いずれも医系技官による著書。霞いちか氏は精神科医から30代半ばで入省した方で、霞が関の働き方や関係者の生態がライトなタッチでだけど生々しく描かれている。僕と同い年〜僅かに年上くらいの方。その中で紹介されていた(霞が関で働きたい人には必読)と紹介されていたのが、橋本道夫氏の本。

橋本道夫氏は1923(大正13)年生まれで、阪大医学部を卒業後、最初大阪の保健所に勤務し、1957(昭和32)年3月に医系技官として入省。公衆衛生からやがて公害行政にシフトして、環境庁の設立や公害法令の制定に尽力された方。

二世代ほども年齢の違う両著者だけど、時代時代の課題に対して真摯に取り組んできた姿勢は共通している。高い専門性を武器にしつつ、全く知見のない分野であっても一から学ぶ姿勢に頭が下がる。官僚の鑑だと思う。

霞いちか氏の著書は2023年2月初版だから書店で手に入るし、kindle unlimitedでも読める。一方、橋本道夫氏の著書は1988年3月初版なので、神保町で探し回るか図書館で借りるかしないと入手は困難。僕も図書館で借りた。新書で復刊してほしい。