無事に最終合格。11時になればホームページで確認できるのに、わざわざ時間休暇取って9時30分に参議院第二別館まで見に行った。受験生とはそういうもの。一安心、もう今後はこの試験のこと考えないですむ。夕方、特定記録郵便で合格証書その他の書類一式が届いた。


▲合格証書


▲試験実施状況

★受験動機
林雄介氏の「絶対スキルアップする公務員の勉強法」の81ページに 「『法律』や時事用語のおさらいとして、国会議員政策担当秘書や行政書士試験を受けてみることも、スキルアップに役立つと思います。人間、目標がないと勉強できないものです。」という記述がある。まさに僕の受験動機である。

★受験回数・戦績
4回目で合格。論文が通らなくて、一回諦めた。その期間は行政書士、司法書士、司法試験予備試験の受験生時代とほぼ重なる。大袈裟に言えば苦節9年。

【2011(平成23)年度:1回目】
多肢 67点(274人中35位)
論文 100点(68人中33位)
総合 56.8点(68人中38位)
※総合60.8点以上の22人が合格

【2012(平成24)年度:2回目】
多肢 74点(264人中8位)
論文 93点(78人中42位)
総合 57.5点(78人中35位)
※総合60.4点以上の28人が合格

【2019(令和元)年度:3回目】
多肢 81点(119人中1位)
論文 100点(31人中14位)
総合 62.4点(31人中6位)
※総合60.8点以上の8人が合格
※論文が基準点に満たず不合格

【2020(令和2)年度:4回目】
最終合格。点数・順位不明。

★試験対策
(1)多肢
5肢択一・40問・2時間というポピュラーなタイプ。受験案内には「国家公務員総合職試験程度」と記載があるけど、明らかにそれより易しい。ふつうの公務員試験と同じ程度。いわゆる一般知能科目(数的処理、判断推理、文章理解、資料解釈)が苦手な場合は一通り準備しておいたほうがよい。
(2)論文
過去記事参照。今年もダメかと思ってたけど、この講座で伝授されたいくつかのコツを論文に取り入れたら突破できた(個人の見解です)。
(3)口述
ネットで見つけた体験記を見て、この内容をベースに試験直前に想定QAを組んだりしてた。99%落ちない。司法書士試験の口述試験より受かりやすいイメージ。

★そもそも国会議員政策担当秘書って?
国会法132条2項に規定する「主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する秘書」のこと。単に「政策秘書」とも。根拠法令等はこちら

★試験に合格すれば政策秘書になれる?
2020年度が28回目の試験で、累計の合格者数は684人。両院の議員定数が合わせて707人だから100%任用される…というわけにはいかない。政策秘書任用のメインはこの「資格試験」でなく「選考採用」である。「選考採用」は司法試験合格、国家公務員一種(総合職)最終合格、博士号取得、議員秘書経験10年以上などに加え、国会議員の推薦がいる。大半はそっちから任用されている。「資格試験」の最終合格者のうち現在採用中の人は12%ほど。過去に採用されていた人も含めるともう少し多いのだろうか?





★政策担当秘書の待遇
初任だと「国会議員の秘書の給与等に関する法律」の別表第一の1級2号級以上が支給される。地域手当20%なので月収434,640円、年収7,367,148円。最高号級の3級4号級で月収640,800円、年収11,005,740円。…自分の勤務先の係長職〜課長職と同じくらい。



仮に、秘書経験ゼロ38歳の自分が就任したとすると、みなし在職期間が3年で2級1号級。試算すると
月給:417,400×1.20=500,880円
賞与:500,880×1.15×4.5=2,592,054円
年収:8,602,614円

★今後
合格者向けのオリエンテーションがある。興味あるので行きたいが現時点での転職はあまり考えていない。関連ネット記事を紹介する。

国会議員による陰湿な「秘書いじめ」はどうして起きるのか
2019/4/24 5:00 ダイヤモンドオンライン


▲聞き捨てならない見出し

ブラック職場"国会議員秘書"の異常な世界
2018/11/06 9:00 プレジデントオンライン

肉体的精神的にきつそう。パワハラモラハラ日常茶飯事、犯罪行為を強要されバレれば逮捕、断れば解雇。誠心誠意お仕えしても議員が不祥事で辞職に追い込まれれば失職する。負の側面を強調しすぎかもしれないけど、そういう要素も否定できないと認識している。最近だとIR汚職(+偽証依頼)や元法相夫妻の選挙買収で現職国会議員が逮捕されたが、各政策秘書も逮捕されている。一蓮托生。「この人のためなら水火も辞さない」という強烈な覚悟が求められる。それでも仕えたいという対象(議員)がいるなら、それは幸せなことだと思う。

★その他
弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)のブログの情報量が圧倒的にすごい。

★Special thanks