100億円の遺産をのこし、何者かに殺された女性実業家。おなじみの刑事コンビが、トリック殺人の謎を解き明かす…。青森発大阪行きの特急「白鳥」の車内で、ユミ(中島ゆたか)という女性実業家の刺殺死体が発見された。京都到着の寸前だったことから、捜査本部は京都府警に設置される。府警から依頼を受けた警視庁の亀井刑事(愛川欽也)と、十津川警部(三橋達也)も、捜査を開始。ユミは、ヤング向けファッションメーカーを、一代で築いた人物。亀井は、まず副社長の矢野(早坂直家)を疑った。が、矢野は当日、一日中、原宿の本社にいたという。次に怪しいのが、ユミの別れた夫・山本(荻島真一)。はやらない宝石店を経営しているのだが、これまた、京都から近鉄のビスタカーに乗り、奈良へ遊びに行っていたという。さらに、ユミに金を無心していたテレビタレントのかおる(三原じゅん子)など、容疑者は多い。何しろ被害者は、100億円という財産の持ち主だけに、誰が犯人でもおかしくない。が、十津川は、山本が車中の女子大生に自分を印象づけるなど、妙に完璧なアリバイをつくっているのが気になる。.

 

①アパレル会社社長 中島ゆたか

②副社長 矢野豊

③じゅん子のBF 川村活人

④ 新人タレント 三原じゅん子

⑤刑事 清水新一(意識不明の重体)

⓪設計士 松原千明の兄

 

どんどんと人が死んでいく。アセアセ

 

 

中島ゆたかは3年前に結婚したが、1年半で離婚しており、今は独身。

新店舗オープンの為に青森を訪れ、白鳥で京都へ向かう途中で殺害された。

 

中島ゆたか死亡日の周囲のアリバイ。

副社長は一日中、仕事。

姪の三原じゅん子は番組の収録。

元夫の宝石商 荻島真一は奈良を旅していた。

京都から17:30発のビスタカーに乗り、奈良には18:03着。

車内で東京の女子大生2人と仲良くなり、奈良でも一緒に観光した。

特急白鳥は17:31京都着なのでアリバイ成立。

 

1週間後、副社長がビスタカー内で胸を刺されて死亡。

萩島は元妻のゆたかを殺害した犯人を自分で捕まえようと青森から特急白鳥に乗って、大阪まで検証をしていたという。

 

中島ゆたかの遺言書の中身。
会社→副社長(しかし、死亡)
不動産15億円→姪の三原じゅん子(しかし、死亡)
株・国債類30億円→恋人だった男の妹 松原千明

 

青森に住む松原千明から話を聞く。

ゆたかは1年前に亡くなった千明の兄の恋人だった。

建築設計士だった兄は青森にオープンするゆたかの店舗の設計を任され、親しくなったという。

千明が車で襲われたる、軽い怪我で済む。

萩島もじゅん子も東京にいてアリバイあり。

襲った車は盗難車。

 

警察に「自分が金をもらって、中島ゆたかと副社長を殺した。」と男の声で電話が入る。

そして、千明が泊まるホテルのフロントに男がプレゼントを預ける。

中身はプラスティック爆弾だった。

千明がホテルに泊まっているのを知っているのは弁護士の勝部演之、じゅん子、萩島だけ。

モンタージュ写真から男の身元が判明。

三原じゅん子のBF 川村活人。

アパートを訪ねるとワープロ遺書を残して服毒自殺を図っていた。

ゆたか殺害現場に落ちていたライターには川村の指紋。

遺書には「三原じゅん子の為にゆたかと副社長を殺した」とあった。

三原じゅん子が千明の泊まるホテルの部屋に忍び込み、彼女を襲う。

悲鳴に気付いた森本レオ達が部屋の中に入ると、じゅん子は窓から逃げ出そうとしたのか、転落死していた。

ハンマーで頭部を殴られた千明は全治1か月。

ゆたかの遺産は全て千明のものになることに。

 

青森で1人、事件を調べていた清水刑事がマンホールに落ちて意識不明の重体。

何者かに頭を殴られている。

千明の兄もマンホールに落ちての事故死だった。

清水刑事は千明の親友から話を聞いていた。

彼女は千明からおかしな相談を受けていた。

男が訪ねて来て「あなたはひょっとすると、とてつもない遺産を相続するかもしれない」

と。

半信半疑で相談してきたのに、次に会った時に聞いてみた「何のこと?」と恍けられたという。

特徴から男は萩島真一だと思われる。

萩島の事は知らないと話していた千明は嘘をついていたことになる。

 

警部達は萩島のアリバイを再度、検証してみる。

荻島が車内でゆたかを殺害したのなら、どこかで降りて別のルートで京都に向かったはず。

ゆたかの死亡推定時刻が09:30~11:00で鶴岡から新潟の間。

新潟着が11:10

飛行機だと12:30発は大阪着が14:15。

大阪駅から京都駅までタクシーで1時間。

間に合うが、CAやタクシーの運転手に顔を覚えられる可能性があり、そんなあぶない真似はしないだろう。

 

新幹線はどうか?

11:10新潟から上越新幹線で上野着13:44。

山手線で東京駅へ出て、東海道新幹線14:12発のひかりで京都へ。

京都着は17:01着で17:30発のビスタカーの充分、間に合う。

第一の事件のトリックは解けたが、第二の事件は?

京都駅が始発のビスタカーは1、0分前にはホームに入っていることに気付く。

萩島は副社長とビスタカーで落ち合う約束をし、出発前の車内で殺害。

ビスタカーの発車前に降りて、特急白鳥に乗車し大阪へ向かったのだ。

 

千明の兄が亡くなり、傷心のゆたかは彼への愛の証に、彼の妹に遺産を譲ることを決める。

ゆたかは妹が受取る意思があるのかを元夫の萩島に確認して欲しいと頼む。

萩島は千明にゆたかの意思は話さず、取引を申し出た。

「私の言う通りにしたら、シンデレラにしてやる。ゆたかに上手いこと、遺言状を書かせて莫大な財産があなたに行くようにする。」と。

見返りは財産を手に入れた後の結婚。

そうすると、合法的に半分が手に入る。

ゆたかと副社長を殺害し、もう1人の遺産相続人、三原じゅん子とBFに擦り付け、念の為にBFに千明を車で襲わせた。

用済みになったBFを毒殺し、じゅん子に千明を襲わせるように仕向ける。

千明を殺そうと病室に侵入したじゅん子の後を追った荻島は、じゅん子をベランダから突き落としたのだった。

 

1年前、警察は兄の事件を事件を事故死と断定した。

酒に酔った彼がマンホールに落ちたと。

しかし兄はお酒を一滴も飲めない。

警察に訴えたが相手にしてもらえず、自分で真相を突き止めようと決心。

そんな時に、まだ死んでいない、ゆたかの遺産のことで会いに来た荻島に疑いを持った。

兄の死と関係があるのではと思い、提案に乗る振りをしていた。

 

清水刑事が意識を取り戻し、襲ったのは荻島と証言する。

荻島は復縁を求めていたが、ゆたかが別の男と結婚すると言い出したので、その相手である千明の兄を殺害した。

千明は兄の復讐をしたいばっかりに、荻島を疑いながらも何もしなかった。

その為、何人もの命を奪ってしまったのだ…。

 

やっぱり、トラベルミステリーのテーマソングは列車が映ってこそですな。

 

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