「友希最近は順調なの?」

「仕事?芸能活動?」

「両方、でも最近忙しそうだね?ちゃんと寝てる?」

「んー。仕事は慣れてきたよ?掛け持ちはキツイけど…まあ働かないとね?活動の方はさっぱり、時間もなければあてもないし…寝れる時は寝てるよ?ルーカスはどんな感じなの?」


「そっかー。体が1番出し、無理はダメだよ?それに目標持って状況したわけだから、そっちを優先しないとでしょ?俺は相変わらずだよ?」


「うん、そうだね。自分でも分かってるんだけどね、上手く回せなくて」


友希はルーカスの言葉に苛立ちを感じながら、心配してくれているルーカスに当たってしまう、自分にも嫌悪感になっていた。


2人に気まずい空気になっていた中、照明が落ちお店の端っこにライトが集まった。


ピアノの音が響き渡り、歌が始まると店内にいた客が静まり返り、一同を魅了させた。
友希もその歌声に聴き入っていた。


それと同時にこの場の雰囲気を一瞬で自分のものにしてしまう事に嫉妬心も感じていた。


「友希どう?素敵だと思わない?このお店は毎日、色んなアーティストが歌を歌ったり、楽器を演奏したりするお店らしくて、最近の友希は活動に時間も使えなかったみたいだし、少しでも気分転換出来ればと思ってね!刺激受けた?」


にこやかに微笑むルーカスを見て、友希の中で自分と他人を比べられた様に思い、気持ちが一気に溢れ出した。


「なんのつもり?どうせ、私はあんなふうに歌えないよ!毎日ただ働いて、夢に向かってなにも努力してなくてさ?けど何?自分のペースでやっちゃダメなの?あんなふうに輝きつづけなきゃダメなの?今の私にはあんなふうになれない、なりたいけどなれない、実力もないし、ルーカスはそれをわざわざ見せつけるために、ここに連れて来たの?どうもありがとう…」


ルーカスは何も言えないまま、友希は感情をぶつけた。

「友希?何言ってるの?そんな事思うわけないでしょ?俺はただ、友希に気分転換して欲しくて、今日は誘ったんだよ?」


「ルーカスごめん、今は感情が乱れてて受け入れられない、誘ってくれたのに…ごめん、私今日は帰るよ。ごめんね?」


友希はルーカスの話しも聞こうとしないまま、店を出た。

つづく