新宿の公園で男性の死体が発見され、新宿西署の刑事・牛尾正直(片岡鶴太郎)は現場に駆けつけた。被害者は世田谷区在住の下城保(橋爪淳)という男性で、後頭部を何度も鉄パイプで殴られており、犯人は被害者に強い恨みを抱いていたものと思われた。現場の草むらからは、若い頃の下条と妻子が写った古い家族写真が見つかった。
 妻の加奈子(いしのようこ)によると、下城は半年前まで製薬会社の庶務課に勤めていたが、昨年11月に会社の存続にかかわる重要な書類を紛失し、責任を取って辞めたという。写真の娘は5歳で病死したらしく、以来、下城と加奈子は家庭内別居状態だったようだ。
 だが、下城が勤務していた製薬会社の専務・多田圭一郎(金山一彦)は、庶務課の万年係長だった下城が重要な書類など手にする機会はないと、加奈子の話を一蹴。以前、庶務課で下城と一緒だった秘書・湯本隆夫(合田雅吏)も、書類とは何のことかまったくわからないと驚いた顔を見せる。
 しかし、加奈子は、書類の件は自分の勘違いではないと主張。下城は昨年11月のある夜、真っ青な顔をして帰宅、翌日から何日も会社を休んで紛失した書類を探し続けていたという。さらに、下城の書斎からは2通の謎の銀行通帳が見つかった。1通は毎月8日に数万ずつ振り込みがあり、もう1通も毎月8日に1万円ずつ入金されていた。
 そんな中、下城が書類を紛失したときの様子を知る目撃者が見つかった。主婦・岩田夏子(清水よし子)によれば昨年11月、電車の網棚に置いていた下城の紙袋を中年男性が自分のものと間違えて持って降りたところに遭遇したという。その後、牛尾は執念の捜査で、荷物を取り違えたのは印刷会社社長・藤波孝治(春田純一)だと突き止めるが、藤波は人違いだと否定する…。
 すべては1年前の11月の夜、2人の男の荷物が取り違えられた瞬間からはじまった、と考えた牛尾。そもそも運命の日、下城は書類を持ってどこに行こうとしていたのか…。牛尾は、下城が乗車していた路線の終点・奥多摩駅近くの温泉旅館で、多田が友人たちと同窓会を開いていた事実をつかむが…!?



①製薬会社庶務課 元係長 橋爪淳

 

取り違えられた紙袋の中身は専務の金山一彦が同級生の議員に渡す、賄賂のお金だった。

間違えて持ち去ったのは印刷所経営の春田純一。

倒産しそうだった春田の工場が取り違えの後で持ち直していたが、春田は「人違いだった」と言い張る。

 

専務の金山一彦は秘書の湯本と一緒にいたとのアリバイあり。

 

娘が病死したことで妻のいしのようこを責める橋爪に対して、いしのは「あなたのことも私自身のことも、私は一生許さない」と。

それから家庭内別居状態が続いていた。

 

事件当夜、橋爪が立ち寄った焼き鳥屋が分かる。

連れは春田純一。

春田が出頭してきた。

電車を降りた後、荷物が違う事に気付いて、駅で橋爪を待っていたが、中身が2000万円の現金であることを知って、持ち逃げしてしまった。
そのお金で工場は持ち直したものの、橋爪が訪ねてきてしまった。

「一人娘の結婚式まで返済を待って欲しい」と頼む春田に「また来ます」といって橋爪は立ち去る。
5日後に再び、橋爪がやってきて、「会社を辞めてきた。お金は表に出せない金だから訴えられることはない。しかし、このままでは私は会社で泥棒のまま。返してはもらえない。毎月、同じ日に払える分だけ返していって欲しい。2000万円まとまったら私が責任を持って会社に返す」と言う。

橋爪は亡くなった自分の娘を思い、花嫁を犯罪者の娘にしたくないと、そんな提案をしたのだった。

 

実際に紙袋に入っていた現金は1977万円、23万抜かれていた。

そのことを春田が告げると、橋爪は何か思い当たる事がある様子だった。

春田は殺害については否定。

 

殺害当夜、橋爪は真珠で有名な店の紙袋を持っていた。

橋爪が購入した真珠のネックレスは秘書の母親
専務が事件当夜、愛人と一緒に居たと白状する。


犯人は秘書の湯本。
秘書は年3回、専務のゴルフ休みの日は経理に行って、専務の交際費名目の金を受取りバックに詰める仕事をさせられていた。

橋爪がどこに持っていくのかは分からなかったが、おおよその検討はついた。

母の介護でお金が必要だった秘書は札束から少しづつ札を抜いていた。

 

橋爪がバックを取り違えられたと聞き、自分の行為がバレるのではと気が気じゃなかった湯本。

橋爪が退職してホッとしたのもつかの間、橋爪から呼び出され、23万円の返済を求められる。

「例え23万返したところで、この男に私の未来を握られた…。」

毎月1万ずつ返済すると約束はしたが、その時から彼の存在を消そうと決めていた。

殺害後に真珠のネックレスを盗んだのも、売れば金になるかと思ってのことだったが、母親にあげたら喜ぶと考えてプレゼントしてしまった。

施設で暮らす湯本の母親に「ネックレスを見せて欲しい」と頼むモーさん達。

刑事の様子に息子の犯罪を感じ取った母親はネックレスを引きちぎって飲み込もうとした…。

 

真珠のネックレスは妻のいしのようこへのプレゼントだった。


真珠のネックレスが安っぽ過ぎ…。

もう少し本物っぽいもの用意してよアセアセアセアセ


牛尾正直 ……… 片岡鶴太郎
牛尾澄枝 ……… 岡江久美子
下城 保 ……… 橋爪 淳
下城加奈子 …… いしのようこ
藤波孝治 ……… 春田純一
湯本隆夫 ……… 合田雅吏
湯本みね子 …… 岩本多代
多田圭一郎 …… 金山一彦
坂本課長 ……… 秋野太作
大上刑事 ……… 東根作寿英

 

 

帝都製薬庶務課 元係長) - 橋爪淳[74