「銀座で開かれた結婚披露宴で、天からの贈り物という電報が読み上げられるのと同時に、若い女性の死体が隣のビルから落とされてきた。出席していた外苑害の交通課巡査・貴衣子(石田ひかりさん)は、連続殺人を予感した。警視庁捜査一課の一色警部補(伊藤蘭さん)に理由を聞かれた。同様の手口の第二の殺人事件が起きた。現場には貴衣子が以前、作成した防犯資料のコビーが残されていた。3年前、その資料がきっかけで女子医大生殺人事件が発生、未解決となっている。事件を担当する捜査一裸に異動となった貴衣子は、厳しい物言いの一色に反発を感じながら、異常性格者と思える犯入を追う。
①不動産会社OL 林彩子
②女子大生 池内真美
③所轄刑事 羽場裕一
⓪女子医大生 結城沙織
3年前
石田ひかりは所轄の刑事課にいた。
その頃、女子医大生殺人事件が発生し、現場にはひかりが作成した性犯罪防止キャンペーンの小冊子コピー。
その小冊子に挑発された何者かの犯行と思われたが、事件は迷宮入りし、責任を感じたひかりは自ら交通課に異動していた。
現在
ひかりが出席していた警察官の結婚式の最中、女性死体が落ちてきた。
同じく会場にいた捜査一課のやり手刑事 伊藤蘭は犯罪心理学を学んだひかりが必要だと、彼女を部下に引き抜く。
第2の死体遺棄現場近くには百合の花と3年前の小冊子のコピー。
今回の連続殺人は3年前と同じ犯人の仕業だったのだ。
ひかりが出席することを知って結婚式会場で①死体を落とし、次に彼女の自宅近くに②死体を遺棄。
ひかりは事件の鍵は自分自身であることに気付く。
次に、所轄刑事 羽場裕一に犯行声明文が送られ、教会で殺害されてしまう。
犯人は3年の空白の後に連続殺人を再び始めた。
眠っていた殺意が目を覚ましたきっかけがあったはず。
失業、失恋、親しい人の死…現場の教会と犯人に接点があるはず。
17年前、教会は放火されていた。
犯人は教会に来ていたある少年じゃないかと噂された。
父親が早死にし、家業を付いた母親からは激しい暴力を受けていた少年。
シスターは少年に「祈りなさい。いい子でいなさい。そうするれば神様はあなたを祝福して下さいます。」と諭した。
熱心に祈りに来ていたのに、姿を現さないと思っていたら火事が起こった。
言われた通りに祈ったのに、母親からの暴力は続き、裏切られた気持ちになった少年が教会に火を放ったのだった。
教会には受胎告知の絵画があった。
天使ガブリエルが手にしている白百合は聖母マリアの象徴で処女を表している。
3年前の事件現場にも百合の花があった。
2件目の被害者の頭髪にも百合の花粉。
自分が大天使ガブリエルと信じる犯人は殺すことで彼女たちの中にある悪を退治しようとしていた。
⓪3年前の被害者は医学部の学生
①彩子は宅建取得を目指す仕事熱心なOL
②真美はフラワーコーディネーターを目指す女子大生
そしてひかりは犯罪防止に力を注ぐ警察官。
犯人は自立心の強い女性を憎悪している。
しかし、シスターはその少年の住所も名前も分からないという。
①~③の事件は全て友引の日。
犯人は葬儀関係者か?
①彩子は亡くなった部長の告別式で受付の手伝いをしていた。
②真美も1か月前、祖母が亡くなり葬儀を行っている。
どちらも同じ葬儀会社で、そこでエンバーミングを行う菱沼一哉が浮かぶ。
彼は⓪の事件の2か月後に渡米し、①の事件の3ケ月前に帰国しており、更に③羽場の所属する署に出入りし、羽場とも面識があった。
犯行を否認するものの、アリバイは話そうとしない菱沼。
彼の出身地は埼玉県で教会は築地。
シスターの言っていた少年は彼ではない?
彼は事件当日、覚せい剤パーティーをやっていてアリバイを話せなかっただけだった。
真犯人は彼に疑いがかかるように、全てを計算していたのだ。
真犯人は花屋の湯江健幸。
3年前、彼はひかりの作成した冊子を読んで、吐き気がした。
生意気な女の中の悪を退治しなきゃと考え⓪女子医大生を殺害するが、事件の1か月後に交通事故にあい、記憶を失くしてしまう。
実家は銀座の老舗の花屋で、母親は女社長。
でも、その母がくも膜下出血で死んだことがきっかけとなり、湯江は母親から受けた虐待を含め、全てを思い出した。
そして、女性を殺すことを再開したのだった。
石田ひかり、伊藤 蘭、平田 満、羽場 裕一、森下 哲夫、山上 賢治、斉藤陽一郎、高橋 一生、筒井真理子、湯江 健幸、舞の海秀平、銀粉蝶、浜田 学