前回記事にも載せた、去年の初め頃の渾身の走り!
歩ける様になって2ヶ月くらいで
親子で喜んでいた時期です。
それから2年足らずで、
今のように走り回る姿が見れるなんて。
あの時は想像も出来ませんでした。
今でも髄液が溜まって拡張した脳室は変わらずで、
浮腫で圧迫された脳実質は白質化し、
その後は、全脳+全脊椎に放射線(陽子線)を照射した。
一時は硬膜下水腫、血腫も出来た。
回復度合いも個人差で分からない。
これから起こることも分からない。
医師から聞けるのはいつもそんな答えだった。
それでも、確実に回復してきて今がある。
リハビリの先生が言ってくれてたことが、
現実のまおを通して、こういうことか!!
と分かってきた。
『傷害された部分は治ることはなくても、
(元には戻らなくても)
子どもは他の部分がその分発達してカバーするから、
障がいとして分からないくらい回復するよ』
と言う話。
寝返りからやり直し、
手作り椅子で、座位が保てる様になって
つかまり立ちから、独り立ちを経て
引きずりながらも歩ける様になった。
親の私は、引きずる足を重点に動かすことや、
スプーンなどをつかめる様になる遊びとか
失った言葉が出てくる為の、歌や絵本遊びとか
弱くなった部分が回復したり、強化されることで
できることが増えていくことが、
最重要のリハビリだと思ってしまっていたけれど。
日々のリハでは、
グラグラの台の上や、ボコボコの坂、
三輪車こぎとか、あえて不安定な環境をリハ室に作って
遊びながら複雑な動きをする様なリハをしてくれていた。
歩く、立つ、登るなどの生活に直結する動きだけではなく、
あえて普段しない様な動きが多くて、何故だろうと見ていた。
退院して病院を出たあと、まおの様子を見てこれかと納得した。
まおがこれから生きていく環境は、坂や段差に凸凹、不安定な所が大半。
そして、それを楽しむかの様に不安定な方ばかりに行き、ひたすら繰り返す。
体の各機能は、想定外、不安定さに対応しようと、
脳、運動神経、筋肉をうまく連動できる様に発達する。
だから、子どもは特に、想定外だらけの自然の中で
様々な機能をバランスよく発達させる必要があるんだね。
遊びの中でいっぱいいっぱい失敗しながら、繰り返し経験して
自分に必要な部分を育てていくのだね。
今でも体調が悪い時は、弱い右側の動きが悪く見える時があるけれど、
それは急にそこが悪くなるのではなく、
いつも補ってくれている他の部分のサポート力が減って、
元々弱い部分が目立って見える様になるだけなんだな。
弱い部分があるままでいい。
治そうとしなくてもいい。
必要な部分がちゃんと育ってくれるから。
これって子育てとおんなじ。
体ってすごい。
命の可能性ってすごい。
改めて納得した、3年目の秋の日でした。