実家のお茶屋に戻り店の手伝いをしていた百合(坂口良子)が、同じ商店街にある洋食屋『三浦亭』で、病院のカウンセリングに来ている呉服屋『香之屋』の若妻・香田真純(中島ひろ子)と出会った。真純の症状は過食症。平凡なサラリーマン家庭から老舗の呉服屋に嫁いだ真純は、夫・香田晴紀(四方堂亘)の助けはあったものの、姑・俊江(三條美紀)のプレッシャーなどからストレスがたまり過食症になったのだ。真純と一緒にいたのは、『三浦亭』で夫・三浦正人(中西良太)と共に頑張っている千佳(渡辺典子)、そして、キャリアウーマンとして働く独身の中尾和子(渡辺梓)。3人は中学時代からの親友同士らしかった。そんな折、刑事の滝田(梨本謙次郎)が『三浦亭』を訪ねたことから、三浦夫婦が思わぬ事件に巻き込まれていたと知った。数日前、西島(モロ師岡)という強請り屋が殺害された。

 

①強請り屋 モロ師岡

 

3週間ほど前、初めてモロが洋食店に来て、「弁当を食べたら食中毒を起こした」と1万円を要求され、渡辺典子は支払ってしまった。

それから毎日店に来て、お金も払わずに飲み食いし、他の客にも迷惑を掛けるようになった。

困った典子はモロに取引を持ち掛ける。

「うちよりもお金がある店がある」と中島ひろ子の嫁ぎ先の呉服屋を教えてしまった。

親友であるはずのひろ子の秘密を話、自分は難を逃れようとしたのだ。

 

刑事の梨本がひろ子に話を聞きに行くが、彼女は「そんな男、知らない」と言い張る。

典子は自分の過ちに気付き、ひろ子に合わせる顔が無いと。

 

ひろ子には何か秘密があると感じた坂口良子は親友2人に話を聞く。

12年前、大学生だった彼女が親の反対を押し切って同棲した男がいた。

しかし、男は暴力を振うようになり、耐えられなくなったひろ子が別れ話を切り出したところ、男は半狂乱で彼女の首を絞めてきたので、彼女は植木鉢で男を殴りつけた。

意識を失った彼女が目を覚ました時、男は死んでいたが、正当防衛が認められたという。

第一発見者は渡辺梓。

その事件が彼女に深い傷になっていることを知りながら、典子はそんな秘密をモロに教えてしまったのだった。

そんな嫁の過去を知った姑は離婚を求め、ひろ子も受け入れる。

 

中学時代

それぞれに問題を抱えていた3人は逃げ場所だった保健室で知り合って親友になった。

中島ひろ子は過食症、渡辺典子は虐め、渡辺梓は父親からの暴力。

しかし、梓は自分の問題を誰にも話していなかった。

母親から「外には漏らすな」と言われていたから…。

 

12年前の事件の真犯人は渡辺梓。

梓がひろ子の部屋に行ったとき、男はまだ生きていた。

「別れ話はお前が焚き付けた!」と梓に暴力を振ってきた男が自分の父親と重なり、フラッシュバックした梓は男を殺してしまう。

そして、ひろ子の犯行だと勘違いした救急隊員が「これは正当防衛だ」というので、その通りにしてしまった。

 

モロの殺害も渡辺梓。

呉服屋を訪ねて帰る時、モロに声を掛けられた。

彼は梓をひろ子と誤解し、500万円を強請ってきた。

「自分が男を殺したツケだ」と勘替えた梓はひろ子に何も話さずにお金を用意し、モロに渡したが、モロはひろ子の夫にも脅そうとしていることを知る。

思わず、「ひろ子に近づかないで!」と声にしてしまい、自分がひろ子ではないことを知られてしまう。

モロは「お前も12年前の事件に関係してるんじゃないのか!」と梓を殴りつける。

再び、フラシュバックを起こした梓はモロの頭を何度も打ち付けて殺害した。

 

ひろ子は離婚を回避。

夫が渡辺典子を連れてきて、2人は再会…。

 

いつでも嫌な役の四方堂亘が良い人役だと、全くタイプじゃないのにキュンラブとしちゃう不思議。

 

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