りものにした袋入り即席麺の新商品「日清ラ王 醤油」「同味噌」(いずれも5食パックで525円)を27日に関東甲信越、静岡で先行発売する。
麺の内層と外層で原料の配合比率が異なる独自の「3層麺製法」や、吸水性に優れた「太麺製法」などを採用し、これまでの即席麺にはないモチモチ感やコシ、つるり感を出した。
袋入り即席麺は乾麺が主流で、チルド麺より賞味期間が長く、カップ麺より割安でかさばらない。日清食品の豊留昭浩取締役は「家庭での内食志向が高まる中で、即席麺の簡便性や保存性が見直された」という。同社は専門店からの顧客も奪おうと、最新設備の製造ラインの新設も進めている。
乾麺を生麺に近づける技術革新で先行したのが、東洋水産の「マルちゃん正麺」(5食パック525円)。生麺をそのまま乾燥させる技術を開発し、麺本来のなめらかでコシのある食感を実現。昨年11月に「醤油」「味噌」「豚骨」の3品を発売し、今年6月までの約半年で1億食を出荷、100億円を売り上げた。
6日には新商品の「塩」を投入。計4品で年間200億円の売り上げを目指す。日清食品の“参入”を受け、東洋水産は「市場は活性化するが、競争が激しくなる」と警戒する。
一方、サンヨー食品も、切った麺に空気を送り込むことでほぐれが良く、生麺の質感を実現した新商品、「サッポロ一番 麺の力 中華そば 醤油味」「同ちゃんぽん」(いずれも5食パック525円)を9月10日に発売する。外食の味を家庭で手軽に楽しむことをコンセプトにし、「節約志向の追い風」(担当者)を期待する。
日本即席食品工業協会によると、袋麺の国内市場は2010年まで3年連続で縮小傾向だったが、11年は前年比5%増の18億9500万食。今年は各社による新商品の増加で、「プラス成長が確実」(日清)とみられている。
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