:::鴨志田新一(伊東四朗)は、警視庁東王子署の警部補。別れた妻との間にもうけた娘・岡崎真実(羽田美智子)は警察庁刑事局のエリート警視だが、鴨志田と真実が実の親子だということは、2人の職場の人間は誰も知らない…。
ついに定年を迎えることになった鴨志田は最後の出勤を終え、有給休暇の消化に突入。第二の人生では大好きな団子の店を開こうと考え、なじみの弁護士・武井昭一(正名僕蔵)の紹介で団地内の空き店舗を内覧する。しかし、その団地は2年前に建設会社“マロンホーム”に払い下げられ、再開発のため半年後までの立ち退きを迫られていることが判明。住民たちは団結して反対運動を繰り広げており、鴨志田はその代表を務める一級建築士・栗山敬太(吉村界人)や、住人の吉田みどり(遠藤久美子)、佐々木良子(鷲尾真知子)らと知り合う。
ところが直後、マロンホーム社長・栗山喜一郎(三宅裕司)が何者かに誘拐され、2億円の身代金を要求される事件が起きる。奇しくも真実の直属の部下で現在、財務省から警察庁に出向中の大谷光平(黄川田雅哉)が栗山の娘・南(内藤理沙)と婚約していたことから、真実と東王子署の面々が捜査に当たることに…。
身代金には栗山がタンス預金として隠し持っていた金のインゴット2億円分が充てられることになったが、南がキャリーケースに入れて指定場所に向かったところ、思わぬハプニングが発生。真実たちの監視の目をかいくぐって、犯人はキャリーケースを手に逃走してしまった。身代金を奪われたあげく、何ひとつ収穫がなかった真実と東王子署の面々は、鴨志田に捜査に加わってほしいと頼むが…!? 
そんな中、2億円のインゴットは国土交通省副大臣・金森保(浜田晃)に渡す予定の裏金だったのではないかという疑惑が浮上して…!?

 

誘拐された三宅裕司には娘の他に、勘当した息子がいる。

それが団地再開発の反対運動の代表者である一級建築士の栗山敬太。

 

誘拐された夜、19:00に運転手が三宅を行きつけのスナックに送り届け、彼がスナックを出たのが22:30。

翌日に結婚式を控えた娘は早めに就寝し、父親が帰宅していないことに気付かなかった。

 

身代金のインゴットは取られたが、三宅裕司は無事に解放される。

三宅は被害届は出さず、捜査も終わらせて欲しいと言い、更に取られたインゴットは偽物だと。

しかし、警察がキャリーケースに入れる前に本物と確認している。

その2億円は披露宴当日、主賓である副大臣に裏金として渡す予定だったのだ。

犯人はそのことを知っている人物。

 

三宅裕司一家はかつて、団地に住んでいた。

仕事に忙しい三宅は「いつか、こんな団地を出て立派な家を建ててやる!」と意気込んでいた。

息子によると、三宅は副大臣の腰巾着。

毎日の世に接待ゴルフして金を払ってやっと、団地を払い下げしてもらったと。

 

誘拐に使われたレンタカーが判明。

犯人は三宅の息子とその団地仲間2人。

事件当日、仲間の2人はスナックを出てきた三宅を拉致し、団地の空き部屋に監禁。

親族の誘拐は親告罪で、暴力や脅迫をせず、身代金を要求しなかった場合、警察は捜査できない。

息子は父親と話し合うための誘拐だったと話す。

しかし、身代金受け渡しの時間にアリバイがある。

 

団地住人で山田と偽名を名乗っていた前田大吾が死亡しているのが見つかる。

彼の部屋からは身代金の運搬に使われたキャリーケースが発見される。

彼は30年前に放火事件を起こして服役し、出所後は体を壊すまで三宅の会社で働いていた。

バブルの終わりごろ、三宅は京都で最初の会社を立ち上げた。

仕事は地上げでその時の相棒が、前田。

火事の夜、空き倉庫にボヤを出す仕事へ前田1人で行かせた。

軽いボヤという依頼だったのに倉庫が全焼してしまい、前田は「自分1人でやった」と自首。

それで三宅は仮出所の保証人になった。

 

その過去が前田から息子に漏れた。

息子は三宅を誘拐し、「再開発から手を引かなければ、このことを公表する」と脅してきた。

三宅は融資を約束するしかなかったが、バックには副大臣がおり、話は簡単なことではない。

調整が必要だから、時間が欲しいと。

しかし、何者かが身代金を要求し、話が大きくなってしまったのだった。

 

前田を殺した犯人は前田の部屋で何かを探していた様子。

鴨さんは息子の事務所から探して欲しいものがあると岡崎刑事にガサ入れを求める。

すると何者かが息子の事務所へ空き巣に入る。

 

犯人は三宅の娘と婚約していた黄川田雅哉。

彼が探していたのは30年前の留守録のマイクロカセットテープ。

テープには放火事件の日の三宅と前田の会話が入っていた。

テープを先まで再生するとそれ以前に吹き込まれたメッセージが。

副大臣が火事を指示する内容だった。

黄川田にテープを奪わせたのは副大臣。

 

30年前、火事になったのは空き倉庫だったはずなのに中には大量のプラごみ。

火事の前日、副大臣の関連会社が大量の荷物が運び込まれるのが目撃されていた。

元々、副大臣は全焼させるつもりだった。

倉庫の跡地には副大臣の関係する会館が建っている。

 

黄川田は三宅から副大臣を紹介された。

副大臣は結婚を喜んでくれて、婚約祝いに新車まで送ってくれた。

しかし、優しい態度が一転し、「出世したいなら俺と組め!」と。

指示は前田を探す事とカセットテープを盗むこと。

黄川田は前田を呼び出し、出掛けたのを確認して部屋に侵入。

ところがテープは見つからず、会えだが帰って来てしまった。

顔を見られた黄川田は前田を殺害。

警察に通報されたら出世が台無しだと…。

副大臣に逮捕状が出された。

 

団地の再開発は白紙に。

更にクラウドファンディングへ2億円の寄付があった。

鴨さんは身代金を要求したのは三宅裕司だと見抜く。

共犯者は団地のお年寄りたち。

 

三宅は副大臣との関係に悩んでいた。

選挙のたびに金を無心され、金を出さなきゃ仕事がもらえない。

いきなり誘拐されたことには驚いたが、息子の言い分に少し見直した。

団地に家族で住んでいた頃が一番幸せだったことに気付いた三宅は2億円を奪おうと決めた。

監禁されていた部屋に前田がやってきたので、身代金要求の電話を彼に頼んだ。

団地の為に使いたいと…。

鴨さんは身代金のことは黙っていることに。

 

活躍はしてないけど、最後に行人くんがいてくれて良かったわ。

満足、満足。

 

 

 

 

鴨志田新一           伊東四朗
岡崎真実              羽田美智子
栗山喜一郎           三宅裕司
姉小路行人           石井正則
栗山敬太              吉村界人
大谷光平              黄川田雅哉
栗山 南              内藤理沙
吉田みどり           遠藤久美子
佐々木良子           鷲尾真知子
工藤 潔              飯田基祐
武井昭一              正名僕蔵
三浦由紀子           田島令子
坂下純次              小倉久寛