久々の休日、警視庁捜査一課の十津川警部(高橋英樹)は、妻の直子(浅野ゆう子)と共に新潟への1泊旅行を楽しむ予定で家を出た。だが、東京駅に着いた直後、殺人事件発生の知らせが入る。なんと被害者の所持品から、十津川の名刺が出てきたというのだ。直子を残し、現場に急行した十津川。殺されたのはホステスの原田由紀(杜野まこ)だったが、十津川にはまったく心当たりがない。名刺が見つかった封筒には数枚の電車の切符と宿泊先を記したメモも入っており、彼女はその日から2泊で会津若松と新潟を旅する予定だったことがわかる。メモの筆跡が由紀のものとまったく違うことから、十津川たちは旅行の同伴者が切符とメモを被害者に渡したのではと推理。手がかりを求め、十津川は由紀が乗るはずだった「特急きぬ115号」に単独で乗り込む。座席の近くで見張っていたところ、突然、十津川の携帯電話が鳴った。「公衆電話」からの着信で、ボイスチェンジャーを使った甲高い声が「やっぱり「特急きぬ115号」に乗ったんですね」とだけ告げて切れた。いったい誰が何の目的で電話をかけてきたのか…!?結局、同伴者らしき人物は現れず、十津川は由紀が所持していた切符と同じルートをたどってメモにあった宿泊先の猪苗代のホテルに向かうことに決めた。ホテルによると、由紀の名前で予約は入っておらず、その日まだチェックインしていないのは東京在住の田中裕介(菅原卓磨)という男性だけと判明。田中はメモにあった新潟のホテルにも予約を入れていた。やはり、その男が旅行の同伴者なのか…。そんな中、十津川は夕食を取るため立ち寄ったそば店で、旅行客・川合ひろみ(原沙知絵)と知り合う。一方、東京で捜査を進めていた亀井刑事(高田純次)は、切符や名刺に由紀の指紋が付着していなかったことから、犯人は十津川を会津若松におびき出すため、わざとそれらを現場に残したのではないかと考えはじめる。すべては犯人が仕掛けた罠ではないか。亀井の胸に、嫌な予感が湧きあがる…。その夜、こんどは十津川の携帯電話に「原田由紀さんの事件のことで話したいことがある。午後10時、猪苗代湖の天神浜に来てください」という謎の電話が入った。十津川は天神浜に赴き、遅くまで情報提供者が来るのを待ったが、誰も現れることはなかった。翌朝、猪苗代のホテルを出て、新潟に向かった十津川。その電車内でまたもやひろみと出会い、偶然に驚く。ところがその後、天神浜の一角で女性の扼殺死体が見つかり、なんと十津川が福島県警から参考人として事情を聴かれる事態に陥ってしまう…。実はひろみが前夜、天神浜で十津川を見たと通報し、証拠写真まで提出したのだ。被害者の小坂井恵子(宝積有香)は1年前、交通事故を装った殺人事件で目撃証言を行った女性だったが、死の直前、“十津川の自宅”に電話をかけていたことが判明した上、遺体の手の中から十津川のコートのボタンも見つかったのだ。亀井の悪い予感は、的中してしまった…。亀井は十津川の嫌疑を晴らすべく、1年前の事件を担当した世田谷南署の刑事・浦部慶一(勝村政信)を呼んで改めて話を聞くが…!?

 

①ホステス 原田由紀

②会社員 小坂井恵子(1年前の交通事故の目撃者)

③飲食店勤務 田中裕介

 

1年前の事件

運転していた速水明はプロ野球の二軍選手。

彼は被害者が信号無視をしてきたと主張し、目撃者の小坂井恵子も同じ証言をしたことで、担当刑事の勝村政信は不可抗力の事故として処理をしようとした。

しかし、被害者と知り合いだった妻の浅野ゆう子から、「彼女はプロ野球の二軍選手のファンだった」と聞いた警部は疑問を持ち、再捜査を始める。

捜査の結果、速水と被害者の菊池詩織は交際しており、別れ話で揉めていたことが分かる。

小坂井恵子も証言に自信を無くし、結果、1審判決で14年の実刑判決。

速水は判決が出た日に獄中で自殺していた。


今回の連続殺人事件は速水の関係者による復讐?
23年前、6歳だった明は父親に捨てられ、新潟の施設で育った。
身内同然に応援していたの後援会長 寺泉憲だけ。

財界の有名人で新潟県の建設会社の社長&県会議員。

彼には赤坂の料亭で代議士と会食していたというアリバイがある。

 

友人によると、小坂井恵子には恋人がいた。

相手は警視庁捜査一課の刑事で奥さんがいるという。

益々、警部が疑われる立場に…。

警部に不利な証言をした原沙知絵は雑誌記者で、1年前の事件の真相を追っていた。

彼女は明と同じ施設で実の姉弟のように育ったという。
沙知絵の母親と結婚した義父は酷い男だった。

相談に行った警察はまともに話を聞いてくれず、母娘は夜逃げをしようとしたが、養父が母親を刺殺してしまい、沙知絵は警察に深い恨みを持っていた。

そして、当時9歳だった沙知絵は施設で育つことに。

田中が死体で発見される。

警部は彼に見覚えがあった。

「特急きぬ」の同じ号車に乗っていた田中が、電話する為にデッキに出た警部のボタンを手に入れたのだろう。

 

1年前、詩織が盗聴器を買おうとしていたことが分かる。

彼女には安川京子という親友がいたが、語学留学で国外にいて、来月帰国予定。

 

小坂井恵子の「捜査一課の恋人」が引っ掛る警部たち。

恵子から名刺を入手できる人物。

由紀の所持していた切符、メモ、封筒に一切、指紋を残していない。

そして、恵子の事件では田中に警部のボタンを盗ませ、恵子に握らせた上で爪の間に警部の繊維まで残している。

そんな工作をできるのは刑事?

警部を恨む刑事で恵子と接点のある人物が1人だけいる…。
恵子の恋人を目撃した友人が恋人は勝村政信だと証言。

 

沙知絵が勝村政信と寺泉憲が密会していた証拠写真を持ってきた。

1年前、大のギャンブル好きだった勝村は闇金から5000万円を借りていたが、速水の事件後に返済していた。

同じくギャンブル好きな田中のアパートにあった馬券から勝村の指紋が出たことで彼らの接点が見つかり、勝村の自宅で押収された彼の靴から、恵子のDNAと同じ血液が検出され、観念した勝村は自白する。

 

1年前の事件直後、勝村は警視庁捜査一課への移動の内示を受けた。
それで恵子は友人に「恋人は警視庁捜査一課の人間だ」と話したようだ。

しかし、警部のせいで、勝村は「殺人を見破られず、事故として処理しようとしたマヌケな刑事」として、移動の話は無くなった。

 

同じ新潟出身だった勝村と寺泉は県人会で知り合った。

勝村が交通捜査係に在籍していると知った寺泉が近づいてきて「借金を助けてやるから、ある事件を事故として処理して欲しい」と言われた。

その数日後の事件で言われた通り、事故で処理するために愛人の恵子に嘘の目撃証言をさせた。

 

2か月前に速水が自殺した後、再び、寺泉から指示を出された。

「十津川に殺人の罪を着せて、速水と同じ苦しみを味あわせたい。」と。

「断るなら5000万円を返せ」と脅され、断れなかった勝村は由紀と恵子と田中を殺害。

由紀を殺害したのは警部を会津に誘き出すだけの為で、誰でも良かったという。

そして、結婚を迫られていた恵子を殺害。

離婚する気も無く、恵子の死を利用したら警部に容疑を向けられるとの考え。

ボタンと繊維片を盗ませた田中には、しばらく身を隠させておいて、睡眠薬入りのコーヒーを飲ませた上で殺害したという。

 

警部には疑問が残った。「動機」だ。

速水は最後まで容疑を否認し、詩織殺害の理由を話さなかった。

そして今回、どうして寺泉が他人である速水の為に、復讐しようと思ったのか?

勝村も「分からない」と言う。

そして「証拠を残すような男ではない寺泉は罪を認めないだろう」とも。


帰国した詩織の親友 安川京子から話を聞く。

速水には別の恋人がいたらしい。
彼女は詩織からエアメールを受け取っていたが、「しばらく預かってほしい」との手紙と一緒にボールペンが入っていたという。
盗聴器と思われる、そのボールペンは沙知絵に貸してしまったと。

中身を聞いた沙知絵は寺泉を追及しようとするが彼に襲われてしまう。

そこに警部達が登場し、寺泉は観念。
盗聴器の中には「あんな女とは別れろ!」と速水を叱責する寺泉の声が入っていた。

それは後援会長としてではなく、恋人への思いだった。

詩織はボールペンを見せて「1億払わなければ、同性愛者であることをばらす。」と寺泉を脅してきた。

政治生命が危機に晒されることを危惧する寺泉が速水に相談すると、速水は「本当の父親の様に思っていた。御恩は一生忘れません。詩織は私が…。」と。

寺泉の速水への思いは一方的なものだったという。

 

動機がそれ?

 

 

高橋 英樹、原 沙知絵、高田 純次、浅野ゆう子、勝村 政信、森本 レオ、宇梶 剛士、寺泉  憲、三浦 浩一、山村 紅葉、矢島 健一、宝積 有香、山中 崇史、水上 剣星、久保 酎吉、梅沢 昌代、伴  杏里、佐藤 正浩、江田 結香、早瀬英里奈、春海 四方、菅原 卓磨、新虎 幸明、山口 竜央