pneumonia (either community or hospital acquired) とあると、肺炎(市中肺炎または院内感染肺炎)とする人が99%を占める。


 前後関係にもよるが、日本語の文脈で、肺炎(市中肺炎または院内感染肺炎)となることはまずありえない。もちろん、最近はエー語の影響を受けて免疫力を失った日本語話者もいるので、日本語のなかでこのような文を目にしないとは断言できない。

 日本語の文脈なら、( )内が先に来て、(市中肺炎か院内感染肺炎かの別を問わず)肺炎となり、前の文で市中肺炎に焦点を当てておれば、(院内感染肺炎も含めた)肺炎としてもよいことになる。


 たとえば、入社試験でも、お見合いでも、選ぶ側の人間が何をいちばん重要だと思っているかがわかっていないと、絶対にうまくいかない。


 全部で200字ある課題のなかで、私ならここをいちばん重視する。言葉を変えれば、pneumonia (either community or hospital acquired) を肺炎(市中肺炎または院内感染肺炎)と訳す者は、絶対に翻訳者として採用しない。


 翻訳の心がない。


 日本語の心がない。


 いつもいちばん気を配らなければいけないところを素通りして涼しい顔をしている。


 翻訳がどこまでも現地主義であることを体で覚え、とことん実践しないかぎり、道は開けない。


 怒