阿久津麻美子(檀れい)のもとに、失踪した父・伸吉(大杉漣)と、恋人・圭一(杉本哲太)のことを尋ねてきた犬塚(本田博太郎)が殺害された。失踪した父からの“手紙”が鍵を握る!

 

本田博太郎は元刑事で5年前に恐喝や強請が発覚して懲戒免職になっていた男。

彼の殺害から、恋人の杉本哲太のことを知ることに。

 

杉本哲太の兄、村田雄浩は神戸で電気屋をやっていたが、11年前に自殺していた。

愛人の子を妊娠した妻から別れ話を持ち出され、逆上した村田が無理心中をしようとしたが、失敗し、妻と弟の目の前で自殺したという。

そして、12年前、阪神淡路大震災で被災した大杉蓮は、命を救ってくれた恩人が村田雄浩という名だと妻の竹下景子に話していた。

失踪している父親の恩人が、恋人の兄なのは偶然なのか?

 

11年前、実際に死亡したのは大杉蓮だった…。

震災の半年後、神戸の村田を訪ねた大杉。

村田から「震災後に借金が2000万になり、自分が死ねば1億の保険金が入るが、このままだと破産だ」と聞くが、大杉も住まいと店のある土地を出ていくか3000万円で買い取ってくれと地主に迫られていた。

末期癌で余命僅かな大杉は自分の家族(妻と娘)と村田(妻とお腹の子)の家族を共に助けられないかと考え、自分が村田として焼身自殺し、村田の生命保険金を得ることを提案。

下りた保険金で村田は借金を返済して、妻の渡辺梓と新生活を始め、大杉の方も村田の保険金の一部を妻子に送金し、土地を購入させ妻子の生活が成り立つようにしようとする。


その為に大杉は自身の浮気をでっち上げ、「その女性と一緒になりたい」と妻に離婚を申し出る。

そして料理のレシピを書き残し、娘の50歳の誕生日までの手紙を書いて、村田に託したのだった。
村田の方は弟に「妻の浮気相手を探して欲しい」と頼み、渡辺梓の後をつけさせて、相手が大杉蓮だと掴ませた上で、妻と弟の前で店舗に火を着け、自殺したかのように見せかけた。

 

半年前

本田が杉本の前に現れ、兄は「姉と浮気相手に殺された」と言ってきた。

1億円の生命保険目当てで、自殺に見せ掛けた保険金殺人だろうと。

 

事件後、大杉に成り代わった村田は梓と再婚して富山の魚津に住んでいたが、時々、大杉の妻子の様子を見に時々、京都まで出向いていた。

そこで、弟が檀れいに近づいていることや本田が嗅ぎまわっていることを知り、村田は2つの家族を守る為に本田を殺害した。

村田として埋葬されている大杉の墓参りした後、村田は自首。

京都に戻った竹下景子と檀れいは渡辺梓から届いた、残りの手紙を読んで涙するのだった。

 

犯罪がダメなのは充分承知の上で…本田博太郎さえ居なかったらねぇ。

 

 阿久津麻美子…檀れい
 阿久津歌子…竹下景子
 阿久津伸吉…大杉漣
 秋山圭一…杉本哲太
 秋山和夫…村田雄浩
 秋山みどり…渡辺梓
 犬塚義明…本田博太郎
 ラーメン屋の親父…梅津栄