13両編成の寝台特急あかつき3号 長崎佐・世保行。
始発駅 新大阪駅を20:35に出発し、途中ので二手に別れる
前より1号車から7号車が長崎行8号車から13号車が佐世保行。
長崎行は09:04着&佐世保行は09:11着。
07:20、佐賀の自宅マンションで金融土地ブローカー菊池功が殺害された。
現場には探偵の高岡健二の名刺。
裏には彼が20万円を受け取ったとの領収が書かれている。
隣人が若い男が走り去る後ろ姿を目撃し、窓からタクシーに乗って佐賀駅方面に向かうのを見ていた。
高岡健二は元警視庁刑事。
1年2か月前、殺人犯を追って不祥事を起こし、依願退職した。
「応援を待て」との同僚の制止を聞かず、犯人を追いかけ、殴られて拳銃を奪われた上に、犯人が彼の拳銃で同僚を撃ち殺してしまったのだ。
菊池は警視庁の刑事だった頃に、亀さんとあげた男。
詐欺と恐喝、詐欺で捕まり、仮出所後は故郷の佐賀で金融ブローカーをしていた。
高岡は退職後、大阪で探偵事務所を開いていたが上手くいかず食うや食わず。
佐賀県警の見解は…
金に困っていた高岡が、ばったり再会した菊池の旧悪をネタに恐喝。
大阪の高級クラブを飲み歩き、菊池に金を払わしているのが目撃されている。
脅しが行き過ぎて、佐賀まで出向いたが、言い争いになり、高岡はブロンズ像で菊池をなぐり、背中にナイフが刺さっていた。
ナイフには憎しみが籠っていたが、致命傷はブロンズ像。
死体にナイフを刺し、ぐるぐる回している。
亀さん曰く、高岡はおっちょこちょいな単純な男で殺人など起こすわけがないと。
高岡は容疑を否認。
領収書は 岡田茉莉子に騙されて書いたと供述している。
大阪にある造船所の関連会社の前社長の妻。
茉莉子は高岡が、娘の浅野ゆう子に言い寄っていたと話す。
更に、高岡が「浅野ゆう子と一緒に09:11着の佐世保まで行った。」と主張するアリバイも、ゆう子は「佐世保までは行ったが、高岡とは一緒に行っていない」と否定する。
高岡が引き受けたと話す茉莉子からの奇妙な依頼。
9/19の19:00過ぎ、来月は家賃が払えない状態で、岡田茉莉子が訪ねてきた。
「翌日、亡くなった息子の遺骨の灰を、嫁の浅野ゆう子と一緒に佐世保の海に撒いて欲しい」と。
その場で20万円を受取り、名刺の裏に領収書を書いて渡した。
茉莉子は「嫁が身重なので飛行機ではなく、寝台列車 あかつき3号で行って欲しい」と。
翌日、タクシーで岡田邸へゆう子を迎えに行き、そのタクシーで新大阪駅へ。
あかつき3号の車内で、寝付けない高岡にゆう子はお酒を渡す。
福山駅辺りで眠り込んだ彼は宇部山口の手前で目が覚めたという。
9/21は佐世保駅前でタクシーを拾って、ブリッジまで行き、遊覧船に乗り、散骨。
ホテルのバーで飲んで別々の部屋に泊まったが、翌朝起きた時には彼女の姿はなく、別々に帰った。
高岡は菊池を脅したこともないと言う。
春頃、再会した菊池と4、5回高級クラブには行った。
仮出所後なのに金回りが良く、佐賀からよく大阪に出てきて遊んでいた。
高岡とゆう子を新大阪駅まで乗せたタクシー運転手が殺害された。
宅配で送られてきた酒を飲んでの毒死。
彼は殺害される前に多額の借金を返済していた。
高岡は「ゆう子と一緒に新幹線に乗った」との証人を失った。
高岡は姫路駅でゆう子が窓の外を眺め、狼狽えた素振りをしていたと話す。
姫路に何かあるのではと考える亀さん。
茉莉子親子は52年から3年間、姫路に暮らしていたことがあり、55年に大阪で高級クラブを経営していた茉莉子は店にやってきた社長に気に入られ、ゆう子を連れて後妻に入った。
死んだ亭主の借金取りから逃げる為に姫路に逃げていた母娘。
姫路で茉莉子は小さなバーを営み、ゆう子には男の子っぽい恰好をさせて手伝わせていた。
しかし、借金取りの菊池に居場所を知られてからは、泣かされ通しの地獄。
更にはバーに入り浸っていた70過ぎのおじん、田原政次郎が茉莉子を口説いてくる。
良い年したドスケベで、金持ちなのにドケチ。
口説く、触る、揉む。
近所の人によれば、3年前、彼は6000万円を引き出して茉莉子と駆け落ちし、それ以来、じいさんも茉莉子も菊池も姿を見せていないらしい。
高岡を信じる亀さんたちは彼女たちの犯罪だと確信しているが、アリバイが崩せない。
ゆう子がどこかで途中下車し、再び乗車することは可能なのか?
高岡のことは菊池から聞いていて、今度の殺しに使えると利用した。
たった一つのミスは迎えに来た高岡が、予測に反してタクシーを待たせてしまったこと。
高岡の犯行に仕立てる為には、高岡のアリバイを無くしておかなければいけない。
運転手が2人のことを覚えているかもしれないとの一抹の不安を消すために、母娘は運転手に毒入りの酒を送って殺害したのだった。
警部は佐賀駅であかつき3号が2列車、到着することに気付く。
門司駅で連結を解かれたあかつき3号は2度、佐賀駅で停まる。
23:57福山駅 高岡に睡眠薬入りのウィスキーを飲ませ、ゆう子は佐世保行の車両から長崎行の車両へ乗り移る。
05:04着 門司駅で連結が解かれる。
05:11発 長崎行(鹿児島本線)→博多→原田→07:20佐賀着
05:22発 佐世保行(筑豊本線)→飯塚→原田→07:36佐賀着
長崎行のあかつき3号を佐賀駅で降りて、佐世保行のあかつき3号に乗車。
26分差でタクシーで菊池のマンションへ行き、殺害して戻ることは可能。
姫路時代の母娘。
夫の残した1000万円を超える借金と、利子は増える一方で地獄の日々を送っていた。
取立て人の菊池は店の売上金を鷲掴みする上に、亭主気取りで茉莉子を抱く。
店の客で、ケチでドスケベで金持ちの老人 田原も母娘の窮地に付け込み、嫌らしく誘ってくる。
更には3年前の夏、ゆう子が菊池に強姦された。
死にたくなった茉莉子にゆう子は「死んだらあかん!」と。
その後、菊池が茉莉子を唆してくる。
「田原のじいさんに大金を引き出させて、駆け落ちし、ぶっ殺そう。」「借金を返済しても、3~4000万円残るぞ」と。
誘いに乗った母娘は菊池と一緒に田原を殺害し、6000万円を山分け。
茉莉子はそのお金で大阪に開店させた高級クラブを繁盛させ、店で知り合った社長と再婚して、何の不自由もない生活を手に入れた。
社長が病死し、母娘水入らずの幸せが戻ってきたのに、菊池が再び現れた。
海外相場で失敗し、山分けした金はあっという間に無くなった菊池は、ケチな詐欺と恐喝で刑務所入り。
仮出獄した菊池は何十億という資産家の未亡人になっている茉莉子を再び脅迫してきた。
悪夢のような姫路時代が蘇ってきた母娘は協力して菊池を殺害し、タクシー運転手を毒物入りのブランデーで毒殺した。
強姦されたゆう子は殺しても飽き足らない程に抱いていた憎しみを菊池に刺されていたナイフに込めた。
去年、雑木林で見つかった、白骨化した田原の遺体が田原だと断定された。
死体遺棄場所まで使ったレンタカーの車内に残されていた田原の時計がレンタカー会社で保管されていた。
車を借りたのはゆう子、田原をスコップで撲殺したのは菊池、死体遺棄は3人。
高岡を犯人にするつもりはなく、彼に目が向けばいいと思っていただけ…。
浅野ゆう子が高校生には見えない色っぽさ。
この回から山村紅葉が刑事として出演。
愛川 欽也、浅野ゆう子、三橋 達也、高岡 健二、岡田茉莉子、山本 耕一、井川 大輔、山村 紅葉、正司 歌江、殿山 泰司、菅 貫太郎、三谷 昇、出光 元、青空 球児