水俣病被害者救済法(特措法)で救済を受けられなかった原告の全員に賠償を認めた大阪地裁の判決を不服として、国と熊本県は10日、それぞれ大阪高裁に控訴した。原因企業のチッソは4日に控訴。

 

ああ、やっぱりね、悪い予想が当たってしまった。

何が悪いって、被害者の高齢化のことは、少しも考えていないし、曰くこの判決は、国際的な科学的知見に基づいておらず、最高裁の判決内容からも大きく乖離していると主張。また、WHOの水銀濃度が下回っているのに、疾病が発症しうるとしたことも不満だったのだ。

 

原告弁護団は、被害者の高齢化に配慮して、環境省には控訴断念と話し合いでの早期解決をするよう申し入れていたのだが・・・・・

 

それって、国や企業が最も苦手なことよね。話し合いが出来ていれば、もっと早くに何らかの解決が図れたはず。患者の苦しみに寄り添うことも苦手よね。賠償金を出すという前例を作りたくないのよね。

 

同様の訴訟が、今後熊本、東京、新潟の各地裁でも起こされているから、先駆けになりたくないのよね。今回は、水俣病の公式確認以降、被害者の範囲を絞ろうと言う国の姿勢を正し救済策が広がりを見せる、それこそ患者第一主義を示す良いチャンスだったのに・・・・

 

原告患者たちはこの結果に、「国と県は、患者が死ぬのを待っているのか・・・・」と憤っている。本当に、切実な声が届いていないのですね。

 

環境省が主張しているWHOの基準は、1990年代のデータに基づいているという。最新のものを踏まえていないなんて、怠慢ですね。被害者の実態把握をしていない証拠です。