14歳の万引きをした少女・上原奈月(前田亜季)のカウンセリングをした臨床心理士の松波百合(坂口良子)は、奈月が殺人事件の容疑者・根元直美(水島かおり)と接触していたと知り、驚愕した。奈月の話によると、直美は奈月の父・秀明(羽場裕一)と不倫関係にあった。だが、奈月が詳しい供述を拒む中、直美がビルの上から転落死してしまった。百合は、奈月の家庭内に事件解決の鍵があるとにらむが…。
①フリーライター 金子
②スナックホステス 水島かおり
精神科医の藤田朋子は中学生 前田亜季が万引きするのを目撃。
藤田は反抗的な亜季を病院に連れてきて、坂口良子にカウンセリングを依頼。
「死にたいから、睡眠薬が欲しい」と言う亜季。
彼女は両親を困らせたいと問題行動をしていたわけではなく、父親の不倫を知り、バラバラになっていた家族を繋ぎ止めたいと思っている。
母親の未來貴子は夫の不倫を知りつつも、気付いていない振りをしていた。
家業である工務店の仕事に必死で努力しながら、家事にも力を抜かない彼女。
良い家族を作ろうと努力してきたのに…。
前田亜季が睡眠薬を飲んで、意識朦朧となり病院へ運ばれてくる。
金子を殺害したのは水島かおり。
金子は美人局の犯罪歴があり、水島かおりも共犯だったが、彼女は執行猶予になっていた。
彼女は金子を殺害し、不倫関係にあった羽場裕一に死体とは教えずに金子の遺体の遺棄を手伝わせた。
その後、水島は「あれは死体だった」と打ち明け、羽場を「あなたも共犯者だ」と脅し、お金を要求してくる。
羽場は500万円を払ったが、金子の死体が発見されて疑われている水島は更に逃走資金を要求してくる。
彼は警察で事情を聞かれるが水島殺害は否認。
しかし殺害当日、水島の携帯の通話記録に前田亜季の携帯があったことを刑事から聞かされた羽場は自分がやったと認めだす。
亜季は母親の未來貴子に「お父さんは人殺しじゃない」と訴える。
しかし、未來は不倫をして家族を裏切った羽場を信じていない。
亜季は父親の裏切りは酷いと思いながらも、父親に優しくしなかった母親を責める。
母親は「私は必死に家を守ってきたのに!」というが、娘は「誰も母親に近づけない。近づくと棘が刺さりそう。」だと。
家族関係が上手くいっていないのは未來が元凶?
冷え切った関係の未來貴子と藤田弓子は実の母娘ではなかった。
実の母親は赤ん坊の時に亡くなり、藤田は後妻。
未來によると、藤田が働きの悪い夫を責め続けたことで、父親は蒸発したという。
実際には、飲み屋で知り合った女と逃げたのだったが、未來は「藤田のせいで父親が自分を捨てて、出て行った」と思い込もうとしていた。
不良の仲間に入って、家出を繰り返す未來をビンタして連れ戻したりと、藤田は未來を厳しく育てた。
片親になった未來への精一杯の愛情だったが、それは未來には伝わっていない。
亜季は自ら睡眠薬を飲んではいなかった…では、誰が?
亜季が水島かおりを殺害したと自首してきた。
父親と水島がラブホテルに入るのを目撃した亜季は父親の携帯を盗み見て、水島の携帯番号を調べた。
連絡を取って会ったが、言い争いになって突き落としたと言う。
羽場は娘を庇って自白したのか?
そして娘も誰かを庇っている?
水島かおりを殺害した犯人は藤田弓子。
孫が婿の愛人と連絡を取っていることを知った彼女は、孫を自分の睡眠薬で眠らせて、代わりに会いに行ってお金を渡した。
しかし、「100万では足りない」と言う水島は更に「男が女から逃げるのは男が悪いんじゃなくて、逃げられる女が悪い」と悪態をつく。
自分の過去と重なり、カーッとなった藤田は彼女を非常階段から突き落として殺害したのだった。
坂口良子がセッティングし、ようやく向き合った藤田と未來。
父親が出て行ったのは藤田のせいだと恨んでいた未來だが、本当は父親が自分を捨てたことを認めたくなかったからだと認めた。
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