「東大ちゃん」のプロフィールを簡単にご紹介しましょう。
お名前は秘密。(もちろんです!)年齢は2009年夏時点で31歳。でも絶対20代前半に
見えます。身長150センチ台。体重45キロ。スリムで、ハーフみたいな美人さんです。
声はハスキーで非常に大きく、性格はオープン。常に超ハイテンション。
ちょっと土屋アンナに雰囲気が似ています。
無印と彼女は、一昨年暮れに某病院に入院したときに知り合いました。
本来は4人部屋だったんですが、たまたま他の患者さんがいなかったため、無印と彼女の二人きり。かなり疲れました。
彼女は、明るくていわゆるムードメーカーである一方、とっても我儘でした。
集団行動を嫌がり、そしてそれが何故か彼女だけ許されていました。
まあ、これはメンタル系の病院だけじゃなく、どんな病棟にだっていえることです。
つまり、「患者さんの病状に合わせた」ケアをする、ってこと。
それはそうなんですけど、でも、同じ部屋で普段は二人で同じように過ごしているのに、
食事や入浴や薬のたびに彼女だけ別室で食べたり、一人だけで病棟のお風呂を占領したり、薬が部屋まで届けられたり(普通はナースステーションまで取りに行くシステムなのです)するのを見るのは、正直不愉快でした。
こっちだって治療目的で入院してるんだから、あんまり精神に波風たてるようなこと
しないでほしい。そう思いました。
けれど、なんとか乗り越えて、無印が先に退院しました。
彼女から何回か手紙が来て(病棟内は基本的に携帯禁止なのです)、
こちらも返事を書きました。
それもいつしか途絶え、無印の中で彼女は過去の人となっていきました。
それから数カ月後。
自室にいた無印の携帯が鳴りました。
見慣れない番号が表示されています。用心しながら出てみると、
「出た~!!!!無印~!!!!久しぶり、元気~~???」
…彼女でした。
こうして、無印と「東大ちゃん」とのプライベート(?)なお付き合いが始まったのです。
当時、無印は情緒があまり安定しておらず、家族ともぎくしゃくしていて、家庭内に
居場所がない状態でした。そんなときに、一人暮らしの「東大ちゃん」が、
「無印~、うち泊まりおいでよ~うちからなら病院(※通院しているのです)まで歩いて
すぐだしさ~あたしさびしいから家いっつもひといるし、ほんとマジでおいで~」
と言ってくれたのは、正直言ってありがたかったです。
しばらくは、遊びに行く頻度も2、3カ月に一回、といった感じで、泊まるのも一泊でした。
でも、夏ごろからだんだん歯車が狂い始めて行きました。
元凶は複数あると思います。無印の飲んだくれすぎ、そして「東大ちゃん」に彼氏が
できたこと。
そう、バイト先のコンビニで知り合った25歳の男の子と、お付き合いを始めたのでした。
最初は電話で「期間限定の彼氏なの。もうすぐ実家帰っちゃうから」と笑っていました。
彼氏は地方出身のひとで、メンタル系の病気ではありませんでした。
これは、無印にとっても喜ばしいことでした。
やはり、病気のひと同士が付き合うのは、とても難しいので。
ただ…今現在、クリアな頭で考えてみれば、やはりあの彼氏は「あやしい」タイプ
だったのです。