18:21博多発 寝台特急あさかぜ82号に乗り遅れた森本レオは、19:43 博多発 寝台特急「さくら」に乗ることになった。

 

長崎を出発したさくらは8両編成で、備前山口にて佐世保から来る6両編成と連結して東京へ。博多→小倉→門司→下関(機関車交換)→宇部→小郡→徳山→広島→04:29着大阪→京都→名古屋→豊橋→浜松→静岡→富士→沼津→熱海→横浜→東京

 

①身元不明の男女(のちに長山卓也と小野ゆう子と判明)

 

東京に到着したさくらの4人用個室で、射殺された身元不明の男女の遺体が見つかる。

死亡推定時刻は21:00~23:00で、列車が下関から広島の間を走っている時間。

犯人が逃げたとしたら宇部、小郡、徳山、広島。

現場には現金5000万の入ったスーツケース。

全部の札に何か薬品が塗られている。

誘拐事件の際に身代金に特殊インクを塗ったりする。

殺された2人は誘拐事件に関わってるのか?

ここ近年で発生した誘拐事件の中で、5000万円以上取られた上で、未解決なのは1件だけ。

昭和61年及川やよいちゃん誘拐事件。

十津川警部の同期、左右田一平が担当し、責任を取って辞表を出していた。

 

4年前の春、調布市内で500坪の邸宅を持つ、代々続いた不動産会社の社長の一人娘。

当時8歳だったやよいちゃんはピアノ教室の帰りに迎えを装った車で誘拐された。

犯人は1億円の身代金を要求。

警察は身代金を運ぶ母親に尾行をつけたが、引き渡しに失敗。

怒った犯人は「次に刑事を見たら殺す」と脅してきた。

翌日、犯人の指示通り、母親が1億を持って車で出発し、警察は犯人逮捕の為に母親の頼みを無視して、覆面パトで尾行。

だが1億円は取られ、約束を破ったと娘は殺され、遺体が二日後に発見された。

調書には書いてないが、両親が親戚の染色研究家に頼んで、密かに特殊インクを塗っていた。

5000万円に塗られた塗料は4年前の身代金に塗られたものと同一と確認できた。

 

両親は自宅の土地を売って、2年前に引越ししていた。

ただし、50坪だけ残してプレハブを建て、住所はそのままにしてあり、誰かが週に1度、郵便物を取りに来ている。

引越しと同時に離婚しているという。

山本は2年前から何軒もの探偵社に毎月、金を振込み、4年前の誘拐事件を調べさせていた。

水商売をやってた探偵の沼田爆へ「最近、急に金回りが良くなった人物を調べて、名前を確かめてくれ」と依頼していた

 

450坪=13億5千万。

迷宮入りになって、捜査本部が解散した2年前。

探偵を使い2年間で何かを掴んだ山本圭が、誘拐事件の犯人たちにリンチした?

それであれば、5000万円をそのままにした理由も分かる。

娘の仇なのだから金には目をくれない。

更に特殊インクが塗られているのを知っている。

残りの5000万円はどこに?

山分けしたとしたら、もう1人共犯者がいる?

 

山本は事件当日、元妻の親戚の法事で福岡にいた。

元妻とは行きも帰りも別々。

彼が乗ったという18:21博多発 寝台特急あさかぜ82号は事件のあった、さくらよりも博多を1時間22分早く出発する。

あさかぜの内では、OLグループと一緒だった。

山本は「撮ってくれと頼まれた」というが、相手は「山本が写真を撮りましょうか?」と言ってくれたという。

翌朝は横浜の辺りで通路にいる山本を見掛けたと証言。

 

先行して走っているあさかぜから、さくらに乗り換えて再びあさかぜに戻る事は可能か?

新幹線を使えば、横浜で戻る事は可能。

小倉で降りて、さくらに乗り換えて殺害し、00:06着広島で降り、タクシーを飛ばして新大阪へ。

06:00発のひかり300号が08:56東京着。

09:16発こだま417号で、新横浜に09:33着。

さくらは横浜駅を10:07に発車するので間は34分。

新横浜から横浜は地下鉄で12分。

 

しかし、山本はOL達と横浜より手前で話をしたと主張し、OL達も横浜より前だったと証言。

熱海と横浜の中間、09:30頃。

あさかぜは09:04熱海着だが、こだま417号の熱海着は10:07。

1時間前に出発してしまっている。

 

男性の身元が判明。

長山卓也という男で、フランス料理の店を開いていたが、経営不振で店を売り渡して、妻とは5年も音信不通。

博打と女にハマっていた彼を博打に引き込んだのは、スーパー経営者 清水章吾。

清水は長山に覚えが無いという。

清水は4年前に土地を買って、それを担保に融資を受けて、スーパーを始めているが、その資金の出処は謎。

山本の元妻 永島暎子が、さくらでの事件の翌日から清水のスーパーで働いていた。

彼が4年前の事件に関係してるかを探るために勤めている?

 

探偵 沼田爆は清水のゴルフ仲間だった上に、「清水が長山と知り合い」と口を滑らせた。

彼が山本から依頼された調査の事を清水に話したのでは?

そこで、清水は山本に長山と女の事を話して殺させたのでは?

 

女性の身元も判明

銀座のクラブホステスの小野ゆう子

常連客に山本圭がいた。

彼が資産家で一人娘がいるという情報を仕入れたのは彼女。

彼女は清水の女だった。

 

警部と亀さんは別のルートを考えてみる。

あさかぜを小郡で下車し、22:04発のさくらに乗り込み、2人を殺害。

22:41着徳山で降りて、最終のこだま552号に。

22:53発で広島23:26着。

23:48発のみずほは名古屋に06:31着。

06:48こだま470号で熱海着が08:49。

あさかぜ820号は9:04発。

アリバイが崩れた。

 

山本と暎子が姿を消す。

山本が清水を襲うところを亀さんたちが抑え込むが、拳銃はとっくに捨てたといい、長山達を殺害したことを認める。

山本は探偵の沼田から有力な手掛かりを得た。

探偵から紹介された清水から、曰くのある大金を持っている男女が12/9さくらで九州から東京に持っていき、処分すると聞いた。

清水に教えられた通りにさくらの個室に行き、スーツケースの金に特殊インクが付いているのを確認。

特殊インクが付いており、犯人に間違いないと確信して2人を殺害した。

 

その後は探偵から紹介された時から怪しいと思っていた清水をマーク。

殺害直前、長山達が「犯人はもう1人いて、その男がリーダーの清水だ」と告白しているテープがあるとの嘘を清水に伝えて誘き出し、殺害しようとしたが失敗。

誘拐事件の容疑で亀さんたちに連行される清水を拳銃で撃ったのは、元妻の永山暎子。

2人は娘を殺害した犯人達に復讐する為に偽装離婚したのだった。

 

復讐したい気持ちは痛い程分かる。

しかし、何年も何社も探偵を使って調べるって、お金持ちの荒業やね。

一般人は駅で情報提供を呼びかけるよ。

 

愛川 欽也、三橋 達也、永島 暎子、山本  圭、森本 レオ、左右田一平、船渡 伸二、栗原けいこ、清水 章吾、井川 晃一、山村 紅葉、沼田  爆