砂の器

昨日、不朽の名作「砂の器」を観て参りました。

数年前に原作を読んで恋焦がれた作品です。

(なかなかレンタルビデオショップにもなかったのー)

それがなんと映画館で観れたのですよ、奥さん。(不特定多数)

ここまで待った甲斐があったというものです。

神様ありがとうー。北京オリンピックもよろしくな。


「砂の器」を知ってる人も知らない人もまずあらずじを。


鎌田操車場で身元不明の撲殺死体が見つかる。

事件に手がかりになるのはバーで一緒に飲んでいたと言う若い男と東北弁、そして「カメダ」。

秋田に亀田と言う場所があると知り、急いで向かう今西刑事。

そこで事件を解く鍵は見つかるのか・・・。



正直、原作との設定の違いに不満を覚えました。

ヌーウエーブは?

レインコートは?

劇団は?


おまけに丹波哲郎演じる今西刑事は私が思い描いたような無骨なタイプではなく、

どこか飄々としてつかみどころのない感じ。


しかし、目的地のない旅、
そこにとどまらないための終わりのない旅をして

日本中をさすらう乞食の親子。

それを観たらそんな小さいことはどうでもいいように思えてきました。

台詞もほとんどありません。

それにも関わらず、
どこにも居場所のない彼らの背中が切なくて、
だけど二人一緒にいられるなら幸せだと言うような

時たま見られる親子の笑顔がさらに切なくて
胸が張り裂けそうになりました。

あちこちをさ迷ううちに時は流れ、

秋が来て冬が来て、そして春が来て・・・。
しかし花が咲いても、空が青くても、
この親子には春は来てないのかもしれない。
とめどなく流れる涙をぬぐいながらそう思いました。

病気が悪いのか、時代が悪かったのか、私には分かりません。
強いて言えば悪いのは人間の弱さなのかも。

バックに流れる「宿命」も然る事ながら、
役者さんたちの熱演もすばらしく、
丹波哲郎にいたっては本当に泣いてるんじゃないかと思いました。
今でも「繰り返し、繰り返し・・・」の台詞が、彼自身の言葉に思えてならないのです。

古い映画ですが原作にはない良さがあります。
映画だからこそ、そして映画にしかない良さをもった作品です。
名作とはいつ観ても色褪せないものであることを実感しました。
この作品に出会えて本当によかった。
よかったらではなく、みなさんにもぜひ観て欲しいと思います。


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