◆受験動機
2020(令和2)年度に国家公務員係長級の経験者採用試験を受けた話。年齢・経験的に内定獲得は難しそうだけど。

◆試験対策
(1)第1次試験
 基礎能力試験(多肢選択式)は30題・2時間20分・30問。前回は平均点11.073点のところ、9点で合格。大半の受験生が合格点以上であるにもかかわらず、申込者/1次合格者の倍率は約7倍。実質的に論文試験が合否を決めている。経験論文試験は1題・1時間30分。こちらをしっかり対策したほうがよい。喜治塾の論文対策動画 (WEB講座30分・5,000円)を購入。これ見て論文ネタの準備を始めよう。

(2)第2次試験
・政策課題討議試験と人物試験。10/28(水)の1次合格発表で受かってたら考える。

◆第1次試験【10/4(日)】備忘録
①準備・出発
試験当日9時半から11時頃まで、今日の午後論文の下案を推敲してペーパーにまとめておいた。出題が毎年同じだからできること。12時50分、東京農工大学小金井キャンパスに到着。僕の会場は38席中16名が受験(出席率42%)…毎年この程度なのだろうか。そうすると実質的な一次試験倍率は3倍程度か。

②経験論文試験(記述式)
うかつ、論文試験が先だった。着席して①の推敲ペーパーを慌てて頭に入れる。案の定、お題は例年と同じ。これって一度合格できれば、二次試験や官庁訪問でダメになっても、翌年の試験で同じこと書いて通せるってこと?将来の検証のために答案は再現控えを取ってある。

③基礎能力試験(多肢選択式)
30問中17問正解。ちゃんと解いた18問は14問正解、ヤマカン12問は3問正解。はっきり言って頭悪くなってる。ちゃんと解いたのに外した4問は要注意。最後の一般知識6問は不正解なしで一安心。

◆1次合格発表【10/28(水)】
なんとか1次合格していた。




▲2020年度経験者採用試験1次合格者数

申込者834人→1次合格138人。次の2次試験をパスして最終合格するのは例年30〜40人ほどで、さらに内々定まで行くのは10人前後。険しいが、努力はしよう。



◆余談(受験番号考)
係長級(事務)は、他の試験の種類に比べて、受験番号が分散している。他の試験の受験番号は連番なのに。自分は学生時代、某試験会場のアルバイトをしたことがあるが、とかく受験生というのは(試験当日で緊張していることもあり)迷いやすい。適確な案内をする視点からいっても、この散らばり方はいただけない。



当然、合格発表も分かりにくい。今日は昼休みにこれをじっと見て考えていた。どういうルールで受験番号を付番してるんだろう。何か意味がある。上2桁は5の倍数であることがわかる。1次合格者138人をこれで分類すると次のとおり。

10…2人
15…14人
25…8人
30…2人
35…10人
40…13人
45…6人
55…14人
65…10人
70…20人
80…28人
90…11人

分類のよって一次合格者数がずいぶん違う。年齢か、経験年数か、前職をカテゴリーしてるのか…いくつか当てはめるけど決定打には至らない。なんだろうこの12種類の分類…12…1府12省庁。偶然のひらめきだったけど、多分そういうこと。



今回の試験の採用予定省庁も12。経験者採用試験のうち、この試験に特有のこと、それは受験生は出願時に第一志望省庁を申告している。それで受験番号を付番しているのではなかろうか。

つまり、1次試験合格者の出願時第一志望省庁は次のとおり。しっくりくる。自分の受験番号と申告した第1志望省庁とも合致する。

10(会計検査院①)…2人
15(内閣府③)…14人
25(金融庁③)…8人
30(公安調査庁①)…2人
35(外務省①)…10人
40(財務省本省②)…13人
45(文部科学省①)…6人
55(厚生労働省③)…14人
65(農林水産省①)…10人
70(経済産業省⑤)…20人
80(国土交通省③)…28人
90(環境省①)…11人
※◯内の数字は採用予定数の上限

2次試験の政策課題討議試験も、この区分に従ってグループを作るのかもしれない。あの手の試験って、政策担当秘書の論文試験を集団討論でやるようなものだと思う。お題が特定の受験生に有利にならないよう、なるべく同じ志望省庁の人でグループ組んだ方が前提知識の差が少なくて都合よいだろうし。

さらに言えば、次の2桁(百の位と十の位)が第2志望省庁ということになる。これも自分の受験番号で一致する。「90906」のように重複しているものは第2志望省庁なし(第1志望省庁のみ申告)ということだろう。例えば、国土交通省第1志望の28人の第2志望省庁は次のとおり。結構分散していることがわかる。

内閣府…1人
金融庁…2人
公安調査庁…3人
財務省本省…2人
文部科学省…6人
厚生労働省…2人
経済産業省…7人
なし…3人
環境省…2人

だから、最終合格発表の受験番号を見ればどこが激戦でどこが閑古鳥かある程度掴めるかもしれない。それって結構重要なことなのではないか。A省とB省どちらを訪問するか迷っている時に、とにかく内々定取ることが最優先なら、行動戦略は大きく異なってくる。

◆第2次試験対策【11/4(水)】
試験3日前。まだ大学卒業証明書も母校から届いてないし、住民票記載事項証明も取ってない。面接カードも書いてない。そろそろ焦ってきたけど、大切なことはいつも原点に立ち返ること。受験案内を読み返す。そもそもこの試験で求める人材はこんな感じ。



次に、第2次試験科目の説明を見てみる。


1次合格通知には変更点が記載されていた。

個別発表できる時間が5分→2分と激減している。試験時間も1時間程度に短縮されると予想している。

(1)政策課題討議試験
自分、これ一回だけやった記憶ある。10年くらい前…確か農水省の技術系の係長級選考の2次試験だったと思う。あまりうまくいかず苦手意識がある。多分、自分一人であと3日フルで練ってもたかが知れている。ダメ元で喜治塾HP見てたらあった。



即購入して受講した。なんとか残り3日で考えることの方向性は立った。

(2)人物試験
これまであまり苦戦したことはないんだけど、この試験は合格基準がやや厳しい。去年の合格点を見ると分かるが、人物試験と政策課題討論試験のどちらかでは5段階中2番目の評価を得ないといけない。残り時間少ないけどがんばろう。興味深い体験記を読んだ。ダメ元くらいで気楽に考えよう。

◆第2次試験【11/7(土)】
①8:30受付開始/9:00 人物試験説明
控室入口で名前と受験番号を伝え、面接カード(原本と写し2部)を渡す。試験説明が始まったら後に来ても、遅刻扱いで受験できない。

②9:15〜9:30 性格検査
たくさんの質問にイエスノーでどんどんマークしていく毎度おなじみのやつ。

③9:50〜人物試験開始(1人20分程度)
1室につき受験生6人が割り振られており、順番に面接する。人物試験は昔受けた国家一種と同じく3対1で、真ん中が人事院、両隣が第一志望、第二志望省庁の人事担当と思われる。待ち時間が長い。「出身大学や会社等が類推される発言は絶対にしないように」と何度も注意される。人物本位の採用という建前だから。この点徹底しているなと思ったのは、大学の卒業証明書提出も人物試験が終わって控室に戻ってきた後にさせていること。人物試験の評価は既に確定していますよ、その後に初めて試験側は知らされたんですよってこと。面接の内容はまあオーソドックスな感じ。

④12:00〜政策課題討議試験説明
各室6名の受験生がそれぞれの部屋に移動して…と思いきや、控室でお題の読み込みとレジュメの作成をするとのこと。

⑤12:05〜12:25 レジュメ作成
呼ばれる時間ごとにお題を変えていると思われる。つまりこの控室にいる受験生は全員同じお題。一般的な内容で助かった。作成時間終了後、お題とレジュメ(A4片面1枚)は回収。その後、今度こそ部屋移動。もう控室には帰ってこないので忘れ物しないように。

⑥12:35〜13:25 個別発表、グループ討議
2人がけ長テーブル3脚を三角形にした不思議な配置で着席。1室に受験生6人。試験官3人は見間違いでなければさっきの③人物試験の面接官。全員分のレジュメのコピーとお題の紙が渡される。よかった、だいたいみんな同じような感じ、そんなちゃんとまとまってない。そりゃそうだ20分であの資料読んでしっかりしたレジュメ作るなんて相当訓練しないと難しい。3分準備→順番に2分意見発表→3分準備→30分グループ討議。
テーブルの前についたてがあり、さらにフェイスシールドを着用するよう指示される。仕方ないんだけど、もう他の受験生の顔がよく見えない。

⑦13:30 試験終了(解散)
とりあえずやり切った。

◆最終合格発表【11/20(金)】
昼休みに最終合格を確認。席次は57名中23番。まあそんなもん。


▲合格通知書


▲試験実施結果

倍率14.6倍とあるけど、申込しただけの人を差し引くと実質7〜8倍程度(1次試験3倍、2次試験2.5倍)か。昨日はこんな報道もあったし、補充しないといけないから予定より多めに採用する用意があるのかも。

中央省庁20代キャリア87人が自己都合退職 6年前の4倍増 河野担当相が危機感
毎日新聞2020年11月19日 18時16分

 河野太郎国家公務員制度担当相は18日付の自身のブログで、中央省庁の幹部候補で「キャリア」と呼ばれる20代の国家公務員総合職87人が昨年度に自己都合退職したと明らかにし、「6年前より4倍以上に増えている」として危機感を示した。


▲合格点、平均点等

◆試験の実際
この試験について話題に上がっている内閣府のワーキング・グループ(議事次第/議事録)は受験生必読だと思う。生々しいけど採用側の本音が見える。試験実施主体の人事院と、採用主体の各府省のミスマッチがかなりある試験のようだ。
①応募者数はそれなりの数が確保できていても、実際に合格してくる方と各府省の方で実際に会って話をしてみると要求水準に達していない。
②採用が多い年齢層は30前後〜30前半くらい。

◆成績開示(12/11(金))
パーソナルレコードから取得できた。特に不審な点なし。



◆採用者数公表
最終合格者57人中採用者9人…採用率は16%である。