タクシードライバーの夜明日出夫(渡瀬恒彦)は元警視庁の敏腕刑事。訳あって妻とは離婚、元妻と暮らしていた一人娘のあゆみ(林美穂)もすでに成人し、現在はフリーターながら自活している。ある日、街を流していた夜明のタクシーの前に、ウェディングドレス姿の女・石野小百合(尾崎由衣)が飛び出してくる。小百合は、結婚式の時刻が近づいても新郎の保阪昇(榊原利彦)が現われず連絡も取れないので昇のマンションに様子を見に行きたいと、小百合のあとを追ってきたウェディング・プランナーの町田恵美子(原沙知絵)とともに車に乗り込んでくる。携帯電話で必死に連絡を取ろうとする小百合に代わって恵美子が道順を指示し、タクシーは昇の住むマンションに到着した。だが、小百合と恵美子、そして夜明が部屋に入ったところ、昇の姿はどこにもなく、夥しい血痕だけが残されていた。通報を受けて警視庁捜査一課の東山(風見しんご)、国代(小林健)両刑事ら捜査員が駆けつけてくる。二人は、夜明の顔を見てげんなりしながらも事情聴取を始める。小百合によれば、昇が挙式直前に姿を消す理由はまったく思い当たらないという。昇は何か事件に巻き込まれたのか?小百合と恵美子を乗せて式場に戻った夜明は、そこで娘のあゆみと顔を合わせる。あゆみは、恵美子の下でバイトをしているという。夜明は、そんなあゆみから話があると言われる。あゆみは、大学時代の同級生と付き合っていて、子供ができたらしいので結婚するというのだ。突然のことに、頭に血が上った夜明は、順序が違うと娘を怒鳴りつけてしまう。
 そのころ東山たちは、鑑識の調べで昇の部屋の血痕は彼自身のものだということを知る。さらに昇が3か月ほど前にそれまで勤めていた建設会社を突然辞めたことを突き止める。結婚を前にして、いったい昇に何があったのか?数日後、恵美子から迎車の要請を受け彼女を迎えに行った夜明は、恵美子の勤務先の社長・保阪志津代(東てるみ)と顔を合わせる。恵美子から行き先は滋賀県大津と聞き、夜明は久しぶりの遠距離に顔をほころばせるが、恵美子とともにあゆみが乗ってきたため、道中は気まずいものとなってしまう。恵美子は、大津のホテルで行われる結婚式の準備に行くらしい。大津のホテルに到着した直後、東山と国代が恵美子を訪ねてくる。姿を消していた昇が滋賀県信楽町の山林で死体で発見され、昇の携帯電話の履歴から、この数か月、恵美子と頻繁に連絡を取りあっていることが判明したというのだ。さらに、二人が喫茶店で親密に話しこんでいるところも目撃されているという。東山と国代は、昇と恵美子の間で何かトラブルがあり、恵美子が昇を殺害したのではないかとの疑いを持っているらしい。恵美子が信楽の出身で土地鑑があることも二人は調べ上げていた。やがて夜明は、恵美子の父・町田庄三(中原丈雄)が信楽在住の著名な陶芸作家で、恵美子は若いころ、この父のもとを飛び出していることを知るが…。

 

①無職 榊原利彦

②ウェディング会社社長 東てる美

 

①榊原はてる美の夫の連れ子だった。

榊原が7歳まで信楽で一緒に暮らしていたが、夫が死んだ後、「女一人では育てられない」とてる美は榊原を養護施設へ。

大人になった榊原が結婚することになり、偶然、てる美の会社にやって来て2人は再会。

無職の榊原が「働かせてくれ」と言ってきたので、てる美は受け入れるつもりで専務の河原健司にも親戚だと紹介していた。

榊原は25年前に自分を捨てたことをネタにてる美を強請っていた?

 

東てる美が自宅で殺されているのを専務が発見する。

死亡推定時刻は前日の18:00~20:00。

彼女が会社を出たのは17:30頃。

自宅の照明が点いた目撃証言から19:30~20:00に狭められる。

その頃、原沙知絵は夜明さんのタクシーに乗っていた。

19:10過ぎに乗車し、彼女のマンションに着いたのが20:00.

 

榊原の衣類のポケット等から信楽以外の土が見つかる。

調べた結果、土は神奈川近辺のもの。

彼は神奈川のどこかと信楽で2回、埋められたことになる。

神谷警部はどちらにも土地勘があるは原沙知絵を疑う。

 

東てる美の夫は25年前に嵐山の保津峡近くでの転落死した。

経営する会社が倒産し、夫はかなりの負債を抱えていたが、事故か自殺か断定はできず。

6000万円の生命保険の受取人は妻だったが、彼女には勤め先の料亭に出ていていたというアリバイあり。

共犯者になりそうな不審な人物は無く、結局は事故死扱いとなった。

 

料亭の女将によると、てる美は原沙知絵の父親 中原丈雄と知り合いだった。

中原は「昔、彼女が近所に住んでいて、自分の作品を気に入って、あちこちに紹介してくれただけだ」と話す。

近所の人が中原の窯から煙が上がっていたのを目撃しており、彼は榊原殺害の事件当日、信楽の窯場にいたことになる。

てる美の事件の時は東京で個展。

 

てる美の会社はウエディング部門以外にも手を広げ過ぎて、大赤字。

近く、大規模なリストラが行われる予定だったが、専務もリストラ対象者だった。

経営方針を廻り、てる美と揉めていた専務にとって、てる美と榊原は邪魔な存在。

彼はてる美が死んだ夜、会社を18:00過ぎに出て、新橋で酒を飲んでいたと。

 

会社の同僚たちとの会話から、夜明さんは遠隔操作で電源を入れられることに気付く。

沙知絵が今の会社に入ったのは、てる美の誘いだった。

榊原の事件直後、沙知絵と一緒に中原の窯を訪れたあゆみちゃんによると、訪ねた時、中原は作った作品を沢山、割っていたらしい。

凄い怖い顔で次々と…。

Nシステムから、榊原殺害当日、中原が東名高速から首都高で都内へ入ったことが判明。

翌朝早くは神奈川の川崎から東名へ。

 

榊原は25年前、てる美が誰かと共謀して自分の父親を殺したことを知ってた。

そんな榊原はてる美を探し続け、再会した榊原は共犯者を強請る。

その共犯者が中原丈雄。

てる美から夫の暴力で相談を受けていた彼はてる美の夫に会いに行き、誤って夫を殺してしまった。

「このまま黙っていたらバレないわ。」

てる美が中原に電話でそう話すのを榊原は聞いていた。

てる美は榊原を養護施設に預け、信楽を出て行った。

全てはてる美が仕組んだことだった。

 

25年後に現れた榊原にてる美は「強請るなら、父親を殺した中原を強請れ」と共犯者が中原だったことをバラす。

それで榊原は中原に「毎月100万円を振り込め」と脅す。

てる美は中原が榊原を殺すように仕向ける。

「榊原が娘に付き纏っていて、何するか分からないわよ」と。

 

①榊原と②てる美を殺したのは沙知絵。

沙知絵も父親のことを榊原から聞かされ、脅されていた。

彼女は金だけじゃなく体まで求めてきた榊原を思い余って殺害。

自分が捕まれば父親に迷惑が掛かると、彼女は死体を神奈川で埋めた。

しかし、榊原の死体がなぜか、信楽で発見される。

驚いた彼女は父が遺体を信楽に運んだのか?

実家まで確かめに行った彼女は焼きあがった陶器を全て壊す父親の姿を見て、悟った。

遺体を埋め直す為に窯場を離れたことで、作品が上手く焼きあがらなかったのだ。

 

でも、どうして父親は自分の犯行を知ったのか?

沙知絵はてる美が父親に話したことに気付いた。

25年前のことを榊原に話したのもてる美。

そもそも、てる美のせいで父親が殺人を犯すことに。

そんなてる美が許せずに、沙知絵は再び殺人を犯す。

てる美殺害後、夜明さんのタクシーに乗車。

車中でパソコンの遠隔操作を使い、てる美の自宅の照明を点け、彼女が19:30まで生きていたかのように装ったのだった。

 

 

ウエディング会社のオフィスがキャサリンの家でした。

 

渡瀬 恒彦、原 沙知絵、平田  満、中原 丈雄、東 てる美、風見しんご、河西 健司、鶴田  忍、山田アキラ、野口 貴史、山田スミ子、尾崎 由衣、榊原 利彦、小林  健、林  美穂、佐藤 二朗、大島 蓉子、大森うたえもん