警視庁鉄道捜査隊・東京駅分駐所に所属する鉄道捜査官の花村乃里子(沢口靖子)は、東京駅構内で置き引き犯を現行犯逮捕。だがその直後、現場近くを通りがかった画廊オーナーの山井久美(芦川よしみ)が、絵画を入れたバッグを黒いニット帽の男に奪われる事件が発生する。ニット帽の男を「捕まえて!」と叫びながら追う久美。その声に気付いた乃里子が、2人の後を追いかけて角を曲がると、そこには胸を刺された久美が倒れていた。現場に偶然居合わせた女性・楠木亜理紗(福田沙紀)によると、ニット帽の男が久美を刺して逃げていったという。駅構内を逃走するニット帽の男を、乃里子たちは追跡の末にようやく追い詰め、逮捕しようとする。だが次の瞬間、男の持っていた絵画入りバッグが突然、炎上。その混乱の隙を突いて、男は姿を眩ましてしまう。刺殺された山井久美は、岩手県宮古市の画廊経営者で、『北リアスの天使』という絵画を売るために上京していた。画廊スタッフによると、その絵は日本有数の洋画家・篠崎源一郎(伊武雅刀)が20年前に描いた代表作で、久美は事件当日の朝に「5000万円で売却する」と言って、絵を運び出したという。事件前から久美は『北リアスの天使』の作者である篠崎と頻繁に連絡を取っていて、東京駅で殺害される直前にも、携帯から篠崎の自宅に電話をかけていたことがわかった。しかし篠崎は、妻の昌子(いしのようこ)と三陸海岸へスケッチ旅行に出かけていたため、自宅を留守にしていた。その日の夜、一人で帰京した篠崎から事情を聞く乃里子たち。すると篠崎は「久美が殺害された時刻には、三陸海岸の浄土ヶ浜で絵を描いていた」と主張し、事件への関与を否定する。乃里子たちが捜査を進めていくと、事件のひと月前に『北リアスの天使』のモデルの娘と名乗る若い女性が、久美の画廊を訪ねてきていたことがわかる。その女性の特徴は、久美の殺害現場に居合わせた、楠木亜理紗と酷似していた。亜理紗は久美と同じ宮古市在住で、地元の観光ガイドとして働いていた。事件について何か知っているとにらんだ乃里子は、亜理紗を訪ねて三陸海岸へと向かう。するとそこで意外な人物が、乃里子の到着を待っていた。

 

①画廊オーナー 芦川よしみ

②自称私立探偵 渋谷哲平

③弁護士 宮園

 

20年前

亜理紗の母親 千加子が崖から転落死し、自殺とされたが、実際には彼女のストーカーだった弁護士の宮園が殺害したのだった。
彼女はストーカーから逃げるために大学を中退し、三陸海岸にやってきて結婚・出産をするものの夫に先立たれて娘と2人で暮らししていた。

伊武雅刀は妻を亡くした失意の中にいたが、浄土ヶ浜で千加子を見かけて創作意欲が湧き、彼女の絵を描いて立ち直った。

しかし、絵が有名になったことでストーカー 宮園が千加子の居場所を知ってしまい、彼女は殺されてしまった。

 

現在

画廊オーナー 芦川よしみが20年前、伊武の描いた絵のせいで千加子が殺されたことを伊武に話し、伊武は初めてその事実を知った。

芦川は黙っている代わりに500万程の値の絵を5000万円で買い取れと脅すが伊武は拒否。

しかし、伊武の顧問弁護士になっていたストーカー宮園はその話を聞き、昔の事がバレては困ると渋谷哲平に芦川を殺害させて、北リアスの天使のレプリカを燃やす。

渋谷は宮園が不倫関係だった伊武の妻、いしのようこに雇わせて、千加子の娘、亜理紗を調べさせていた男。

その渋谷が恐喝してきたので宮園は彼を殺害。
亜理紗を殺害しようとする宮園から彼女を救うために彼を殺害したのは伊武雅刀。

 

北リアスの天使のテーマは「母の愛」

千加子のとびきりの優しいほほえみ

絵を描く伊武の傍で母親をみていた娘に向けられたものだった。

 

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