「 貴方とはこれきり… 金輪際サヨナラよ」
その決定打に欠けている。
わたしが柏崎祐希を愛しているか⁈
と問われたら疑問だ。
かつて、氷室、桐島を全身全霊で愛した
ようにとはいかない…これが結論だ。
ショートケーキが大好きでも、翌日には
チーズケーキやさチョコレートケーキ
に目移りするのと同じだ。
ダンスのレッスン後に教え子も含めて
お茶をしていた。
柏崎祐希が店に入る。
「みて、スゴイイケメン。好みだな〜」
「あーゆー人は絶対彼女いるから…」
生徒の言葉に背後に視線を向けると
女連れの祐希がいる。
美蘭は心の動揺が隠せない。
店を背にした後また戻る。
祐希の元にツカツカ歩み寄る。
「 わたしの男につまらないちょっかい
出さないでちょうだい」彼女は
「ごめんなさい」と立ち去った。
「どうゆうつもり⁈」美蘭は詰め寄る。
「それはこっちのセリフだ。携帯出ない
約束もしない…」
「だからって、別の女の子に走るなんて
軽薄よ」無茶苦茶言ってるのは自覚してる。
「 美蘭…もしかして妬いてる?」
「そんなわけないじゃない 」
この取り乱し方はどうしようもない。
「告白されかけてた…でも僕は美蘭の男だ」
祐希は嬉しそうに言う。
「 バカね!」
彼の右手首に軽い傷がある。
「 どうしたのこれ?」
「大したことないさ」
「可愛そうに…」わたしはその傷に頬を当てる…
「今日は⁈ 泊まっていける⁈」彼は期待を
込めてわたしの顔を覗き込む。
「どうかしら?」手を放す。
燻製の美味しい居酒屋でダンスショーを
見ながら ワインを飲む。
「 わたし以外のダンサーをみてはイヤよ」
ベリーダンスショー故に男性の視線が熱い。
「仰せの通りに…」彼は音楽に耳を傾けて
わたしはショーを堪能する。
「おいで、美蘭。僕の僕だけの天使」
彼の部屋で戯れる。
祐希の腕にもたれかかる。
「 僕はキミの虜…」ベッドに倒れこむ。
更けてゆく甘美な夜を堪能した。
河合 ゆりか