佐賀県の鹿島市で医療機器メーカーに勤める熊沢孝之(長谷川朝晴)の刺殺死体が見つかった。熊沢は3年前に、元看護師のゆかり(高橋かおり)と結婚。2人の仲睦まじい姿はしばしば目撃された。現場付近で目撃された車を元に調べた捜査陣は、まもなく長崎県島原市内で児童福祉施設の園長をしている小宮山麻美(池内淳子)という女にたどりついた。調査によると、7年前、熊沢と同棲していた麻美の一人娘・美菜子(まきこ)がマンションのベランダから転落死しており、事件への関与は十分考えられた。熊沢からゆかりに掛かった電話を基に事件発生時刻を特定した捜査陣は、直ちに麻美を追及する。これに対し、麻美は、施設の不動産に関するトラブルで激しく対立していた通販会社の社長・森川康介(勝部演之)に会っていた、とアリバイを主張。だが、捜査陣は、麻美の車の中から検出した血痕がDNA鑑定で熊沢のものと特定されたこと、またそのアリバイに1時間の空白があったことから、麻美の逮捕に踏み切った。麻美の取り調べを担当した水木は、すぐにDV(ドメスティック・バイオレンス)のことを質した。実は、ゆかりの事情聴取をした際、その体にアザがあるのを見つけた水木は、美菜子も時々ひどいアザを作っていたとの報告を受けていたのだ。

 

①医療機器メーカー社員 長谷川朝晴

 

元看護師) - 高橋かおり
小宮山麻美(児童福祉施設「つむぎ園」園長) - 池内淳子

小宮山美菜子(麻美の娘・7年前、長谷川のマンションから転落死

 

①長谷川の死亡推定時刻は21:00~23:00。

22:03 自宅に彼から電話があり、妻の高橋かおりが出るものの、雑音が酷くて切れてしまったという。

23:00近くまで自宅には妻の友人がいた。

 

現場近くで目撃された車の持ち主は児童福祉施設の園長 池内淳子。

彼女の娘は長谷川と同棲していたが長谷川のマンションの3階から転落死していた。

 

淳子は22:30近くに施設の土地建物の所有者 勝部演之と会っていたというアリバイあり。

勝部はかつて保険外交員だった淳子の客。

彼女が7年前に園を始める時、勝部は積極的に土地や資金の提供を持ち掛けていたのに、業績不振で首が回らなくなり、立ち退きを要求し、園に悪質な嫌がらせを行っていた。

 

淳子が30分で現場まで移動するのは物理的に不可能だが、彼女の車から被害者と同じ血液型の少量の血痕が発見される。

事件当夜、20時に園を出て、勝部の会社に22:30着。

1時間半あれば移動できる距離だから1時間の空白がるが、彼女は「渋滞していた」と話す。

長谷川が会社を出たのは20:30で直接現場に向かえば21:00には到着できるが、22:03に自宅に掛かってきた電話から死亡推定時刻が1時間狭まっていた。

 

水さんは殺害動機を7年前の娘の死にあると考える。

娘が亡くなった直後、淳子は長谷川の会社に怒鳴り込み、長谷川は会社に居づらくなり転職したという。

長谷川は妻の高橋かおりにも、恋人だった淳子の娘にもDVを行っていた。

淳子の娘は妊娠していたが、娘は「これで長谷川も変わってくれる」と期待していた。

 

去年の11月、2人は同じ日に佐賀県太良町の同じ温泉宿に宿泊していた。

別々のチェックインだったが帰りは一緒にチェックアウトしていた。

半年前、淳子は「自分が死ねば保険金で園を守れる」と自殺を決意。

ところが偶然、同じく自殺しようと入水する高橋かおりに会った。

「若い子が死んじゃいけない」と説得し、話を聞くとかおりは長谷川の妻だという。

偶然、同じ男に死ぬほどつらい目にあわせられた2人は時々、出会うようになった。

かおりはこのままだと殺されるかもと怯える。

首を絞めながら、「殺してやる。俺は前にも女を殺してる。」と。

淳子も「妊娠していた娘が用心しているはずなのに、事故するなんて…ましては自殺なんてするわけがない。」と考える。

 

かおりが交換殺人を提案してきた。

「長谷川と勝部を殺して、2人で園をやっていこう。」と。

淳子は匿名の電話で「奥さんに不倫の疑いがある」と長谷川を呼び出して刺殺した。

かおりは勝部を殺そうとするが、その前に警察が向かって未然に防いだ。

二課は勝部を詐欺罪での摘発を検討するという。

 

 

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