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2014/韓国

監督:キム・ギドク
出演:マ・ドンソク、キム・ヨンミン、イ・イギョン、チョ・ドンイン、テオ、アン・ジヘ、チョ・ジェリョン、キム・ジュンギ

あらすじペン

5月のある晩、ソウル市内の市場で女子高生ミンジュが屈強な男たちに殺害された。しかし事件は誰にも知られないまま闇に葬り去られてしまう。それから1年後、事件に関わった7人の容疑者のうちの1人が、謎の武装集団に拉致される。武装集団は容疑者を拷問して自白を強要。その後も武装集団は変装を繰り返しながら、容疑者たちを1人また1人と拉致していく。そして容疑者たちの証言により、事件の裏に潜んでいた闇が徐々に浮かび上がっていく。(映画.comより)

以降、おおいなるネタバレになります。

鑑賞予定の方は観るなよー。ダチョウ倶楽部のアレじゃないからね。ご注意。



物語はミンジュが国家の陰謀により殺されるところから始まります。

そして1年後、実行犯たちは一人ずつ謎の集団に拉致られ拷問を受け罪を自白させられるのです。


「理由は分からないが上からの命令だから」


それが彼らがミンジュ殺害を実行した理由です。


結局最後までミンジュが殺された理由は明かされません。

友達と話し合った結果「ミンジュ」は理由なき理由で虐げられた人たちを象徴した存在だったのではないのだろうかという結論に達しました。

実行犯は理由もわからず、しかもそれを疑問にも思わず上からの一言で殺害する。そんな風に無残に奪われたたくさんの命、それが「ミンジュ」なのです。

ちなみに「ミンジュ」は韓国語で「民主主義」と言う意味だそうです。


実行犯らを次々に拉致し拷問にかけた謎の集団は一体何者なのか?

時には暴力団、時には軍隊、時には秘密警察、その正体は「劇団シャドーズ」

(劇団はジョークです)


リーダーの義憤に共感した一般人たちが軍隊や警察官に扮して(なんとセットまで作って)

犯人たちを拷問しまくっていたのです。


しかし、そのメンバーたちも、ある者は恋人のDVに悩み、ある者は兄に自由を奪われ、またある者は友人に騙されすべての財産を奪われると言った具合に、それぞれ鬱憤を抱えており、何らかの衣装を纏うことで正義のヒーロー気分でいた彼らも結局は正義の名の下に体のいい憂さ晴らしをしていたにすぎなかったんですよね。

虐げられていたものが虐げる側へ。なんたる皮肉。


ところでDV男や弟を縛り付ける兄、そして詐欺師その他もろもろのメンバーを虐げる者たちを

一番最初に拉致られたオチョン役のキム・ヨンミンが一人で演じてるから驚きです。

なんと1人8役です。何人か似てるなって思ってはいたのだけどまさかこんな仕掛けがあるとは。(これを知ったとき痺れました)

これも何らかの象徴だったのでしょうね。


国家が独裁的になっていくのは虐げられている側にも原因があったり、(我慢、事勿れ主義は独裁国家を助長させる)

虐げられている側がいとも簡単に虐げる側に落ちたり、

そしてやっぱり復讐は復讐しか生まないことなど

単なるエンタメ気分で観に行った作品ですが、こんな深いテーマがあったとは。さしずめ、踏みにじられた民主主義と言ったところでしょうか。


さすが韓国作品だけあって拷問シーンがエグいです。

鑑賞する場合は覚悟して御覧くださいね。