渡瀬恒彦版の十津川警部では亀さんの息子が誘拐されるけど、こちらでは森本レオの姪っこちゃん。
①服部あきらと坂本陽子
②モデル 鳥越マリ
森本の姪 岩崎ひろみが、特急おおぞらの車内で誘拐される。
犯人からの指示で翌日、森本が特急おおぞらに乗車。
睡眠薬入りのコーヒーを飲まされて、目を覚ますと男女2人を刺殺した殺人犯にされていた。
男はかつて西本が逮捕したことのある服部あきら、女は服部の恋人でホステスの坂本陽子。
モデルの鳥越マリが彼らと接触していたことが分かる。
2年前、モデルになる前の鳥越マリは法律事務所でアルバイトをしていた。
事務所は服部の国選弁護人をしており、そこでマリは服部が西村に逮捕されたことを知っていた。
亀さんは鳥越マリの顔に見覚えがあった。
7年前の殺人事件の犯人、結城かおり。
しかし、彼女に姉妹はいない。
7年前、荒木徹という男が毒殺された。
美男子で弁が立つが、多くの女性を食い物にする、教養のない怠け者。
犯人は資産家の娘 結城かおり。
彼はヌード写真を撮って彼女を脅していた。
逮捕時、「死なせて!」と泣き叫ぶかおりを森本レオが刑務所に送った。
彼女は1年前に出所し、半年前に自殺していた。
犯人はかおりの兄、内藤剛志。
内藤は妹の自殺の原因は森本にあると思い込み、彼を罠に掛けて犯罪者にし、最後には彼の命も奪おうとした。
6か月前の妹の命日、内藤は妹のかおりにそっくりな鳥越マリと出会う。
内藤を愛してしまったマリは急速に自分をかおりに似せていった。
真似をすると内藤が喜ぶ。
そして犯罪にまで手を貸した。
森本に恨みのある服部とその女の陽子を使い、誘拐を企てて2人を殺害し、その罪を森本に被せた。
しかし、今度の事が済めば、妹のことは忘れると約束したのに、内藤の心の中はかおりのことだけ。
「かおりがどれほどの女なのよ。スケコマシにたらし込まれるなんて、心に隙がある女。男の本性を見抜けないなんて頭の悪い証拠。」
内藤は妹を貶むマリを思わず、殺害してしまう。
殺すつもりはなかった…。
たった2人きりの家族である内藤と妹は肩を寄せ合って生きてきた。
内藤の結婚が決まった頃、かおりは人が変わり、柄の悪い荒木と交際するように。
兄を1人の男性として見ているかおりは苦しくなって、荒木に逃げたのだった。
かおりが胸の内を打ち明け、兄は自分の結婚を断り、妹には荒木と別れることを承諾させた。
しかし、かおりは荒木を殺してしまった。
出所してきた時に「これからは仲のいい兄妹でいよう」と約束し半年は楽しい日々が続いた。
しかし、内藤も妹を1人の女として見るようになってしまい、段々と息苦しくなってきた。
6か月前、妹に思いを告げる。
「どこか南の国で暮らし、世間の目に憚れることなく、愛し合おう。」
妹はとても喜んでいたのに、手首を切って自殺してしまう。
誰のせいだと考えた時、森本レオに殺意が向いた。
しかし、妹を死に追いやったのは誰でもない内藤自身。
刑務所で「犯罪を犯したのは兄を1人の男として愛してしまった罰」と考えたかおり。
兄の求めに応じたい。だけど、兄を地獄に道連れにできない…。
兄の申し出に酷く悩んだが誰にも相談できずに自殺を選んだのだった。
うーん、何で森本レオを恨んだのか、イマイチよく分からん。
愛川 欽也、三橋 達也、森本 レオ、内藤 剛志、岩崎ひろみ、鳥越 マリ、名古屋 章、井川 晃一、山村 紅葉、左 時枝