これは、昨年2015年のお話。
私には、Yちゃんという日本人のお友達がいる。
彼女と知り合って、もう16年、7年は過ぎたと思う。
知り合ったきっかけは、バイト先で。私がラスベガスに来て最初の年に働き始めた職場に、Yちゃんが翌年アルバイトとしてやって来たから。
それからお互い、ずーっと友達関係が続いている。
Yちゃんの一人娘と私の末っ子は同い年。たまに公園に子供たちを連れて行ったり、時には子供抜きで、コーヒーやランチに行って、お互いの近況報告をする仲だ
Yちゃんは私よりも随分年下だ。確か10歳は下だったと思う。
Yちゃんは自立心があり、しっかりした性格で、とても働き者だ。決して人の前に私が、私が、と無理矢理出て行くタイプでは無く、人を支えるのが非常に上手で、頭も切れる。うちのダーリンは、常にYちゃんはいい子だと、大絶賛し続けている。
Yちゃんのご両親は日本に住んでいる。
私は、Yちゃんのお母さんとお兄さんに、一度だけお会いした事がある。
もう、10年以上も前のことだが、ラスベガスに旅行で来られていた。
その時にホテルベラージオのフラワーガーデンでお会いした。
Yちゃんのお母さんは、明るくて、誰とでも打ち解けられる、チャキチャキした性格。話の内容もドンドン新しい話題や質問が出て来て、活発な性格の方だった。そんな感じで、和気あいあいと、数分会話をさせて頂いた。
その後は、Yちゃんの出産の時にも、お母さんはラスベガスに来られていた。確か かなり長いことYちゃんの家にステイされて、娘と孫の面倒をみていらした。
その時はお会いする事は無かったが、出産・産後のお手伝いで観光は出来ないからと、Yちゃんのお母さんは、日本から大量の小説を事前にアメリカの娘宅へ郵送していたようだった。
Yちゃんのお母さんは、時代物フィクション小説が好きで、江戸時代を中心に、〇〇捕物帳や、八丁堀〇〇事件簿、 的な分野を良く読まれるらしかった。Yちゃん曰く、日本では、こういう時代物小説を好きな人達とのお友達サークルがあって、みんなでお互いが読み終わった本を回して読んだりしているとの事だった。
私は本を読むのが好きだったから、Yちゃんのお母さんが日本へ帰国後、30冊程読み終わった本をもらった。本当はこれプラス50冊程あったらしいが、日本食のスーパーに寄付したとの事で、その残りの本を持ってきてくれた。
時代物フィクション小説を読むのは初めてだったが、かなりはまって読みふけったのを覚えている。
(私は、元々日本にいた頃は、推理小説が大好きだった・金田一耕助や浅見光彦シリーズ、もらった本は江戸時代へと場面は変わっても、推理小説に変わりは無く面白かった。)
Yちゃんのお母さんからは、Yちゃんが日本に帰国した際に、私宛にと、時々お土産も頂いたり、娘のYちゃん宛に日本から送った荷物の中から、お裾分けも頂いた事があった。
そのYちゃんのお母さんが、昨年急に倒れた。
もともと持病を持っていたらしいが、倒れた原因は脳内の出血によるものだった。
お母さんが緊急手術をした…日本に帰国する…
という連絡をYちゃんにもらった。
続く