よう出てしまうとは。
発足時と東日本大震災直後の2回、大規模システム障害を起こしてしまったみずほ銀行。
それを払拭すべく、ゼロベースから作り直し、スカイツリーがいくつ立つだろうという位の予算を投入して、今までに無い人数を投入して作り上げた勘定系システム、MINORI。
幾度かの移行を行って、2019年に全面稼働。
この時にその開発費も一括で減損会計をかけて、背水の陣で投入したシステム。
とりあえず、全面稼働後システム障害こそ発生せず、色々な新規のサービスを投入してきました。
それが暗転したのが今年の2月28日。
この件は先に触れましたので、今度はその後わかったことを踏まえた上で。
障害の原因が定期預金の更新処理において、定例のに加えて特別対応として普段の2倍くらいの件数を投入しようとしたら、ハードウェアがさばききれなくなり、それがメインのシステムにまで波及してしまい、最終的に自行のATMがハングアップしてしまったという。
みずほ銀行はe-口座というネット通帳への移行を進めていて、その一環としての特別対応だったそうですが、そもそも月末というただでさえ件数が多いところにこういうのをかましてくるという神経がシステム屋の端くれとしても理解できません。
ちなみに、前日も結構な件数を投入したそうですが、その時ナントカ乗り切ったので、今日もナントカできる・・・とでも思ったのでしょう。
正直前日の現場の状況を知りたいものですけどね。
ただやり口自体が、みずほ銀行発足時と似てるなぁとは思いました。
今回の場合だと担当の営業系部門が何としてでもe-口座への移行を早く終わらす!と強弁を張ってシステム部門を黙らせて、システム部門は不安を抱えながらやったのでしょう。
現場がコレヤバいな・・・と思ってやっていたとすれば、それこそ大問題ですから。
結局この件で、e-口座への移行処理は一旦すべて凍結することになったそうで、通帳という(銀行からすれば)「厄介者」を何とかしたかったみずほ銀行の目算が見事に狂った訳です。
自業自得ではありますけど。
その事後対応でドタバタするなか、今度は3月11日に外国為替向けのサブシステムでハードウェア故障由来の処理遅延が発生という、これまたとんでもない事態が発生。
さすがに今度はみずほ銀行の親会社であるみずほフィナンシャルグループの坂井社長がお出ましになり頭を垂れる事態に。
結局4月1日付の役員人事を凍結し、現任の藤原頭取が当面の間留任して対応に当たり、次期頭取に内定していた加藤常務執行役員は副頭取となるそう。
一応昇格は既定路線で、時期を見た上で加藤氏が頭取に就任するそうですが。
当然「庁」からこれらの件に関する報告の命令が出ていますし、ガサ入れを経た上で恐らくまた「お叱り」的命令をいただくことになるでしょう。
スカイツリーが数塔も立つ位のカネを出してゼロから作り上げたのに、そういうオチでまたやらかしてしまうとは・・・と呆れるやら何やらで。
みずほ銀行をメインにしている者として今回のドタバタにはとてもガッカリしています。
ただ別の銀行にも口を開けてますので、今回の件でさすがに一部の預金を早速そちらに仕向けましたけど。
そういえば、三井住友銀行が500億でシステムを刷新します!と言ってましたね。
まるでMINORIへのアンチテーゼみたいに感じたのは私だけでしょうか。