高畑淳子演じる街占師・北白川晶子が事件を追うサスペンス第2弾。晶子の夫・和樹が殺害現場に居合わせたため逮捕される。晶子は夫の無実を晴らすため事件の真相を追う!
銀座の街角で街占師をしている北白川晶子(高畑淳子)は、夫の和樹(村田雄浩)が営むラーメン店の常連で、詐欺被害者にボランティアで相談に乗っている西山(石倉三郎)が、ビューティー・レイという美容会社のことを調べていることを知る。数日後、そのビューティー・レイの専務・高原(IZAM)が殺害され、その場に居合わせた夫の和樹が逮捕されてしまう。晶子は夫の無実を晴らすため事件の真相を追い始めるが・・・。

 

①美容ドリンク販売会社専務 IZAM

②同じく社長 葉山レイコ

 

IZAMには名うての詐欺師だった過去があり、彼に騙された末に自殺した女性もいた。

美容ドリンク会社も悪徳商法。

社長の葉山レイコはお飾りで実質的にはIZAMが会社を回していた。

事件直後、会社の広報ビデオがネット上でアップされる。

ビデオに出演したアイドル女優 逢沢りなも「悪徳商法の広告塔」になってしまいイメージダウンに。

彼女のマネージャーを務めるのが母親の藤吉久美子。

彼女もかつてはアイドル歌手だったが、妊娠して未婚の母になっていた。

父親は制作プロダクション社長 中丸新将と噂されているが…。

 

りなの父親はIZAMだった。

学校の帰り道、突然、「自分がお前の父親だ」とIZAMが声を掛けてきた。

IZAMは優しく、2人で食事をするようになり、美容ドリンクをプレゼントされる。

「広報ビデオを撮らせて欲しい」と言われた時には「父親の役に立てるのなら」と軽い気持ちで受けてしまったのだと。

しかし、それは人気女優である、りなを利用しようとするIZAMの魂胆。

IZAMが娘に近づき、そんなビデオを撮らせたことを知った藤吉久美子は「あの詐欺師、ぶっ殺してやる!」と酷く憤っていた。

その直後にIZAMが殺されたので、りなは母親が犯人じゃないかと不安に思っていた。

しかし、母親は犯人ではなかった。

 

犯人は詐欺被害者支援団体代表 石倉三郎。

10年前、彼もIZAMと共に詐欺を働き、金儲けをしていた。

ところがIZAMが石倉の娘を誑かし、「結婚したい」という娘の願いに石倉は猛反対。

娘の為に金を稼ぐと言い聞かせて詐欺を働いてきた石倉だったが、自分を信じて疑わないまっすぐな娘を思うと苦しい。

そんな石倉の心を見抜いたIZAMは彼に見切りをつけ、会社の売上金を根こそぎ持って、娘と駆け落ち。

しかし、一緒に暮らすようになって娘はIZAMの本性に気付いた。

同時に父親の悪事も知らされた娘は目を離した隙に自殺してしまう。

娘のお腹には赤ちゃんがいた。

 

10年が経ち、憎い男と再会。

娘の死は自殺だと思っていたが、IZAMが殺したと知った石倉は思わず、彼を殺害。

現場から逃げていく石倉の姿を見た②社長は村田に罪を擦り付ける細工を行う。

IZAMを憎んでいた社長だが、自分1人では会社を切り盛りできないことも分かっていたので石倉を後釜に据えようと企んでのことだった。

石倉は自首するつもりだったが、娘の様に思っている女性の手術を控えて躊躇してしまったという。

 

 

高畑淳子、村田雄浩、吉行和子、火野正平、石倉三郎、藤吉久美子、IZAM、伊藤かずえ

【原作】姉小路祐(「死を招く手相」双葉社刊)