餃子考。 | 縁に連るれば唐の物

餃子考。


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「餃子」というのはラーメン同様に「中華風和食」の代表だろう。

日本で「餃子」といえば「焼き餃子」のことであり、気取ったグルメや中国人が言うところの

「本場では焼き餃子じゃなく、水か蒸し・・・」なんて冗談じゃない。


町の中華料理店で「ビール!」といえば「焼き餃子」が「お約束」であり、「水餃子」や「蒸し餃子」なんか

頼もうもんなら「ナニ言ってんの?」となるだろう(笑)


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蒲田は「餃子の名店」が集まるメッカとして有名だが、地元民へのアンケートでは餃子ランキングの

一位が「名店」ではなく「王将」だったのには笑った。


確かに「王将」の餃子というのはニンニクタップリで、誰もがイメージする「焼き餃子」の典型といって

いいだろう。だから人気がある。安いという要素も大きいだろう。

しかし俺は「焼き餃子」は好きなのだが、ニンニクタップリなタイプは好きじゃない。


なので「銀座:天龍」や「八重洲:泰興楼」の「ニンニクなし」の焼き餃子は好きなタイプなのだが

「デカイ」というのが玉に瑕である。餃子は一口で食えるサイズがいい。

しかし関西風の「チビ」な餃子は、あれは駄目。皮と餡のバランスが重要だ。


また餡のベースはキャベツか白菜か、も重要な問題で、今はキャベツ派の方が多い気がするが

やはり「焼きの正統」は「白菜」だろう。そして「白菜派」は古参の店に多い。



その古参店の代表が「飯田橋:おけ以」である。

皮も手作りで、その「モチっと」した皮は、本来は茹でて「水餃子」にするところを「焼いちゃった」という

ゆるい感じがよく出ていて楽しい。ただ「羽根」は余計であり、あんなものは要らない。


特に「インパクト」や「個性」がある訳ではなく、とても「普通」なのだが、しかしそれが他ではなかなか

食えない味でもある。

そいつをこれもまた名物である「タンメン」と一緒に食うとよく合う・・・といっても俺は麺ヌキで

「スープモヤシ炒め」として食うのだが(笑)


このスープは非常に淡白なのだが、実はなかなかどうして結構力強く、餃子の味に負けない。

若者は「味がない」と言うが、今時の「インパクト系ラーメン」によって味覚障害になっているので

味がしないんだろう。「味の素」も使っていると思うが、そんなに舌には残らない。


「時代」とは合っていないかもしれないが、この店のファンは多い。

俺もその一人であり、長く続いていって欲しいと思う。