札幌にて。
小樽から札幌。
「冬以外の季節」の札幌は、特に特徴のある街ではない・・「どこにでもありそうな地方都市」といっていい。
飯も旨いものも中にはあるだろうが、ごく少数の店であり、もうそんな店にはまったく興味がなくなって
しまった俺は「予約をして行く」なんてこともなく、古参の洋食店など地元の人が「日常に食っている」
ようなものをあえて選んで食っていた。その方がよっぽど「地方感」を味わえる。
「札幌名物」といえば、今は「ラーメン」より「スープカレー」が代表格になっているようだ。
しかし東京で食った何軒かの「スープカレー」は、不味くはないものの、日常的に食いたいという
味ではなく、もう何年も食っていない。
札幌駅の高架下商店街にある「hirihiri」なる地元で人気という店に伺う。
電車が上を通るたびにガタゴトと騒音が激しい中、なんだか「インチキポリネシア?」という妙な内装の
店内でボンヤリと「スープ(カリー)/フランク入り」を待つ。
スープカレーは「チキン」が定番だが、ありゃ食いにくい上に、デカい具材を食っているうちに飽きてしまう。
その点フランクは「カレーポトフ」という感じで、具材の量も大きさも丁度いい。
ライスをスプーンによそい、それをカレースープに浸して食う・・・が正しいという。
なかなか旨い・・・しかし・・・これはライスより中華麺や稲庭のような細い饂飩の方が合うな、と思う。
このスープで「カレーラーメン」はいいだろう。但し「細麺」に限る。
大通り公園では北海道の食材をテーマにしたイベントが開催されていて賑わっていた。
但し「北海道産ワイン」のゾーンはガラガラで、フードコート化した「屋台料理」ゾーンは混雑していた。
そんなもんだろう。俺も前日に小樽で飲んだワインが不味くて、とてもワインを飲む気にはなれなかった。
屋台の煙にゆれる「テレビ塔」。
どうしても「旨い酒」が飲みたくなってバーを探すものの、「すすきの」へ行かないと無いというので
仕方なくホテルオークラのバーへ。
内装の雰囲気は確かに「オークラ」なのだが、どうも「空気感」が違う。
それは客層やバーテンダーの「資質」が醸し出すものだろう。
まぁ、あまりウルサイことを言うのも面倒臭いので「パラダイス」を頼む・・・ものの「?」という返事。
「メニューにないので、調べて作ります・・・」には苦笑したが、ま、いっか。
可も無く不可も無く・・・しかし、それなりの酒を飲めたので文句は無い。
泊まるホテルの外観やインテリアは「イタリアンモダン」でオサレであったが、非常に狭い部屋の
ベッドに横たわる。
翌朝は雨・・・併設されているイタリアンレストランで朝食。
どこに行っても同じな「和洋食のブッフェ」。
雨の景色を屋内から眺めて食っていると、おざなりな料理でも気分がいい。
帰りのフライトの時間まで近代美術館で「藤田」を見る。東京で見損なったものだが、なかなか良かった。
土産は買わずに、飛行機のシートに身を沈めた。
サービスでワインを勧められるが・・・「それだったら要らない・・・」と心中で思い遠慮する。
また要らないのに付いてくるサンドイッチは・・・結構旨かった(笑)。
窓側でない飛行機は非常に退屈だ。
隣に面白い人や美女でもいれば会話するんだが・・・(笑)。