おかしな刑事シリーズ第2弾。鴨志田新一(伊東四朗)は、警視庁東王子署の警部補。別れた妻との間にできた娘・岡崎真実(羽田美智子)は警察庁刑事局のエリート警視だが、二人の職場の人間は鴨志田と真実が親子だということは誰も知らない。ある夜、路上で男の死体が発見される。死んでいたのは著名な伝統工芸評論家・大河内直仁(春海四方)で、後頭部に外傷があった。現場に急行した鴨志田は、死体の傍らに小さな木片が落ちているのを見つける。

 

①伝統工芸評論家 春海四方

 

現場から逃げ去る男が目撃されていた。

作成された似顔絵の男に鴨さんは見覚えがあった。

12年前、高山で一位一刀彫の職人だった中原丈雄。

彼は生活が苦しく、妻子の反対を押し切って単身、上京し出稼ぎをしていた。

チンピラに絡まれて、ぼこぼこにされ、金をとられてしまい取り返そうと殺してしまった。

逮捕された中原は自分から妻子と別れると。

6年の刑期を終えて町屋の工場で働いていたが、事件の翌日、急に工場を辞めてアパートを引き払い姿を消した。

現場に落ちていた木屑は一位の木。

誠実で真面目な彼が再び、殺人を犯すなんて鴨さんは信じられない。

 

鴨さんたちは中原が戻っていると考え、高山へ向かう。

中原の娘 遠野凪子は「あんな人のことは知りません。12年前から会っていない。会いたいとも思わない。恨んでる。」と。

母娘は町の人たちの冷たい視線の中でビクビクしながら生きてきた。

彼女はもうすぐ結婚し、相手は何もかも知った上で結婚してくれるという。

 

元妻 黒田福美は春田純一の漆器店で働いていた。

彼女も「あの人とはもう他人なんです。」と冷たい。

漆器店の店員 広岡由里子から福美のことで話があると。

福美は春海四方と顔見知りで言い寄られていた。

更に彼女は事件当日、娘と春田と一緒に東京の伝統工芸展へ行っていたらしい。

それに2年前、春田の妻が失踪してから、福美が春田の身の回りの世話を始めたと。

 

福美は春海に「公表されたくなければ、言うことを聞け」と脅されていたことを認める。

しかし、拒み続けてきたと。

自分は公表されても構わないが、結婚を控えた娘は違う。

それに春田や店に迷惑が掛かる。

死んでくれて正直、ほっとしているが、殺していないと言う。

 

凪子を尾行する警視は観光スポットで「幸せになってくれ」と凪子に一刀彫を手渡す中原の姿を見つける。

中原を追いかけようとする警視を凪子が阻止。

凪子は福美が言い寄られてると知った中原が母娘を助けようと、春海を殺したと思っている。

 

店員の由里子から「変な男から電話を受けて福美が出掛けて行った」と連絡。

行ってみると中原が倒れていた。全身打撲で、意識不明の重体。

福美によると「一度だけ会って話がしたい」と電話があったという。

 

意識の戻った中原は何も話そうとしない。

元妻が春海殺しの犯人だと思って庇っているのだ。

妻子に一目会いたいと伝統工芸展に足を運んだ中原は元妻が言い寄られているのを見た。

後をつけたが見失ってしまい、再び春海を見つけた時には彼は倒れおり、「春慶塗、女…」と言い残して死んだ。

中原は福美のことを示すと思い込んだ。

しかし、鴨さんは「犯人は福美じゃない」と。

 

釈放された福美を春田が連れ出した。

犯人は春田純一。

春海から脅されていた春田は事件当夜、福美と別れた春海を殺害したのだ。

 

2年前の春田の妻が失踪した事件。

当初、不仲だった春田の関与が疑われたが、春海が「東京で奥さんを見掛けた」と証言したことで捜査が打ち切られた。

しかし、妻は夫によって殺害され、山の中に埋められていたのだった。

春田が妻を殺害しようとした時、妻は不倫関係にあった春海と電話中。

それで春海は春田が妻を殺害する全てを聞いていたのだ。

それ以降、春田は脅迫され、春海に大金を振り込んでいたのだった。

 

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