“落としの名人”との異名を持つ水木正一郎を、いかりや長介が演じる「取調室」シリーズ第6弾。
佐賀県内でガソリンスタンド店員・波多野仁(石井洋祐)が殺害され、遺留品の写真から、新進の陶芸家・菊池絵里子(岡本舞)が逮捕された。周辺の状況から、絵里子の犯行は確実。だが、物証がなく、警察は苦しい立場に追い込まれた。“落としの名人”との異名を取る佐賀県警の警部補・水木正一郎(いかりや長介)は、警察の名誉を賭け、取調室で絵里子と対決する。
①ガソリンスタンド店員 波多野仁
波多野の銀行口座には現金で300万円の入金。
部屋には5/3に撮られた、新進の陶芸作家 岡本舞がベッドに横たわる写真。
舞は資産家の一人娘。
同じく陶芸家だった母親は17年前に自殺。
波多野の母 石井トミコは舞の家の元家政婦。
波多野は周囲に「逆玉結婚する。」と大ホラを吹いていたらしい。
17年前、夫人が自殺した後、観音像が屋敷の焼却炉に捨てられてあった。
それを家政婦だったトミコが見つけ、夫人の身代わりの様な気がして拾い、彼女の命日に拝んでいたが、それを息子が勝手に持ち出していた。
父親は婿養子で、父娘は恋人同士の様に仲が良い。
最近、父親は舞のことを妻と呼び間違えることがあり、娘はその事を嫌がっていた。
母親はお嬢様育ちの身勝手で家族を放りっぱなしの人。
娘は父親が「実の父親じゃない」と自殺する直前の母親から聞かされた。
17年前。
父親は出掛けようとする母親を止めようとして、言い争いに。
そして、揉み合いになって、母親は暖炉に頭を打ち付けて死亡。
父親は騒ぎに気付いたトミコに金を渡して「自殺だった」と言い含めた。
娘も秘密を守り通そうと誓った。
しかし、それを波多野に嗅ぎ付けられ、300万円で取り返す交渉が成立した日、彼に犯された。
トミコが口を滑らせたのだった。
時効が過ぎていても、父親が殺人者という汚名を着ることに違いはなかった。
写真とネガの引き換えにデートの約束をして呼び出し、彼を殺害。
父親が母親の死を悔いて作らせた観音像を取り返した娘はそれを病室の父親に届けた。
母と間違えることが耐えられず、観音像を見せ、自分は母親でないことを示したかった。
父親はその観音像を実家の菩提寺に隠していた。
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