芝居としての設定や様式、
セリフ、俳優の演技・・・は面白かった。
よかったと思う。

けど、もう一度観たいかと言うと、そうではなかった。

何故かと言うと、藤原君演じるジョンが、
時を経るごとにだんだんと嫌なヤツになっていくからだ。

舞台が始まったばかりの頃は、
ベテラン・ロバートの話(多くは愚痴)を、
若手新進俳優のジョンは目を輝かせて聞いていた。

ジョンの瞳からは、
大先輩に対する尊敬・憧れが迸るようだった。

それがシーンが進行するにつれて、
ジョンは人気俳優への階段を着実に登り、
それと反比例するようにロバートは精彩を欠いていく。

人気急上昇中のジョンには、
ロバートの愚痴や古臭い演劇論、人生観・・・
それらを長々と語られるのが、だんだんウザくなっていく。

生返事をしたり、露骨に面倒くさいという
表情を見せるようになっていく。

そこにあるのは、侮蔑・軽蔑・優越感・・・。
そんなジョンの心情と態度の変化が、
愛には辛く悲しいものだった。

そう感じるのは、愛が若くない証拠なのかもしれない。

ジョンの年長者をバカにした生意気な態度に、
そろそろ反抗期を迎えたらしい
娘ペロティーの姿が重なって見えたせいかもしれない。

「諸行無常」とロバートが何回か口にする。
世の中のものは常に変化している。

子供はやがて大人になり、そして、歳を取る。

ジョンもやがてはロバートの立場になり、
その時に初めてロバートの事を
本当に理解するのだろう。

愛も昔、子供だった頃は、
親の思いが理解できなかった。

親になった今は、子供だった時の気持ちを
忘れているのかも知れない。

人は今の自分の立場でしか、
ものを考える事が出来ないのかな。

それはそれで仕方がないかもしれないけど、
チョット悲しいね。
・・・ってことを教えてくれた舞台だった。

チケットをとってくれたチイちゃん、いい席だったし、
いい芝居だったよ。ありがとね。