- 錦繍 (新潮文庫)/宮本 輝
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10年前に別れてしまった夫婦が偶然の再会をきっかけに手紙のやり取りを始める。
そんな二人の往復書簡が織り成す物語。
手紙だからだろうか、それとも時間の経過が頑なな心をほどいたのか、
手紙を介し、当時は口に出せなかった思いを伝えあう亜紀と靖明。
10年前、今と同じように互いの素直な気持ちを伝えていたならば、
二人は別れずに済んだのかもしれない。
しかし亜紀の言うように人生に「もし」や「たら」は通用しない。
けして幸福とは言えないそれぞれの境遇を、己の「業」だと二人は静かに受け入れる。
勿論それは、二人が結ばれることのない業である。
しかしあの別れがあったから、そしてこれまでの10年があったから
ただの元夫婦と言う間柄ではない存在になれたのかもしれない。
生きてることと死んでることは同じことなんて
そんな哲学めいた難しいことは分からないけれど
この作品が美しい言葉で綴られていることは私でも分かる。
日本人に生まれてホントよかった。
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実は、8年前に好きだった5コ年下の男性に勧められた作品である。
しかし当時の私には難しく、おまけに下心がきっかけなものだから
読んでも遅々として進まず、途中で挫折してしまった。
そして少しは私も大人になったのか
ようやくこの作品の良さが分かるようになったようだ。
と言うよりも、今この作品を読むことが私の業だったのかもしれない。笑
当時、幸せではない結婚に嘆いていた彼も今は33歳。
幸せに暮らしているのかな?