和解に代わる決定 上申書
という文言で検索されてこのブログにいらっしゃる方が多いようなので、今日は「和解に代わる決定」について解説してみます。
※書式はこちらをご覧ください http://ameblo.jp/ykjs/entry-10642697539.html
まず「和解に代わる決定」は簡易裁判所のみの取り扱いです。
地裁で似たような処理をするときには、受諾和解が利用されます。
この和解に代わる決定について、ものすごく簡単に説明すると、本来であれば、判決を出してしまうのが妥当だけど、被告側に事情があるときに、原告の意見を聞き、裁判所が、分割払いや支払を一時猶予するという決定を行うもので、確定すれば判決と同様の効力があります。
しかし、最近では条文の予定するところとは異なり、期日に被告が出頭してこないため和解はできないが、当事者間で話しはついているため、裁判は終わらせたいという状況で良く利用されています。
決定の内容としては、通常の和解条項とほぼ変わりません。内容について希望があれば期日に口頭で述べるか、上申書を提出すれば、それに沿った形で作成してもらえます。希望がなければ、金額と支払期日、支払方法を伝えれば、裁判所で適宜の内容で作成してくれます。
メリットとしては、
・当事者においては、一応合意に基づく解決が図れ、かつ債務名義(支払がなされなかったときに強制執行することができる権利)が取得できる
・裁判所にとっては、判決を書くという負担が軽減でき、かつ早期に事案を処理できる
といったところでしょう。
判決を書くのは裁判所にとって結構な負担のようで、どの裁判官も基本的には和解等による解決を好みます。
この和解に代わる決定をするタイミングについても、裁判所や担当する裁判官によって結構差異があります。
たとえば、さいたま簡裁の場合は、初回期日で訴状を陳述していれば、FAXや電話で和解が調った旨を伝えれば、期日外、つまり裁判所に行かなくても和解に代わる決定をしてくれますが、川越簡裁の場合には、そのような取り扱いはしておらず、期日において、つまり裁判所に行かなければ決定をしてくれません。
(※裁判官が変わると取り扱いが変更になる可能性も十分にあるので、各簡裁で今後もこの対応をとるとは限りません。)
上申はどちらがするべきか?というような疑問も生じてきます。
実務的には、どちらからの上申でも構いません。ただ、相手方の意向は基本的には確認されます。
裁判所の立場としては、被告側から上申してもらうほうが良いようです。
これは、原告は基本的には期日に出頭するので、被告から上申された内容について、期日に裁判所から原告の意向を確認すれば問題なく処理ができるからです。
逆に、原告側から上申を出すと、被告が期日に来ず、かつ事前に電話で意向について確認できないような場合には、異議が出る可能性が残ってしまいます。このような場合には、事件の終了までにさらなる時間を要してしまう可能性があるため、裁判所によっては嫌がられます。
ですので、原告から上申を出す場合には、被告にも裁判所へ電話連絡をしてもらうほうが好ましいでしょう。
なお、当事者間で和解が成立したときに、裁判上の和解や和解に代わる決定以外の方法で対応する場合には、実務上は、和解書を当事者間で取り交わした上で、期日を取り消して次回期日を追って指定する(期日を未定にしておく)という対応や、入金日以降の日付に期日を入れるという対応で、裁判手続きを延期することもできます。
しかし、裁判所からすれば、処理が終了していない案件がたまっていくことになりますから、あまり好ましいとは言えないようで、期日の延期をお願いする電話をかけると、「和解に代わる決定で対応して下さい」と言われることもよくあります。
