渡瀬恒彦と渡哲也の豪華共演が話題となった「十津川警部」シリーズ第50弾。原作は、西村京太郎ファンの間でも人気の高い「消えたタンカー」。
インド洋上で起きた巨大タンカーの炎上沈没事件に端を発した連続殺人の謎に、十津川警部と亀井刑事が挑む。物語はインド洋からブラジル、伊香保温泉、仙台へと舞台が移るスケールの大きな展開。やがて捜査線上に事件の鍵を握るとみられるタンカーの元船長が浮かぶ。十津川が元船長の企てに気づいた時、政財界をも揺るがす巨悪の存在が明らかになる——。
渡哲也は、物語の重要人物である元タンカー船長・奥平を演じる。記念の50作目に力を貸してほしいという渡瀬の願いを渡が快諾し、兄弟共演が実現した。
インド洋で日本の大型タンカーが炎上沈没した。近くを航行していた漁船の船長・鈴木晋吉(中本賢)は救命ボートで漂うタンカーの乗組員6名を救出する。帰国後の記者会見でタンカーの船長・宮本健一郎(木村栄)は、調査結果が出るまで口止めされていると事故原因については口を閉ざす。
タンカーは海賊に襲われたのではないかとささやかれる中、事故から1か月が経ち、タンカーの生存者たちが連続して射殺される事件が起きた。最初に殺されたのは宮本船長。続いて佐藤洋介一等航海士(岡部たかし)も殺された。わずか1発の銃撃で射殺されたことから、凄腕の狙撃者による犯行だと思われた。
本多捜査一課長(中原丈雄)から連続殺人事件の動機にはタンカー事故があるのではないかと指摘を受け、十津川警部(渡瀬恒彦)は亀井刑事(伊東四朗)と共にタンカーを運用していた船舶会社の社長・黒川秀隆(川地民夫)の元へ。黒川はタンカー輸送には危険がつきものだと語る。亀井は同席していた元タンカー船長・奥平浩一郎(渡哲也)の船も10年前に海賊に襲撃されていたことを思い出す。日本のタンカーで初めて海賊の被害に遭い、3人の乗組員が射殺された事件だった。
連続殺人の捜査が進展のないまま、炎上沈没したタンカーパーサーの辻芳夫(池田努)が伊香保温泉で、同じく甲板長の河野哲夫(村上大樹)はヨットで太平洋上を航海中に殺された。十津川は被害者たちが10年前、海賊に襲撃された奥平のタンカーの乗組員だったことに気づいた。一方、亀井は生存者の一人で事故後ブラジルに移り住んだ船医・竹田良宏(鷲生功)のもとを訪れ事情を聞く。
そんななか、今回の生存者の一人で唯一行方が分からなかった小島史郎二等航海士(伊東孝明)がフェリーで仙台に向かっていることが判明。十津川たちも仙台に急行し小島を保護する。十津川は小島が奥平と連絡を取っていること、奥平が連続殺人に関わりがあることを知る。やがて事件の裏に奥平が仕組んだ大きな企てが浮かび上がり、政財界にも及ぶ巨悪の存在が明らかになるが…。




【アラビアンナイト号 生存者6人】

船長の宮本→ジョギング中に射殺。

一等航海士の佐藤→旅行で車を運転中に射殺。

二等航海士の小島→フェリーで仙台へ。肩を負傷。

パーサーの辻→亡き妻のお墓詣りに行った伊香保温泉で射殺。

甲板長の河野哲夫→ブラジル移住の為にクルーザーで航海中に爆死

船医の竹田良宏→ブラジルで日本人相手の診療所を始める

 

6人以外で唯一の日本人乗務員だった赤松は行方不明。

→死体で発見されるがニュージャパンライン社のスプーンを握っていた。

 

アラビアンナイト号を所有していたニュージャパンライン社。

10年前、同社の所有する大型タンカー、アジアンブルー号が海賊に襲われ乗っ取られ、船長の渡哲也らアジアンブルー号の乗組員全員が5日間、人質にされる。

その内の3人が逃げ出そうとして射殺されたが、3人の家族には自己責任として賠償金が支払われなかった。

黒川社長が身代金を支払って事件は解決したが、乗せていた原油ごとタンカーは奪われた。

今回の火災事件で生き残った宮本船長たち6人もアジアンブルー号の乗組員だった。

アジアンブルー号事件は黒川社長による狂言。

タンカーを転売し、搭載されていた原油も売り払い、更に会社には保険金が入り、原油産出国への恩も売った。

再塗装されたアジアンブルー号を偶然に見つけた渡哲也が黒川社長の企みに気付いた。
彼はアラビアンナイト号で事件を起こし、あのような狂言犯罪が可能であるかを立証した上で、10年前の事件を暴露し、会社と政財界の癒着を明らかにする予定だった。

アラビアンナイト号の事件。

実際には助かった6人以外は誰も乗船していなかった。

行方不明とされていた16人は出港前に船から降ろされていたのだ。

しかし船から降ろされた唯一の日本人乗組員の宮下はそのことを疑問に思い、帰国後に会社へ事情を聞きにいってしまう。その為に会社が渡哲也の計画を知ってしまった。

黒川社長は女スナイパーを雇い、赤松と10年前の生き残り証人を殺していたのだった。

 

この女スナイパーが凄腕なんだけど小者&子供過ぎて不似合。

それにそれまで遠距離から凄技で成功させていたのに、最後の渡哲也だけはむちゃ近距離で日中に全身黒づくめで隠れもしてない…急に素人になっちゃう辺りがお粗末過ぎるわアセアセ

そして捕まったら、誰も聞いてないのに自己紹介。

「私、日本人がフィリピン人のママに産み落とされた子供!日本人、みんな死ねばいい!」

きょとーんびっくりですわ。

 

渡哲也は6人の中で最初の1人が殺害された時に事実を話すべきだったんじゃないのか?

それで10年前の真実が明らかにならなくても、人命より大切なものはないよね。

10年前の3人の死に憤っての行動のはずが更に死人を増やしちゃってる現実…。
 

仲間が次々と殺されてるのに呑気な乗組員たちの思考も不明だよ。

 

とは言え記念作品に相応しい、壮大なストーリーで面白かったです。

 

渡瀬恒彦、渡哲也、西田健、堤大二郎、中原丈雄、山村紅葉、中西良太、古川りか、清野秀美、山田アキラ、内山翔人、川地民夫、伊東四朗