東京の郊外で手配中の強盗傷害犯・杉浦健司が逮捕された。杉浦の車を調べた中山、岩崎ら鑑識班は、フロント部分に人と接触した痕跡を発見。取り調べに対し、杉浦は、山道で急に飛び出してきた女をはね、そのまま逃げたと供述した。車の痕跡から、被害者は即死か重体と見られたが、事故現場にその姿が見当らない。杉浦の車に被害者を運んだ形跡はなく、本人も死体の遺棄を強く否認した。
そんな中、付近の藪の中で、男の首吊り死体が見つかった。死亡したのは、永和医大病院の外科医・日向真輔で、近くにはタバコの吸殻や酒のボトルが散乱していた。
①外科医 日向真輔(絞殺)
②保険外交員 逢沢葉子(交通事故死)
③看護師 藤真利子(割腹自殺未遂)
現場近くの林から埋められた、保険外交員 逢沢葉子の遺体が発見される。
杉浦の車で轢かれたあとに、何者かに埋められたことになる。
彼女の息子は預けられていた託児所で轢きつけを起こした。
救急車で運ばれたがインフルエンザ脳症で死亡してしまった。
その時に担当したのが日向医師。
日向は「もう少し、早く病院に連れて来ていたら助けられた」と説明。
病院に到着した母親は保育士を責めた。
葬儀の日、その保育士は飛び降り自殺を図る。
一命は取り止めたが、意識不明が続き、両親が離婚したという。
日向の殺害現場には酒のボトル。
ボトルからは日向と同じ病院に勤務する看護師長 藤真利子の指紋。
しかし、彼女には事件当夜、当直勤務していたというアリバイがある。
警察が事情を聞こうと彼女のアパートを訪ねると、果物ナイフで腹を刺した彼女が倒れていた。
命に別状はなく、「自分で刺した」と話し、日向医師の殺害も葉子と共謀して実行したと認める。
日向殺害後にボトルの指紋を拭き忘れたと言って戻っていった葉子が車に惹かれて死んでしまい、埋めたと言う。
葉子の息子の死は日向の治療が遅かったためだった。
真利子は日向の愛人で3年前に付き合い始めたが、最初は妻がいることを知らなかった。
後になって分かると日向は「離婚する」というが一向にその気配が無く、3ケ月前に別れていた。
だが、彼女にはアリバイがある。
事件当夜、彼女の働く病院の防犯カメラに不審な車両が映っていた。
車の持ち主はスナックのママ、深浦加奈子だった。
彼女は自殺未遂した保育士の母親。
保育士は2年ぶりに意識を回復していた。
深浦加奈子の店で3人の女が3ケ月前、運命的に出会った。
日向に捨てられた愛人看護師 藤真利子
日向の医療ミスで息子を殺された 保険外交員 相沢葉子
そのために自殺未遂をした保育士の母親 深浦加奈子
真利子が持ち出した資料によって、葉子の息子の死は彼の処置が遅れたことと、インフルエンザ脳症をただの風邪と誤診したことが原因だと知った。
3人は共謀して日向殺害を計画。
まずは藤が病院から強い麻酔作用のある薬剤を盗み、加奈子の店で酔っぱらった日向に「占い」と言って遺書めいた文を書かせる。
そして薬剤を嗅がせて意識を失わせた日向を、葉子と加奈子が現場まで運び、酒を大量に飲ませて首吊り自殺に見せかけて殺した。
酒のボトルについた指紋を拭き取ろうと遅れた葉子がひき逃げにあってしまった。
加奈子は彼女を車で真利子がいる病院へ運んだが、既に死んでいた。
真利子の腹部の傷の角度がおかしい。
彼女は誰かを庇っている。
2年間、意識のなかった保育士が意識を取り戻しつつあった。
しかし、彼女は藤真利子を見ると酷く怯え、その様子を不審に思った母親の加奈子は真利子を問い詰めた。
真利子は真実を白状する。
和哉が運び込まれた夜、当直だった日向は真利子のアパートにいた。
急患の連絡を受けて、真利子が車で送っていったが、そのせいで30分も処置が遅れた。
付き添っていた保育士は真理子の車で、外から戻ってきた日向の姿を目撃していた。
保育士からそのことを指摘された真利子は「黙っていて欲しい」と頼み込み、追い詰めたところ、保育士が転落してしまったのだという。
実は保育士の飛び降りは自殺ではなかった。
それで加奈子は真利子を刺してしまい、真利子は加奈子を庇って自分で刺したといい、日向殺害も自分と葉子の犯行だと言い張ったのだった。
中山淳彦…西村和彦 岩崎鉄男…角野卓造 剣持みさと…藤真利子 上原薫…深浦加奈子 逢沢葉子…重田千穂子 日向真理子…林寛子 日向真輔…三田村賢二 青島春香…栗山かほり 杉浦健司…奥本東五