終電車の車内で男が刺殺された。すぐさま亀井定男(古谷一行)と現場へ向かう十津川省三(高嶋政伸)。被害者は商事会社の社員・坂西宏(山中アラタ)。真面目で仕事第一、恨まれる理由などなかったが、経理担当重役の木戸和夫(渡辺裕之)、顧問弁護士の宇佐美隆利(国広富之)らから、被害者の坂西が社内の不正経理の疑いを発見、極秘で調査をしていたと聞く。不正経理の疑いがあったのは経理部長でギャンブル好きという田村晋太郎(宮川一朗太)。不正経理が明るみになることを恐れ、犯行の疑いがある田村は無断欠勤をしていた。十津川らは田村の行方を追った。
捜査が難航する中、今度は目撃者の女性・堀本美也子(黒沢あすか)が殺され、さらに田村も遺書を残して自殺をしてしまう。しかし、これで事件のけりを付けようとする平塚八重子(山村紅葉)に、十津川はなぜか納得できないでいた。奇妙な謎と心憎い結末。迷宮入り寸前の事件を見事解決できるのか!?


経理部長の宮川一朗太の不正経理に気付いた坂西。

彼からその話を聞いた渡辺裕之は彼に極秘で調べるように指示していたが、3000万円の使途不明金があり、彼は競輪にハマっていた。

まだ、裏付けがなく宮川本人に確認していないが、調査に気付いていたかもしれないと。

「宮川が証拠隠滅を図っているかも」と坂西から報告を受けていた。

その宮川が失踪。

 

いつも終電に乗っているホステスの黒沢あすかから話を聞く。

宮川は見たが、事件当夜ではなくて、その前日だと言う。

その彼女も自宅で青酸カリによって殺害される。

3年前から彼女の口座に毎月20万円、不正売買された口座からの振込があった。

しかし最後の振込額だけ50万円。

 

伊豆の城ケ崎で宮川が借りていたレンタカーが発見されるが本人は見つからない。

レンタカーの中には妻宛の遺書が残さていた。

 

半年前に、黒沢あすかは客の中年男との喧嘩で警察沙汰になっており、相手には痴漢の前科があった。

黒沢あすかが痴漢現場を見たと裁判で証言したことで元高校教師の甲本雅裕は有罪になり、事件後に離婚し、今は金属加工工場で働いている。

痴漢事件は3年前、黒沢への振込も3年前から…。

 

宮川一朗太の遺書が気になる十津川。

遺書でありながら俺は死んでないぞと訴えてる気がすると…。

「もう、これ以上は逃げきれない。俺は死んでもいつもお前のそばにいる。お前にはきっと俺の声が聞こえるはずだ。またいつか会おう。その日までさようなら。」

宮川の妻の携帯にマイクロSDカードが入っていた。

 

駅のホームで渡辺裕之を突き落とそうとしている国広富之を警察に引っ張る。

しかし、渡辺を見掛けたので声を掛けようとしただけだと言い張るが…。

 

黒沢あすかは痴漢の真犯人を脅し、毎月20万円の振り込みをさせていた。

彼女の脅迫がエスカレートしてきたことに脅威を感じた真犯人が殺害。

坂西が殺害されたら宮川一朗太が真っ先に疑われると考え、坂西を殺害してから本当の標的者である黒沢あすかを殺害し、宮川一朗太に罪を被せて自殺に見せかけて殺したのでは?

その真犯人が国広ではないのか?

 

十津川の推理を否定し取調室を出ようとする国広に宮川の奥さんのSDカードに入った音声を聞かせる。

国広が「自殺に見せかけて逃げろ。さもなくば、渡辺に殺されるぞ」と宮川に指示をする会話だった。

宮川は国広を信用しきれず、妻に証拠を託していた。

国広は冤罪を訴えながら逮捕。

それから渡辺裕之も逮捕される。

彼は宮川に「会社の為だ」と裏金を作らせておいて、自分が横領していたのだった。

 

痴漢の罪を着せた犯人を逮捕したことで、「我々を許して貰えるだろうか?」との亀さんの問いに

甲本雅裕は「今更、遅すぎる」と。

深く頭を下げる十津川と亀さん。

 

そりゃそうだよ。

甲本の奥さんの大島さと子がやり直すことを考えてくれると良いな。


十津川省三 … 高嶋政伸
宇佐美隆利 … 国広富之
平塚八重子 … 山村紅葉
田村晋太郎 … 宮川一朗太
木戸和夫 … 渡辺裕之
新山春江 … 大島さと子
田村絵里子 … 山田キヌヲ
堀本美也子 … 黒沢あすか
古野清司 … 甲本雅裕
亀井定男 … 古谷一行