ただの爪先立ちではなくてバレエのルルベの生体力学

 

バレエのルルベの場合、重心線がMP関節より前です。どのくらい前になるかは時と場合と人によりますし、それを計算に入るととても複雑になりますのでそれはやめにして、取り敢えず重心線はMP関節の真上ということにして計算します。

 

 

そうすると、シーソー型の、第1のテコの原理の適応になります。

テコの支点であるMP関節から、重心線が遠ければ遠いほど、踵を引っ張り上げておくための腓腹筋・ヒラメ筋の筋力が必要になりますから、ルルベ角が大きく、距腿関節がMP関節の真上に近ければ近いほど筋力が必要なくなり、ふくらはぎが楽になります。

 

 

それを、モデルの骨格でルルベ角を低い方か高い方へと少しずつ変化させて、必要な筋力(MF)を計算して出したのがこちら。

小さくて見にくいですが、まあ要点は

ルルベ角が大きければ脹脛の筋力は少なくて済むから楽勝ということです。

 

反対に、どうです?図の左側の方を良く見てください。

ルルベ角が低いと、一体どんな罰ゲーム?ってくらいに大変なことになってます。

 

 

 

(片脚立ちで)踵を持ち上げておくのに必要な筋力が体重を超えるなんてもう、そんなルルベやってられません。とてもキープできません。

 

バレエの先生方からいくら熱心に「ルルベ高い方が安定するし楽だから」とか言われたとしても、どう頑張ろうと無理なものは無理ですね。

 

 

時々見るでしょう?初心者でもないのにルルベがえらい低い人。可動域的にはもう少し上げられるのに上げないで低いルルベのままでいる人。

こういう事情があるんですよ。まさか片脚で50kg以上を支えないとバレエのルルベができないなんて、そこまで過酷な負荷に喘いでいるなんて思わないでしょう。

 

こういう人は、本人の努力ではどうにもならないことなので、どうしたって低いルルベで妥協するしかないんです。

 

これをまとめると、こんなになりますが、うーん見にくい。

でも仕方ない。

 

 

すいません。この図の説明文一部間違えてました。訂正済み

 

ちなみに、この図のルルベ角ですが、この「バレエのルルベの限界点(また造語です)」の角度は83°から84°くらいになりました。

ただしこれは、この図の骨格モデルに限った話で、骨の長さが変われば当然変化します。

多分多めに見てルルベ角85°くらいあればバレエのルルベの限界点は突破できるのではないかと思います

 

 

 

定義:バレエのルルベの限界点

重心線をMP関節の後ろに通すより、MP関節の前を通した方が、ルルベのキープに必要な筋力が少なくて済む点